能登半島廃線鉄道をめぐる旅 ~失われた足跡を求める旅~

かつて、能登半島には「のと鉄道」が輪島市の輪島駅(七尾線)、珠洲市の蛸島駅(能登線)まで走っていましたが、現在は大半が廃線となって久しくなっています。
(現在は七尾駅から穴水駅まで営業されています)

廃線後はほとんどのレールや枕木が撤去されてしまっていますが、中には現在もかつての姿のままで残っている場所や、面影を残している場所もあります。
今回は、路線バスの旅の道中に見る、かつての「のと鉄道」の足跡をまとめてみようかと思います。

輪島駅 (現「道の駅輪島・ふらっと訪夢」)

能登廃線01

能登廃線02

今回の能登半島バス旅の出発点となった輪島駅
現在は道の駅輪島「ふらっと訪夢」となっており、駅舎も再整備されて様変わりしています。
しかし、現在は主に路線バスが発着する場所となっており、交通の中心としての役割は今も変わっていません。

能登廃線03

能登廃線04

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駅舎の奥の方には、かつての輪島駅をイメージしたモニュメントが残されています。

能登廃線06
この輪島駅は、元々はのと鉄道七尾線の終着駅。
駅名標の次駅欄の「シベリア」というのが非常に気になっていましたが、後で調べてみると、かつて国鉄・JRの時代から次駅の空白の欄に「シベリア」と書かれるイタズラが横行したため、業を煮やした駅側がその対抗策として、何と次駅欄に予め「シベリア」と印刷された駅名標を設置してしまい、それがそのまま定着してしまったのがこれだそうな。

こうしたユニークな駅名標も残してくれているのはありがたいところ。


『ほっと石川旅ネット/道の駅輪島 ふらっと訪夢』


蛸島(たこじま)駅

能登廃線07
かつての、のと鉄道能登線の終着駅、蛸島(たこじま)駅

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こちらは駅舎やホームも当時のまま残されています。
しかし、現在は放置されているような感じで、廃墟の駅と化しています。

能登廃線11
扉は閉ざされており、中には入れません。
ホーム側へ行く事も出来なさそうです。

能登廃線12

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駅近辺にはレールがまだ残されており、かつての面影を残しています。

能登廃線14
そして駅の西の方には、かつてののと鉄道の車両が放置されていました。
今や錆だらけの姿をさらすだけとなっていますが、遠くから見ると動いてきそうに思えてきます。

能登廃線14-2
かつてこの列車に乗っていた人々は、このポツンと残された列車を見て何を思うのだろうか。

能登廃線15
この蛸島駅には、「弁天公園」という停留所にて降ります。
バス停のすぐ向かい側が蛸島駅です。
しかし、この停留所近辺にあるのは、この旧蛸島駅くらいのもんです。
次のバスの時間もけっこう空くことになってしまいますので、あまり興味がない方はスルーしてしまうのが良いのかもしれません。


珠洲(すず)駅 (現「道の駅・すずなり(すずなり館)」)

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かつての、のと鉄道能登線の駅であった珠洲(すず)駅
現在は姿をガラッと変えて、「道の駅すずなり(すずなり館)」となっています。

能登廃線18
駅舎のすぐ脇のほうには、「珠洲駅」時代に使用されていたホームが残されています。

能登廃線19

能登廃線20

もう二度と列車が来る事はない旧珠洲駅。
しかし、こちらも旧輪島駅と同様に、現在は金沢行きのバス等が走るバスターミナルやタクシー乗り場が併設されている等、珠洲市の交通の中心としての役割を今も果たしています。

『NPO法人能登すずなり(珠洲市観光協会)/道の駅すずなり』


宇出津駅(現「コンセールのと」)

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かつての、のと鉄道能登線の駅、宇出津(うしつ)駅

現在は図書館や観光案内所、バス乗り場などを併設する公共の施設「コンセールのと」へと姿を変えています。

能登廃線22
こちらはホームも全てが撤去されてしまっており、もはやかつての面影を見ることができない状況です。

能登廃線23

 

能登廃線24

能登廃線25

しかし、鉄道をイメージした通路や、駅名標のレプリカを設置するなど、かつてここが駅であったことだけはうかがい知ることができます。

能登廃線26
ちなみに、この鉄道を模した通路の先を少し歩いていくと、鉄道が現役の頃に使用されていたであろうトンネルを見ることができます。

能登廃線27
そして、この旧宇出津駅もまた、穴水方面や珠洲市方面、輪島市方面へ向かうバスが発着する交通の中心となっています。

『コンセールのと』


穴水駅

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今回のバス旅の終着地となった穴水駅

能登廃線29
こちらは現役ののと鉄道七尾線の駅ですが、かつては輪島方面と蛸島方面へと分岐する駅となっていて、現在は、当時使われていた旧コンコースが1番乗り場の奥の方に残されています。

能登廃線30

能登廃線31

0番乗り場(旧のと鉄道保存用)に残されたNT800形のパノラマカー、「のと恋路号」。
のと鉄道のなかでも人気の車両であったそうです。

現役で走る列車を奥に見ながら、今何を思うのだろう。
などという気分になってきそうです。

『のと鉄道/穴水駅』

今回紹介したのは、ほんの一例でして、他にもまだかつての駅舎や面影を残す場所はいくつか残っています。
それらを順に追っていくのも、能登半島の旅の目的の一つとしては面白いのかもしれません。
旅の道中に見るノスタルジー。
わくわくするような気分と、寂しい気分が入り混じるような複雑な心境になる廃線、廃駅。
しかし、それがまた何とも言えず心地良いような感じになってきます。


  リンク

『ほっと石川旅ネット/道の駅輪島 ふらっと訪夢』
『NPO法人能登すずなり(珠洲市観光協会)/道の駅すずなり』
『コンセールのと』
『のと鉄道/穴水駅』

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