列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~4.神威岬・余市・小樽・札幌を巡る旅(2日目)~
北海道道央西部周遊の旅、第4弾。
今回は2日目の行程。長万部(おしゃまんべ)を始発に出発し、余市駅まで向かった後、バスで神威岬(かむいみさき)に行く、というのがメイン。
旅の充実感、真昼間から酔っぱらい、野郎一人に似つかわしくない小樽をふらつき、と色々楽しめた(?)2日目の内容を順を追ってまとめていきます。
■北海道道央西部周遊の旅シリーズ■
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~1.旅の計画~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~2.一筆書き乗車券購入と地球岬を巡る旅(1日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~3.洞爺湖、長万部を巡る旅・7月に寒さに震える(1日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~4.神威岬・余市・小樽・札幌を巡る旅(2日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~5.究極のローカル駅・新十津川駅へ+α(3日目)~』
【目次】
1.余市駅を目指す ~代行バスを乗り継いでの移動をこなす~
2.神威岬へ ~旅の充実感を存分に味わう~
3.ニッカウヰスキー余市蒸留所にて ~真昼間から酔っぱらう
4.小樽への寄り道 ~野郎一人で散策する場所じゃないと思い知る~
5.札幌にて ~ラーメン屋を探し彷徨う~
1.余市駅を目指す ~代行バスを乗り継いでの移動をこなす~
『長万部(おしゃまんべ)温泉ホテル』での1泊が明けます。
始発で長万部駅を出発したい。
という事で、この日の起床時間は05:00。
起きるなり、身支度を始めます。
昨晩は、7月だというのに寒さでガタガタ震えた事もあって、体調が心配になったものでしたが、特に問題はなさそうだ。
さすがにこの時間は宿の受付は空いてなかったので、鍵を窓口に置いて出ます。
長万部。もう少し時間があったら、ゆっくり散策してみたかったな。
駅に到着。
ここで函館本線を北上していく事になりますが、ちょっとした問題があった事を思い出します。
7月上旬、中国地方で猛威をふるった集中豪雨被害でしたが、北海道でも豪雨の影響が出ていた模様。
函館本線の長万部より北の方は、土砂が流入したとの事で、終日運休となっていました。
しかし、代行バスが出ているとの事でしたので、これを利用しての移動となります。
終日運休・他に移動手段なし、という最悪の状況になってなくて、本当にホッとしたものです。
案内板に「バス代行」、乗り場が「駅前」と表示されていました。
特殊なケースを見られたもんだ。
代行バスは、通常のJR乗車券があれば、問題なく乗車する事が出来ます。
今回のような一筆書き乗車券であろうが、往復割引乗車券であろうが、当然利用可能。
バス運転手に乗車券を提示し、バスに乗り込みます。
しかし、代行バスで移動するのは今回が初めての事でしたので、これはこれで良い体験をさせてもらいました。
貴重な体験を楽しみつつ、代行バスは北上を開始します。
代行バスは、路線バスのような車両設備でない為、停車ボタンがありません。
よって、係員さんが次の駅で下車する客がいないかを口頭で確認し、また、次の駅で利用客がいないと分かったら、そこをスルーしてまた次の駅へと走っていきます。
(どういう連絡の取り方をしているんだろう?)
この代行バスは倶知安駅(くっちゃんえき)止まり。
私が行きたい余市駅は、まだまだ北の方にありますので、倶知安駅でさらに次の代行バスに乗り換える事になります。
移動中、久しぶりに青空がのぞかせていました。
良いぞ、このまま晴れてくれれば。
長万部を出発してから2時間が経過しようとしている08:00頃、代行バスの終点である倶知安駅に到着。
ここで小樽行の代行バスが待機していましたので、さらにこれで移動を続けます。
代行バス同士の乗り換えなんて滅多にないんじゃないか?
本当に貴重な体験だ。
しかし、“くっちゃん”駅って、妙にかわいらしい読み方だな。
沖縄にもありそうな。具志頭(ぐしちゃん)とかってあるし。
そんなどうでもいい事を思いながらも、代行バスでどんどん北上を続けます。
もし列車が通常通り運行していた場合、余市駅に到着する時刻は、08:53の予定でした。
凄いぞ!
バスと言えども、たった4分の遅れしか発生していない。
少々心配していた、09:34余市駅前発の神威岬行きバスに、十分余裕を持った乗り換えが出来ました。
しかも、晴れ間がだいぶ広がってきました。
2.神威岬へ ~旅の充実感を存分に味わう~
路線バスの時間まで30分程度の待ち時間があったので、軽く駅前を散策してみます。
余市町は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『マッサン』で広く知られるようになった、「ニッカウヰスキー」の余市蒸留所がある場所。
駅から徒歩5分ほどの場所に、その工場があります。
後で時間が余ったら、ここにも行ってみようと考える。
駅の隣の方では、何やらイベントがあるのか、非常に賑わいを見せていました。
「北海ソーラン祭り」というのぼりが立っていました。
恒例行事なのだろうか。
少し見ていきたい気分でもありましたが、バスの時間が近づいてきていたので、見送る事に。
片道およそ1時間40分ほどの路線バスの旅が始まります。
バスは海沿いの道を進んでいきます。
その道中、『ろうそく岩』を目にする事も出来ます。
面白い自然の造形美を目の当たりにするでしょう。
本当に狙って造ったとしか思えないようなろうそくっぷり。
11:18頃、いよいよ2日目のメインの目的地、『神威岬』に到着します。
駐車場脇の広場から伸びる遊歩道の坂を上って行けば、岬先端部への入り口の門が見えてきます。
“女人禁制の地”とありますが、女性の方でも特に問題なく通行出来ます。
かつては女性の出入りが禁じられていたとの事ですが、それも昔の話。
老若男女、誰もが神威岬の雄大な景色を存分に味わる事が出来ます。
ここから眺める景色も十分素晴らしいもの。早朝はどんよりとした曇り空でしたが、ここに来て晴れてくれて本当に運が良かった。
心からそう思ったものです。
日本海に向けて伸びる緑の岬。
どこを見てもただ見惚れてしまうばかり。
しかし、この日は「歩道点検調査のため」という理由で、灯台への遊歩道が途中から立入禁止となっていました。
この旅の唯一の心残りが出来てしまったな…。
でもいつか絶対にもう一度行くからな。
そう決心しつつ、遊歩道を引き返します。
とは言え、駐車場のすぐ北側にある展望台から眺める景色も、これはこれで十分過ぎるほどの絶景。灯台へ行けなかったのは確かに残念でしたが、この光景が見れただけでも悔いはありません。
列車が運転見合せになったり、天候も優れなかったり、「もしかしたら今回は無理かも」という不安の中から始まった神威岬への旅。
しかし、蓋を開けてみれば大成功な結果になりました。
「最後まで希望を捨ててはいけない」そんな事を思い知る旅となりました。←大袈裟な
十分満足です。
そんな充実感を味わいながら、12:14発の余市駅へと向かうバスで神威岬を後にします。
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3.ニッカウヰスキー余市蒸留所にて ~真昼間から酔っぱらう
余市駅前に戻ってきたのが、13:51頃。
せっかくの余市なので、『ニッカウヰスキー余市蒸留所』を見学します。
『マッサン』はほとんど見る事が出来ませんでしたが、ウィスキー自体は割と好きなお酒なので、こういった工場見学はけっこう乗り気でした。
前回は約2年前に仕事仲間数人と来たばかりといった感じでしたが、今回もそれなりに楽しめたものです。 何より、まるで外国に来たかのような解放感抜群の工場敷地、洒落た佇まいの建屋、優れたオブジェとしても十分成り立つウィスキー樽の数々。
工場内を散策するだけでも十分に楽しめるというものです。
駐車場のすぐ前にある「ニッカ会館」では、ウィスキーの試飲も出来ます。試飲できるお酒は、『シングルモルト余市』『スーパーニッカ』『アップルワイン』の3種。
アップルワインが思ったより美味かったな。
もちろん、ソフトドリンクもありますので、お酒が駄目な方でも付き添いで訪れるのも良いでしょう。
そして「ウィスキー博物館」では、有料のウィスキーを楽しめます。
中でも樽から直に瓶詰めしたという「シングルカスク 10年」は素晴らしい。
15ccで¥1,000 (!)という高価なお酒。
アルコール度数57%とこれまた凄いですが、思ったより飲みやすく、非常に華やかな味わい。
非売品なのでここでしか飲めないレアなお酒です。
もし売ってたとしたら、一本いくらするんだろう…。
……ここでちょっと体がフラッと来ていました。
そういえば私自身、あまり酒は強い方ではなかった。
まだ昼食もとってなかったというのに、57度の酒を飲んだのはまずかったか??
とりあえず、ニッカ会館のすぐ脇にあるレストランで昼食をとる事にします。
ラストオーダー直前、間に合って良かった。
メニューには釧路の名物B級グルメである『スパカツ』があったので、これを注文する事にします。
なかなかの美味さだった。
真昼間から酔っぱらう事となりましたが、ニッカウヰスキー余市蒸留所を十分楽しんだところで、余市駅へと向かいます。次は小樽へ寄り道しながら、2日目の最終目的地である札幌へと向かいます。
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4.小樽への寄り道 ~野郎一人で散策する場所じゃないと思い知る~
余市駅から札幌方面へは列車が運行していましたので、余市駅16:45発の列車で小樽へ向かいます。
小樽に降り立ったのが、17:11。
北海道の言わずと知れた定番の小樽。
ここも2年ほど前に訪れていますが、一人で散策するのは今回が初めて。
相変わらず洒落た雰囲気が漂う街です。
「野郎一人でうろつくような場所じゃないな…」
大体が修学旅行で来たり、デートで来たりするような場所なんだよな、ここ。
降り立ったは良いものの、さして目当ての場所があるわけでもなかったので、サクッと歩き回って後にする事に。
ただ、夕暮れ時にここに来れたのは、それはそれで良かった。運河と夕日が思ったよりマッチした光景だったのです。
そして、19:00小樽発の列車で2日目の最終目的地、札幌へと向かいます。
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5.札幌にて ~ラーメン屋を探し彷徨う~
思えば、北海道自体には何度も訪れているものの、札幌に降り立った回数は割と少な目。
大体マニアックな場所ばかりに行ってたからな~。
すすきのの賑やかさを見ると、急に「ああ、これが札幌だ」という実感がわいてくる。
ちなみにこの時、「がっかりスポット」として有名な時計台は改修工事中でした。
そこに「がっかり」だ。
そして、札幌もまたラーメン所。
この日の晩飯はラーメンだなと決めていたので、美味そうなラーメン屋を探しながら、どんどん市内を歩き回ります。
そして決めたのが、少し中心部から外れた場所にある『らーめん てつや』。
濃すぎずしっかり味噌の効いたスープにやや固めのちぢれ麺がしっかり合います。
これは美味いですよ。
札幌駅前から40分歩いた価値はあった。
7月とはいえ、かなり涼しかったのが救いでした。
前日はガタガタ震えるレベルでしたが、2日目の札幌はそこまでの肌寒さではなかった。
(それでも思った以上の涼しさでしたが)
この日は『東横INN 札幌駅北口』にて宿泊。
初日の『長万部温泉ホテル』とはエライ違いだ。
東横INNはいつも出張で利用するホテルなので、安心感を覚える反面、面白みに欠ける。
とはいえ、ポイント利用で宿泊費をまるまる抑える事が出来るのが強み。
今回もポイントを利用し、2日目の宿泊費を¥0にする事が出来ました。
こうして長万部から神威岬へ向かい、余市、小樽、札幌を巡る2日目の旅が終了となります。
思った以上に楽しめた2日目だったな。
そういえば、札幌駅構内のキオスクで売っていたプリン本舗の『侍のプリン』がなかなかの美味しさでした。
スッキリした甘さ、ほろ苦さを感じさせるカラメル。
「男がウマイ!と感じ、納得できるプリン」と謳っているだけの事はあります。
とはいえ、私は男でありながら甘いもの好きなので、もっと甘いプリンでも良かったな~などと思ってますが。
それはさておいて、次回はいよいよ3日目・最終日の旅の行程です。
『地球岬』と並ぶ今回の旅の目的『新十津川駅』を目指します。
リンク
■『北海道中央バス株式会社 余市路線』
■『北海道中央バス株式会社』
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