筒石(つついし)駅 ~トンネルの中の駅~
風変わりな駅・個性的な駅シリーズその2・『筒石(つついし)駅』。
「えちごトキめき鉄道・日本海ひすいライン」(元JR北陸本線の一部)の駅で、タイトルの文字通り、本当にトンネルの途中にある駅です。
改札は地上に、ホームはトンネル内にと分かれており、地上の改札からホームまでの深さは40mほどあるとか。
改札が地上でホームが地下という構造の駅は他にも色々あるでしょうが、この駅が特殊なのは、まず240段ほどの階段を下り、途中の通路で直江津行きか糸魚川行きに分岐してさらに50段ほどの階段を下りなければならない事か。
240段の階段の一段一段の高さはそれほどありはしませんが、これほどの段数となると結構苦労します。
エレベーターはおろか、エスカレーターも未設置。バリアフリーにとことん反する構造の駅となっています。
とは言え一日の平均利用者数を考えると、仕方ないことではありますが。
しかし、ちょっとしたダンジョンに入り込んだような感じになります。
240段の大階段のすぐ先には本坑があるようですが、柵で塞がれていて、通行はできません。
この先には何があるのか、非常に気になってくる。。
240段の階段を下りて通路を歩くと、道が二つに分岐します。
右側に進んでさらに階段を下りると直江津方面に、そのまま真っ直ぐ進んで階段を下りると糸魚川方面の待合室に辿り着きます。
ホームから反対方面への移動は出来ませんので、待機場所を間違えないように注意しましょう。
直江津方面の待合室と糸魚川方面の待合室。微妙に構造が違う…ような。
もう一つ注意しなければならないのは、この駅のトイレは地上にしかないという事。駅舎入口の右側にあるトイレのみです。
もしホームに着いてから「トイレに行きたい」などと思ったら、当然、下りた階段をまた上りきって地上のトイレを使うか、目的の駅まで我慢するかの2択を迫られる事になります(電車の中にトイレがあれば問題ないんですが、全ての電車に設置されているかどうかは不明)。
よって、改札を通る前に少しでもトイレに行きたいなどと思ったらば、我慢せずに迷わず先に済ませておく事をおススメします。
ちなみに、ここの駅員さん、電車が来るたびに地上の窓口からホームまで降りて、切符の回収、出迎えをし、電車が発車した後また地上まで戻っていく、という事を繰り返している様子。ここの駅員さん、すごい体力があるんじゃなかろうか?
地上の駅舎も、ぱっと見はただのプレハブ小屋であり、初見では「え?これが駅なの??」という疑問を持つこと必至。
ただ、周辺の景色は結構良い感じではあります。紅葉のシーズンになると、なおさらの事でしょう。
これで雨が降ってなければ…。
ホームはそれほど広くない為、貨物列車などが通過する際は待合室の中でドアを閉めて待機しておいた方が無難です。
かなりの轟音と風圧と共に豪快に駅を通過していきます。
一人でポツンと待っていると、通過直前のドアの隙間から流れてくる風音にちょっとした恐怖を覚える…かもしれません。
目的の電車が近づいてくると、アナウンスと共にドア上部の表示板で示される他、駅員さんも降りてきてホームに出ます。
電車のライトに照らし出されるトンネル内のホームもまたなかなか良い感じです。
どんなに過疎化が進んでいっても、或いはどんなに時代が進んでいっても、この駅だけはこのままの姿でいてほしい!などと思ってしまうような駅の一つです。
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