毘沙ノ鼻へのアクセス ~列車・バス・徒歩で本州最西端へ~
前回は本州最西端の地「毘沙ノ鼻」についてまとめましたが、今回はその毘沙ノ鼻へのアクセス方法と、実際に私が列車とバスと徒歩で移動した時の様子についてまとめてみようと思います。
車だと割と簡単にアクセスが可能な場所ですが、公共交通機関を利用するとなると、難易度が大きく上昇します。
その辺りもなるべく詳細を説明してみたいと思います。
公共交通機関での移動方法の概要
前回でも簡単に説明していますが、毘沙ノ鼻の展望台のすぐ近くには駐車場も完備されていますので、マイカーやレンタカー等の車で移動するのが最も簡単です。
(タクシーは往復の料金が最低でも¥6,000を超えるでしょうから、あまりお勧めはしません)
しかし、列車やバスで移動するとなると、難易度が跳ね上がります。
というのも、列車かバスでの移動をする場合は、
1.JR山陰本線の「梅ヶ峠(うめがとう)駅」から徒歩で6km弱
2.吉母(よしも)港行きバス「吉母港」下車後、徒歩で約3.5km
と、何れの場合も徒歩での移動が免れなくなる為です。
しかも、毘沙ノ鼻直前の1.5kmほどは急な勾配の坂道を上って行かなければならず、「梅ヶ峠駅」からの移動だとさらに吉母エリアに行くまでにちょっとした小高い山道を超えていく必要があります。
とは言えしかし、本州最東端の「とどヶ崎」までの移動に比べると、こちらは完全舗装された道のみを歩きますので、まだ楽だと言えます。
(「とどヶ崎」の場合、車移動でも最寄の駐車場から片道約3.8kmの山道を歩いていかないと辿り着けない)
また、バス移動の場合だと毘沙ノ鼻までの移動距離も約3.5kmと短めになる為、公共交通機関を利用して行くなら、バス移動がお勧めとなります。
しかし、「梅ヶ峠駅」は本州最西端の駅でもありますので、こういった“最端シリーズ”に興味がある方は、ついでに訪れてみたいものでしょう(恐らく)。
かく言う私も、同駅には是非とも一度は訪れてみたいと兼ねてより思っていたところですので、
行き:下関駅から梅ヶ峠駅まで列車移動し、そこから徒歩で毘沙ノ鼻まで歩く
帰り:毘沙ノ鼻から吉母港停留所まで歩き、そこから下関駅までバス移動する
このような移動方法をとる事に。
本州最西端の駅から本州最西端の地へ
移動日当日(土曜日)。
この日は朝06:56に下関駅を出発。
山陰本線の列車に揺られる事約40分。
本州最西端の駅「梅ヶ峠駅」に到着します。
しかしこの駅、地方でよく見かけるような“至って普通の無人駅”といった感じの駅となっています。
本州最西端を示すような看板もなければ、記念スタンプといったものも一切ありません。
駅舎も“レトロ”だとか“歴史を感じさせる”ような佇まいですらありません。
「最西端」という言葉だけのイメージで訪れると、拍子抜けしてしまう事必至。
「記念品も記念碑もどうでもいい、この本州最西端の駅に訪れる事に意義がある」という方なら、敢えて訪れるのも良いでしょう。
この駅舎も、これはこれで味があって良いかもしれません。
しかし、この駅から歩いて毘沙ノ鼻に行く労力を考えると、やはり「吉母港」までバス移動する方法を強くお勧めします。
と、あーだこーだ言ってもここまで来た以上は、歩いて毘沙ノ鼻への移動を開始しなくてはなりません。
梅ヶ峠駅から毘沙ノ鼻までの徒歩でのアクセスルートは↑の通り。
まずは、駅のすぐ隣を走る国道191号線を暫く南下(駅から出て右側)します。
山陰本線の鉄道橋を潜り抜け、さらに歩いていくと、大きめの丁字路が出てきますので、これを右折します。
ここからが梅ヶ峠駅からのルートの最初の難関。
1.5kmほど山間部の道路を歩く事になりますので、上り坂が続きます。
「春光苑」という養護盲老人ホームを右手に、どんどん上っていきます。
とは言え勾配はそれほどきつくはない為、無理のないペースで行けばさほど苦労はしないと思われます。
一度坂を上り終えたら後は下っていくだけという、単純なルートです。
下り坂から山の向こう側の景色を見ることができます。
奥の山の麓に道路がありますが、それがこの後歩いていく事になる道です。
先はまだまだ長い。
坂道を下りきってしばらく歩くと、また丁字路が出てきますので、この突き当りを右折します。
「日露従軍記念碑」という石碑のすぐ隣には「毘沙ノ鼻」の看板が。
雑草で半分くらい隠れていますが。
後はこの道をひたすら道なりに進んでいくのみです。
この丁字路から毘沙ノ鼻入口までの距離は、約3.2km。
5分ほど歩くと十字路のすぐ先に「最西端橋」という名称の橋が見えてきます。
これが本州最西端の橋…なのか。
これを渡ってひたすら移動を続けます。
(ちなみにこの十字路を左側に進んでいくと「吉母港」に辿り着きます)
橋を渡ると、またちょっとした山間部の道となりますので、この坂道をまた上っていきます。
しかし、この坂道はそれほど距離は長くありません。
上りきった辺りで工事中の道となりますが、ここから急に道が狭くなります。
なかなか悪くない景色です。
ちなみに、この道沿いに「海の家アクア」というマリンスポーツや食事を楽しめる施設もあります。
車移動の場合は、ここを目印に進んでいくのが分かり易いかもしれません。
暫く左手に海を眺めながら進んでいくと、いよいよ徒歩移動最大の難所である、毘沙ノ鼻直前の山登りが始まります。
毘沙ノ鼻までの1.5km、坂道がひたすら続きます。
とは言え、道はちゃんと舗装されていますので、あまり身構える必要はありません。
が、最初の方こそ傾斜は緩やかではありますが、先に進めていくにつれて徐々にきつくなってきます。
ヘアピンカーブのような急カーブもありますが、ここでその傾斜具合が伝わりますでしょうか。
この勾配の道が暫く続きます。
無理のないペースで徐々に進めていきましょう。
暫く坂道を上り続けていくと、「吉母管理場」というごみ処理場が出てきます。
毘沙ノ鼻はここではありません。
まだ坂道を上っていく事になります。
しかし、ここまで来たら後一息です。
「吉母管理場」から上り続ける事5~6分というところでしょうか。
ついに毘沙ノ鼻入口に辿り着きます。
駐車場を抜けて遊歩道を歩いていくと、毘沙ノ鼻展望台へと出る事ができます。
ここが通常辿り着ける最西端の場所です。
詳細は前回の記事にまとめていますので、参照してみてください。
■『毘沙ノ鼻 ~本州最西端の地~』
ちなみに、梅ヶ峠駅からこの毘沙ノ鼻までの徒歩での移動時間は、私の場合で約1時間10分程度。
(途中、色々写真を撮りながら歩いてきましたので、単純な徒歩移動だと1時間程度でしょうか)
ゆっくりめの移動でも1時間半程度というところでしょうか。
距離そのものは無茶なものではありませんが、坂道の連続で体力を消耗します。繰り返しますが、無理のないペースで。
毘沙ノ鼻から吉母港(バス停)へ
一通り本州最西端を味わいつくした後、ここからまた帰りの徒歩の旅が始まりますが、目的地は梅ヶ峠駅ではなく、吉母港(よしもこう)としました。
この毘沙ノ鼻から吉母港までの移動距離は約3.5km。
徒歩で40~50分ほどでしょうか。
毘沙ノ鼻から吉母港停留所までのルート↑
吉母港に向けて移動開始。
まずは来た道をひたすら戻っていく事になりますが、帰りは下り坂がほとんどとなりますので、行きに比べると楽でしょう。
ただし、あまり急いで移動すると、下り坂で膝をやられたり、筋肉痛になったりする可能性が高まりますので、下り道こそ無理のないペースで。
坂道を下り終え、先ほど通った海沿いの道今度は右手側に、どんどん引き返していきます。
そして「最西端橋」まで戻ってきたら、十字路が橋のすぐ先の方にあるはずですので、ここを右折します。
お寺と民家の間の道を歩いていくと、ついに「吉母港」バス停前に到着します。
毘沙ノ鼻からここまでのルートは、梅ヶ峠からのルートに比べると圧倒的に楽でしょう。
ここに辿り着いたのは10:00前。
次のバスは10:19。
後はバスの発車時刻までこの周辺で時間を潰します。
やはり海沿いの町はどこも素晴らしいものです。
近くには海水浴場があり、結構沢山の人が集まっていました。
私もちょっと泳いでみたいと思ったところですが、まず、何よりも今回のこの移動でかなり汗だくになってしまった為、これをどうにかしたい。
海水浴場の前にトイレがあったので、そこでとりあえず運動後のように汗でびっしょりとなったシャツを水洗いする。
着替えのシャツを用意していなかったのは失敗ですが、このまま汗だくのシャツを着続けるよりは、水洗い直後のシャツを着た方が圧倒的にマシ。
タオルで体を拭き、全然乾ききっていないシャツを着る。
しかし、このおかげでかなり暑さが和らいだので、この水洗いも案外悪くはないものだ。
毘沙ノ鼻への公共交通機関と徒歩でのアクセス内容についてはここまで。
はっきり言ってこれはあまりお勧めはできません。
特に夏場はあまりの暑さで体調を崩さないよう、細心の注意を払う必要が出てきます。
しかし、夏場以外で言うならそれほど無茶な道のりでもありませんので、レンタカー代等の旅費をなるべく抑えたい方や、運動も兼ねて移動してみたいという方、周辺の景色もゆっくりと楽しんでみたいという方は挑戦してみる価値はあるかもしれません。
車移動では味わえない、その地域周辺の景色と空気をじっくりと感じ取りながら歩き回る、というのも旅の醍醐味というものでしょう。
リンク
■『サンデン交通』
◆『下関駅⇒吉母港・バス時刻表』
◆『吉母港⇒下関駅・バス時刻表』
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