動物たちのいる島へ ~国内9種・15島超もの動物島への旅~
日本には非常に多くの離島がありますが、中には島の人口よりも動物の数の方が圧倒的に多い島というのも多く存在します。
ウサギ、サル、ヒツジ、ウマ……その動物の種類もまた実に様々であり、それぞれの島の独特な光景を生み出します。
海、山、空の三景が織り成す離島ならではの絶景。
時にはいきいきと、時にはのんびりと過ごす動物たちの姿に癒される旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
ここでは、そんな「動物たちの島」の数々について紹介していきます。
2019年4月21日 猫島『沖島』の詳細記事リンクを追加
2018年10月16日 目次にリンクを追加、『加唐島』追加
2018年10月17日 『ユルリ島』追記
【目次】
―ウサギの島・『大久野島』
―ヒツジの島・『焼尻島』
―ウミドリの島・『天売島』
―サルの島・『幸島』
―ウシ/クジャクの島・『黒島』
―ヤギの島・『波照間島』
―ウマの島・『与那国島』
『ユルリ島』
『西ノ島』
―シカの島・『厳島(宮島)』
―猫島―
・『田代島』
・『青島』
・『藍島』
・『相島』
・『馬島』
・『竹富島』
・『沖島』
・『真鍋島』
・『玄界島』
・『地島』
・『加唐島』
―ウサギの島―
日本における「動物の島」の代表格とも言うべき島、大久野島。ウサギ島という通称でも知られ、1971年に8羽のウサギが放されて野生化した後、現在では300羽を超えるにまで繁殖しています。
誇張するわけでもなく、本当に島中ウサギだらけです。広島県竹原市の沖合いにある、瀬戸内海の島々の一つ。知名度の高さから、連休等のシーズンになると、非常に多くの観光客で賑わうため、船での移動だけでも一苦労する場合がありますので、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
■『大久野島(ウサギ島) 1 ~ウサギ天国~』
■『大久野島(ウサギ島) 2 ~戦時中の証言者としての島~』
―ヒツジの島―
北海道羽幌町の沖25㎞の位置に浮かぶ島で、島内にはめん羊牧場が広がり、「ヒツジ島」という通称でも知られます。
この焼尻島で放牧されている羊は、サフォークという種であり、顔と四又が黒いのが特徴。羊といえば、メリノという顔や四又が白い品種が最も有名である事から、この黒い羊の集団を見かけるのは、意外と珍しい光景となるでしょう。
ラム肉の多くはこのサフォークのものとなっており、臭みがなく、ジューシーな肉で、フランス料理の高級食材でもあるようです。
■『ヒツジ島(焼尻島)の旅 ~レンタサイクルで島内を駆け巡る~』
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―ウミドリの島―
北海道幌延町の離島で、焼尻島から西側に約3.7kmほどという近い位置にあります。
特に世界一の繁殖数を誇る“ウトウ”という海鳥で知られ、日没と同時に魚をくわえたウトウが赤岩展望台周辺の巣穴に戻り、そしてウミネコがその魚を狙ってやってくる様を、5月中旬~8月上旬にかけて見ることが出来る場所となっています。
私の場合、来訪時期がずれてしまった為、ウミドリたちを見る事が出来ませんでしたが、島内をレンタサイクルで駆け回ってみましたので、興味あればご覧ください。次はウミドリがやってくる時期に行ってみたいものです。
―サルの島―
宮崎県串間市に浮かぶ島で、野生のニホンザルが100頭以上生息する「猿島」として知られます。
この島の猿たちを有名にしたのは、イモに付いた土を落とすために、海水でイモを洗うという行動をとるその姿。1頭の小猿がサツマイモに付いている土を落とすために、小川で洗い始めた事から、次第に他の猿たちにも広まっていく事になり、現在では塩味を付ける理由もあって洗うようになります。
人間以外の動物が文化を持つという重要な性質から“文化を持つ猿”として、世界的にも知られています。
■『サルの島・幸島 ~宮崎県南部で世界的に知られる“文化を持つ猿”たちに迫る~』
―ウシの島+クジャクの島―
沖縄県の八重山諸島にある島の一つである黒島。牛の牧畜が盛んであり、牛たちの数が島の人口よりも圧倒的に多い事から、「牛の島」という異名でも知られています。
黒島の人口は2016年時点で約220人。これに対し、牛の数は2800頭ほどと、実に人口の10倍超もの牛が育てられています。 そして、この黒島は「クジャクの島」という異名も併せ持っています。1980年代に鑑賞用に持ち込まれたインドクジャクが、台風によって飼育小屋が壊された際に逃げ出し、そのまま野生化してしまいました。一時期は数千羽以上も生息するにまで異常繁殖し、畜産業に打撃を与えるにまで至ってしまった為、2013年には1400羽以上が駆除される事態となりました。
その後も銃器による駆除や、探索犬による繁殖卵の駆除などが続けられています。
―ヤギの島―
民間人が通常訪れる事の出来る、日本最南端の島として知られる島、沖縄県の波照間島。島内のいたる場所でヤギたちの姿を見る事が出来る「ヤギの島」として知られています。
人に飼われているヤギ、野生のヤギに分かれているようですが、このヤギたち、実は食用となっており、結婚や入学、卒業などの祝い事の際に、刺し身やヤギ汁として振る舞われるようになっています。
ヤギ肉は特有の臭みやクセがありますので、万人ウケする肉とは言い難いものですが、島内の居酒屋でも食べる事が出来るようですので、トライしてみてはいかがでしょうか。
―ウマの島―
日本最西端の島、与那国島。島内には“与那国馬”という日本在来種の与那国町天然記念物に指定された馬たちを多く見かける事が出来ます。
島内の東牧場や北牧場、南牧場等で見ることができ、タイミングが合えばこの道路上を馬たちの群れが大移動する光景を間近で見ることができます。
実はこの与那国島、特に「ウマの島」などという通称はありません……。私の独断でここに挙げていますが、この与那国馬たちの群れを広範囲で見る事が出来ることから、“ウマの島”に認定しても良いような気がします。
誰か与那国島をウマの島と言い広めてくれないかな…。
■『与那国馬 ~島の大自然と与那国馬が織り成す安らぎの光景~』
ユルリ島
ちなみに、ウマの島と言えば、北海道の根室半島のすぐ南側に浮かぶ島「ユルリ島」という無人島がそれに当たりました。
元々は昆布漁の為に島内に持ち込まれた馬たちで、昆布漁が衰退してからは、馬だけが島内に住み着くようになりました。かつては30頭ほどの馬たちが生息していたそうですが、間引きをしていた漁師たちの高齢化等の問題もあって牡馬が島から引き上げられ、2017年には10分の1の3頭にまで減ってしまいました。
「馬の楽園」とまで言われたかつての面影がほとんど消えてしまった現在、何を思えば良いのだろう?何ができるのだろう?そういった事を考えさせられる島でもあります。
2018年、新たに3頭の馬がユルリ島に運ばれたようです。今後の経過が注目されます。
■『ユルリ島 ウェブサイト – Yururi Island Website – 岡田敦』
隠岐諸島の西ノ島。ダイナミックで雄大な景色が広がる中、馬たちや牛たちがのびのびと過ごす光景を見る事が出来ます。
大自然と動物たちの溶け合う姿。これほど“日本離れ”した光景を見る事が出来るのは、北海道でもそうそうあるものではありません。
ウマの島、ウシの島、両方の特性を合わせ持つ「動物の島」を心行くまで楽しむ事が出来ます。
―シカの島―
広島県の言わずと知れた厳島神社のある厳島。
「宮島」という通称で知られるこの島は、朱色の社殿や鳥居が海上に建てられているというそのロケーションの良さもあり、観光客で賑わう日が絶えません。
日本三景の一つにも挙げられるこの島内には、実に多くの鹿たちが生息しており、町や山など多くの地点でf鹿たちの姿を見ることが出来ます。
―猫島―
猫たちが数多く生息する島、猫島。宮城県の「田代島」や、愛媛県の「青島」等がよく知られていますが、実は猫島という通称のある島は、国内だけでも15島を超える数が存在します。
猫好きを極めたい方は、是非頑張って制覇してみてはいかがでしょうか?
ちなみに私は現時点で11島もの猫島に訪れています。中には猫が思ったより少なくて拍子抜けするような島もありましたが、その島ならではの風景なども合わせて楽しむ事が出来ます。
猫島の代表格その1。
猫島の代表格その2。
九州に数多く点在する猫島の中でも有名な島の一つ。
■『福岡県・藍島(あいのしま) ~福岡の猫島で猫と自然に癒される~』
九州に数多く点在する猫島の中でも有名な島の一つ。藍島と相島、何れも「あいのしま」という読み方であり、場所も違いますので、間違えないように。
■『福岡県・相島(あいのしま) ~歴史的文化に触れながら猫島を満喫する~』
藍島のすぐ近くにある穴場的な猫島。
石垣島からほど近い有名な離島、国内最南端の猫島。
琵琶湖唯一の有人島、そして猫島。
岡山県西側の瀬戸内海に浮かぶ島。
福岡県に点在する猫島の一つ。猫の数は少なめ。
こちらも福岡県に点在する猫島の一つ。
こちらは佐賀県の唐津市呼子の沖に浮かぶ猫島。数は少なめ。
ちなみに、猫島と呼ばれる島は他にも「江ノ島(神奈川県)」「佐柳島(香川県)」「男木島(香川県)」「睦月島(愛媛県)」「祝島(山口県)」……など、私が知っているだけでも
15種類を超えます。全部でいくつあるのだろうか……?
他にも「こんな動物たちが多く棲息する島がある」といった情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報いただけますと幸いです。
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