意外と知られていないJR長距離切符のお得な利用方法

意外と知られていないJR長距離切符のお得な利用方法

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2017年 7月25日改訂

JRでの長距離移動となると、新幹線や特急等を利用して一気に目的地まで行く場合がほとんどだと思います。
しかし、それ故に見落としやすい、意外と融通が利く乗車券の使い道というものがあります。

今回の内容は、鉄道好きの方や、よく長距離移動をする方にとっては周知の事だとは思いますが、それ以外の方にとっては意外と知られていないであろうJR長距離切符のお得な利用方法についてまとめてみようかと思います。


●何度でも途中下車ができるJR長距離切符●

JR途中下車01
目的地までの移動距離が100kmを超えると、大抵の場合は「みどりの窓口」か「みどりの券売機」でしか乗車券を購入できないと思われますが、そこで発券した乗車券は、写真のようにカード状の券になっていると思います。
乗車券には乗車する駅から目的地までの駅が大きく記載され、そのすぐ下側には“どの路線を利用するか”といった情報が「経由:」の項目に記載されています。

そして今回注目していただきたいのは、その「経由:~」のさらにすぐ下のほうに記載されている「○月○日から ○日間有効」という情報
これは単純に「切符を購入してから○日以内に利用しなければならない」という風に認識されている方も多いかもしれません。
しかしこれ、正確には「切符に記載された日から○日以内に目的地に辿り着かなくてはならない」といった意味となっています

つまり、途中の駅で下車して宿泊し、翌日また移動を再開するという事が可能であり、これは即ち途中下車が可能である事を意味します。
しかも、有効日数内で後戻りさえしなければ、何度でも途中下車する事が可能

●「途中下車」とは●

「途中下車」の定義は“乗車券の有効期間中に、有効区間内の駅で改札口を出ること”という事になっています。
つまり、目的地へ向かう途中の駅で、乗り換えや乗り継ぎの為に列車を一度降りるだけでは途中下車とはなりません。改札を通って初めて途中下車扱いとなります。
●有効日数について●

券面に記載されている有効日数は、JRでの移動距離が101km以上から発生するようになっており(100km以内は当日中のみかつ途中下車無効)、101km以上で2日間の有効日数が発生し、201km以上で3日間に増えます。
以降、401km以上で4日間601km以上で5日間…という風に200km毎に1日追加されていくようになります。

JR途中下車02

写真の場合、4月30日から5月3日までの4日間で大阪市内の駅から亀嵩(かめだけ)駅まで移動しなければならない、という事となります。

今回の私の場合、夕方6時頃に大阪駅を出発しましたが、この日は松江や鳥取に安いホテルが空いてなく、豊岡(兵庫県)で1泊して移動を再開。
また、翌日は松江市内で1泊をする予定だったので、途中松江駅で一度下車し、荷物をホテルに預けてからまた亀嵩駅へ移動を再開。
さらに、宍戸駅にて乗り換えの列車の待ち時間が1時間ほどあった為、宍道(しんじ)駅でも下車して駅周辺を散策する、といった感じで大阪駅から亀嵩駅までを移動しました。
3回途中下車しています。勿論、追加料金を払ったりはしていません。

 

 

●途中下車の方法●

JR途中下車03
そして、実際に途中下車をする方法ですが、単純に切符を自動改札機に通すだけです。
通常、目的地の駅や途中下車不可の切符を自動改札機に通した場合はそのまま回収されてしまいますが、途中下車可能な場合は、切符が回収されずに改札機の出口側からまた切符が戻ってきます。忘れずに取りましょう。

もし自動改札機をいきなり通すのが不安な場合、若しくは自動改札機がない場合は、改札口の駅員さんに「途中下車したい」と声を掛けるのが良いでしょう。
この場合、写真のように切符に途中下車した駅の判子が押印される場合もあれば、「改札機を通してください」と言われるか、あるいは「はい、いいですよ」と一言掛けられるだけで改札を通してくれる場合もあります。
これは駅によってマチマチです。

また、自動改札機を通して途中下車する場合、駅名が判子を押されたかのように印刷されるか、写真のように切符の脇に小さな穴があけられるかとなります。これは駅あるいはエリアによって違ってきます。何も変化がない場合もあり。


ちなみに、片道601km以上から適用される往復割引切符でも、しっかり途中下車が可能となっています。
うまく利用していきましょう。

 

 

●寄り道する場合でも切符は最終目的地までを購入するのがお得●

そして、この途中下車を駆使することにより、さらに少しだけお得な事になってきます

大阪駅から亀嵩駅までの運賃は¥7,340
上記のように豊岡駅、松江駅、宍道駅にて途中下車しましたが、これをそれぞれの駅までいちいち買いなおした場合と比べると、

・大阪→豊岡:¥3,020+豊岡→松江:¥3,670+松江→宍道(しんじ):¥320+宍道→亀嵩:¥840 で計¥7,850となり、¥510お得になります

また、もし途中の鳥取駅でも途中下車をしていた場合、

・大阪→豊岡:¥3,020+豊岡→鳥取¥1,490+鳥取→松江:¥2,270+松江→宍道:¥320+宍道→亀嵩:¥840 で計7,940となり、¥600お得になります

このように、途中下車の回数が増えるにつれてお得度が増していくメリットもあり、早い話が、切符を購入する際は最初から最終目的地までの分を購入した方が良いということになります。
特急を使わずにゆっくりと移動を楽しみたい、という方にとって非常に有効な手段となります。
特に青春18きっぷが販売・利用できない期間中に長期休暇を取得してどこか遠出したい、といった場合に大きな手助けとなることでしょう。

ちなみにこの長距離切符、当然ながら通常の乗車券扱いなので、特急券を別途購入すれば特急にも乗車できます(青春18きっぷにないメリットの一つ)。
どうしても急ぎで移動したい区間があるような場合、そこだけ特急を利用して後は普通列車で移動する、といった方法も可能です。

●「券面表示の都区市内各駅下車前途無効」という表記について●
JR途中下車02
写真のように券面の「4月30日から4日間有効」という表記のすぐ下部に「券面表示の都区市内各駅下車前途無効」という表記があります。
これはどういうことかと言いますと、乗車券に記載されている出発駅または目的地駅に「○○市内」と表示されている場合は、その市内に該当する駅で改札を出場すると、そこから先の区間が使えないということを意味します。写真の場合、出発駅が駅名ではなく「大阪市内」という表記になっていますが、これは大阪市内の何れかの駅で下車(改札を出る)した場合、そこで切符は回収、無効となってしまうということになります。逆に、大阪市内であればどの駅からでも乗車できるということも表しています。
目的地の駅名が「○○市内」という表記になっている場合も同様です。

●長距離切符の特徴を活かしたお得な利用方法●

そして、この方法を応用して、さらにお得に長距離移動をする手段も存在します。
例えば、東京から名古屋に行きたい場合、多くの場合は新幹線を往復利用することだと思います。

しかし、JRの運賃は、移動距離が601km以上になるとそれ以降はかなり安くなること、そして上記で述べた長距離切符の特徴を活かして、一筆書きのようにどこにも重複しないルートを利用して東京から名古屋へ行って東京へと戻ってくることが可能です。


東京 → 熱海、静岡経由の東海道線 → 金山(名古屋)
注1
  中津川、塩尻、甲府経由の中央本線 → 新宿 → 東京という風に輪を描くように移動をすれば、運賃は¥10,480となります(5日間有効)。

東海道線を単純に往復した場合、片道¥6,260×2(往復分)で¥12,560
¥2,080お得になります
そして、これは新幹線を含む特急料金が含まれていない通常運賃のみでの計算ですので、特急を一切使わなければその差額は非常に大きなものとなります

行きは東京から東海道線をゆっくりと下って金山まで行き、帰りは中央本線を上り、行きと違う景色を楽しみながら東京に戻る、という楽しみ方もできます。
途中下車も勿論可能であるため、名古屋以外にも気になる場所があれば、時間が許す限り楽しむことも可能です。

少し時間を短縮させたい場合は、東京から新幹線で名古屋の一つ前の三河安城(みかわあんじょう)まで行き、そこから東海道本線に乗り換えて金山まで移動する、というのも良いでしょう。
名古屋〜金山間は、通過する列車を利用する場合は2回通っても良いとの情報をいただきました。

または、中央本線で特急を利用するのも良いでしょう。
選択肢も様々です。

この一筆書き移動法を駆使すれば、東京→仙台→盛岡→秋田→新潟→長岡→高崎→拝島→東京という風に東北・上越をグルッと一回りする事も可能。
ちなみに、これで運賃は¥14,470。(8日間有効)
普通に東京、盛岡を往復移動しようとした場合、片道¥8,420×2(往復分)で¥16,840
ちなみに、往復割引は片道601km以上から発生します。
¥2,370お得になります
勿論、こちらも特急を利用しなければさらにその分の費用が浮くことになります。

 

「わざわざこんな面倒で手間の掛かる移動方法を取らんでも、普通に新幹線に乗ってさっさと移動して帰ってくりゃいいじゃん」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
しかし、今回取り上げたこれらの特徴は、
1.本来の目的地以外にももっとついでにいろんな場所に行ってみたい
2.少しでも旅費を安く抑えたい
3.道中の景色もゆっくり楽しんでみたい
4.行きと帰りのルートにも変化がある、といった利点を含んでいます。

余分に宿泊費が掛かる分、こっちの方がかえって高額になるのでは?と思うかもしれませんが、新幹線等の特急料金が浮いた分を宿泊費用に流用することができますし、これで本来の目的プラスアルファを楽しめることができれば、大きな得になるのではないでしょうか。

 

 = 普通列車のみを利用して名古屋まで行きたい場合、名古屋~金山間は、行きと帰りでルートが被ってしまう為、同区間の往復分の切符を別途用意しておくか、地下鉄を利用すると良いでしょう。特に地下鉄の場合、一日乗車券を購入すれば名古屋の全ての地下鉄が終日乗り放題となります。

 


●青春18きっぷと普通運賃のお得度の分かれ目
 

2017年現在、青春18きっぷの値段は¥11,850となっています。発売・利用開始期間が訪れると「こっちの方が断然お得そうだから」といった理由で購入しがちですが、まずはどこまで移動するかなど、明確に決まってから購入することをお勧めします。

総移動距離が921km以上だと普通運賃は¥11,990(6日間有効)となるため、青春18きっぷが安くつきます
しかし、総移動距離が920km以内の場合、普通運賃は¥11,660(6日間有効)となりますので、こちらの方が安くつきます。ただし、普通運賃の乗車券では6日以内に目的地まで移動しなければならない、原則後戻りができない等の制約があります。

ただし、青春18きっぷの場合、例え総移動距離が920km以内となってしまった場合でも、5回未満の利用、かつ利用可能な期間内である場合、またふと思い立って、ある程度の遠出が追加運賃なしでできるメリットがありますので、一概には言えない部分もあります。

しかし、もしこの6日以内に確実に済む予定であり、かつ、これ以降長距離移動をする予定もないのであれば、普通運賃で切符を購入するのが良いでしょう。きっぷを購入する前に時刻表やYahoo!の路線情報などで大体の総移動距離を調べ、また、どういった旅行計画をとるかを考慮し、どちらがお得か決めておきましょう。

ただし、普通運賃はJR東日本、西日本、東海の本州3社のみの場合です。JR九州、四国、北海道をまたぐと、若干値段が変わってきます。詳細はこちらを参照ください。

『JRおでかけネット/きっぷのルール』 


◆注意点◆

後戻りしたりしない限りは何度でも途中下車ができる長距離切符ですが、なかには途中下車ができない区間もあります。

1.片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券
2.大都市近郊区間内のみをご利用の場合の普通乗車券
3.回数券
4.一部のトクトクきっぷ
5.特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券、ライナー券
6.特定の都区市内発着でそれぞれ同じゾーンの駅

これらの条件に当てはまる場合、途中下車ができません。


1.片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券

これについては記事中ですでに述べていますが、途中下車ができるのは、券面に有効日数が記載されている場合のみです。
有効日数がカウントされるのは片道101km以上からとなりますので、100kmまでの区間だと途中下車無効(降りた駅で切符は回収されます)の当日のみ有効となります。

2.大都市近郊区間内のみをご利用の場合の普通乗車券

これについては、下記のリンク先を参照にすると良いでしょう。
『大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例』
リンク先にあるそれぞれの区間内のみの利用となる場合、重複しない経路をどんなに移動したとしても、途中下車はできないということになります。

3.回数券

言葉通り回数券では途中下車ができないということになりますが、例えば、金券ショップ等で安い長距離切符が販売されている場合、それは大抵は回数券であることでしょう。それを利用する場合は途中下車ができません。

4.一部のトクトクきっぷ

往復割引きっぷなどに「途中下車無効」とある場合は、途中下車してしまうと切符が回収されてしまい、それ以降についてはまた別途乗車券を購入しなおす必要がでてきます。

5.特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券、ライナー券

特急やグリーン車等乗車券以外に必要な切符のことで、これについては例え自由席の券であっても一度途中下車してしまうとそこで無効となってしまいます。
しかし、片道の移動距離が101km以上であれば乗車券は途中下車しても有効ですので、以降は普通車で移動するか、再度特急券等を購入しなおして特急等に乗車することができます。

6.特定の都区市内発着でそれぞれ同じゾーンの駅

これについては、下記のリンク先を参照ください。
『特定の都区市内駅を発着する場合の特例』
それぞれの路線図内の駅から乗車開始する場合、同じ路線図内の駅で途中下車はできないというもの。目的地駅がそれぞれの路線図内にある場合も同様。

早い話が、主要都市内の駅から乗車してすぐ近くの駅で途中下車しようとしたり、目的地が主要都市内の駅の一つで、その直前の駅で途中下車したりしないように注意すれば良いということ。

また、有効日数を過ぎてしまった場合についてですが、もし乗車中に日を跨いで有効日数が切れてしまった場合、途中下車をしない限り券面に表示された最終駅まで使用できます

以上が主な注意点となりますが、ちょっと分かり難いものもあるかもしれません。
途中下車可能かどうかよく分からない場合、いきなり自動改札機を通すのではなく、駅員のいる改札口で駅員に切符を見せ、「途中下車したい」と伝えた方が確実です。

 


101km以上の長距離切符のメリット、デメリットのまとめ


メリット 

何度でも途中下車ができる  … 既述の通り、後戻りしない限りは何度でも途中下車ができます。※ただし、途中下車ができない区間も中にはありますので、十分ご注意ください。

時期を問わずいつでも購入、利用できる  … 青春18きっぷ等の場合、購入・利用できる時期が決まっている場合がほとんどですが、長距離切符の場合は時期を問わずに購入・利用できます。仕事の関係で年末年始やお盆に休暇を取れず、時期をずらさないといけない方や、青春18きっぷが使えないゴールデンウィーク中などには特に有効と言えます。

特急券を別途購入すれば、特急にも乗車できる  … 青春18きっぷだと特急券を購入しただけでは特急に乗車できない弱点があります(特急を利用する区間の乗車券が別途必要)。しかし、長距離切符の場合は、予定を変更して早めに目的地に移動したいと思った場合、特急券を購入すれば特急にも乗車できます。ただし、特急が走るルートと乗車券に示されたルートは、当然ながら一緒でなければいけません。

長距離になればなるほどお得感が増す  … JR運賃は移動距離が601km以上になると安くなります。これを利用し、出発地から一筆書きのように目的地を経由して戻ってくるルートを取れば、往復で切符を購入するよりも安上がりになります。

  デメリット 

原則として後戻りはできない  … 例え一駅前であっても、一度通過した後に「あ、やっぱりさっきの駅でも降りてみたい」と思っても後戻りはできません。どうしても戻りたい場合は、その駅からの往復分の切符を別途購入する必要があります。

青春18きっぷと比較すると、高額になりやすい  … 移動距離がそこまでない場合は長距離切符の方が安上がりになる事も多いですが、「日本列島の端から端まで行ってみたい」といった超長距離の場合だと、どうしても青春18きっぷに比べて高額になります。

切符に記載された有効日数内に目的地に辿り着かなければならない  … 長距離切符の場合、利用する日から切符に記載された有効日数以内に目的地に行かなければなりません。青春18きっぷの場合、利用期間こそ決まってはいますが、“最初に利用した日から何日以内”といった決まりはありません(5回分1セット(5枚綴り))。利用した日、人数だけがカウントされます。
途中下車駅付近にて何日か滞在したい場合、その滞在日数の間に切符の有効期限が切れた時は、その駅から目的地までの乗車券を購入しなおす必要が出てきます。

・途中下車が制限されている区間がある  … 東京都区内や大阪市内などを始めとした特定の主要都市内の駅発着の場合、同じ都区市内にて途中下車することができません。特に東京近郊区間はエリアがかなり広めとなっている為、101kmを超えていたとしても、東京近郊区間内であれば、途中下車は出来ないことになりますので、注意が必要です


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