然別湖コタン『アイスバー』 ~厳冬の然別湖に現れる幻のバー~
北海道の然別湖。
湖面全体が凍り付く厳冬の時期(例年1月末から3月下旬頃まで)にのみ現れる氷の村、然別湖コタン。
イグルーと呼ばれる氷の館がいくつも造られますが、今回はその中でも大規模のイグルー「アイスバー」についてまとめます。
※イグルー = 北極圏に住むエスキモーやイヌイット達の氷の家の事であり、然別湖コタンではこれになぞらえて呼称しています。
然別湖コタンの入り口から入ってすぐの位置にこのイグルー。
昼間は「アイスカフェ」として、夜間は「アイスバー」として営業されています。
この「アイスバー」の歴史は30年以上と思ったよりも古く、毎年姿を変えながら造られる然別湖コタンの目玉の一つ。
凍結した然別湖面をブロック状に切り出して積み上げていった、ファンタジックさ溢れる大規模イグルーです。
当然ながらカウンターはおろか、テーブル席や個室(?)まで氷でできています。
座席には一応クッションが敷かれていますので、氷の冷たさが直に伝わるような事はありませんが、テーブルや壁面などは剥き出しの氷ですので、防寒着や手袋は着用したまま楽しむ事となります。
外の冷たい風を完全にシャットアウトする為、思った以上に暖かいです。
ただし、それはあくまで“外と比較して”の話であり、こうして氷が融けずに2ヶ月間も維持できる事を考えると、内部であっても気温は0℃を下回って寒い事に変わりはありません。やはり防寒対策は万全に。
バーらしく、思ったよりも多岐にわたって酒類が取り揃えられています。
ちなみに、ドリンク1杯の値段は、どれでも¥500。
しかもグラスは使い捨てのプラスチックか、氷製のアイスグラスから選ぶ事ができます。
せっかくなので、アイスグラスに注いでもらえば、さらにここでしか味わえない特別な気分が高まるというもの。
ただし、アイスグラスは¥500追加となりますので注意。
一瞬高いと思われるかもしれませんが、このグラス、1つ1つ氷から手作業で削って作成していますので、その手間賃と考えれば相応の価格……と言えるでしょうか?
また、氷なので片手で持つと非常に滑りやすい事、素手では持ち運びが辛いので手袋を外せない、といった注意点もありますが。
基本的にはメニュー表からカクテル等を選ぶようになっていますが、メニューに無くともカウンター奥に置かれている酒類から選ぶ事も可能。
例えば私は今回、Hennessy V.S(ヘネシー)のジンジャーエール割りを注文しましたが、これはメニューにはなく、カウンター奥に置かれていたものを指定したもの。
また、「お勧めのカクテルを」と頼めば、バーテンダーが見繕ってくれます。
私の場合、「キルシュ(キルシュヴァッサー)」というドイツ製のさくらんぼのブランデーをオレンジジュースで割り、さらに「リモンチェッロ」というレモンのリキュールで風味づけしたカクテルをいただきました。
奥行きのあるような味わいが魅力となる1杯です。
これでも1杯¥500です。
それにしてもここで働くバーテンダーさんはよく風邪をひいたりしないもんだ。
バーテンダーの1人は九州の長崎県出身との事でしたが、それにしてもこの氷の世界で働き続けられるのは凄い。
そして、ここで忘れてはいけない注意事項が一つ。
ご覧の通り、氷の館でのアルコール摂取となりますが、このような寒い中では酔いがまわりにくい環境となります。
「アレ?今回はあまり酔わないぞ?」と調子に乗って飲みまくると、ホテル等の暖かい部屋に戻った途端、酔いが一気に襲い掛かってきます。
あまり酒に強くないという方はご用心を。
(ちなみに私はモロこの状況に陥りました……。酔いが殺しにかかってきた、などと思わんばかりに一気に来て、しばらく立つ事が出来ませんでした……。酒は案外弱い方です)
次回は、このアイスバー以外の然別湖コタンについて詳細をまとめようと思います。
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