大阪・天保山 ~国内の代表的な低山を登る~
大阪市の港区にある天保山(てんぽうざん)。
人工的に土を積み上げて造られた築山(つきやま)の一つ。
その標高は4.53mしかなく、かつては「日本一低い山」として知られる低山でありました。
■日本一低い山シリーズ■
・『蘇鉄山 ~大阪・堺市、一等三角点のある日本一低い山~』
・『日和山 ~「日本一低い山」の称号を奪還した震災復興のシンボルとも言うべき仙台市の低山~』
・『弁天山 ~徳島の日本一低い自然の山を登頂する~』
・『東洋一の低さ!?山口県萩市の火山『笠山』 ~見た目に反する大自然の浪漫を楽しむ~』
・『ゼロの頂へ!標高0mの山、秋田県・大潟富士』
大阪市営地下鉄、中央線の「大阪港駅」から、北に5分ほど歩いた場所にある、天保山公園。
天保山はこの公園内北の川沿いの方に位置しています。
ぱっと見では、いったいどこに山があるんだ?と分からないような場所にあります。
一見すると、公園中央部辺りの階段のある山がそれっぽく見えるかもしれませんが……これは天保山ではありません。
その少し北の方の「明治天皇観艦之所碑」がある広場に天保山山頂があります。
一応ここが山頂であるという案内板と、山頂を示す二等三角点がある事で、ここが天保山の天辺である事が確認できます。
本当に一見すると、これが“山”である事が分からないレベルです。
恐らく、“誰もが「山に登った」という認識を持たない内に辿り着いてしまう山頂”としては、ここが日本一であろう。
ある意味でインパクト絶大とも言えます。
知らず知らずの内に登りきってしまっているのですから。
「日本で最も低い山」という謳い文句で知られる事も、納得するしかないこの天保山。
天保山が築かれたのは、天保2年(1831年)。安治川(あじがわ/旧淀川)が運ぶ土砂を積み上げてできたこの山は、「目印山」とも呼ばれ、その名の通り、夜間航行の
便をはかって高灯篭を設けるなど、船舶入港の目印になりました。
また、「四時ともに遊興の人絶ゆることなく」と記されるほどの大阪随一の名所にまで発展し、冬の雪見や、夏の遊船、和歌俳諧の会合等で賑わう場所でありました。
宮城県仙台市にある「日和山(ひよりやま)」が、震災の影響で標高3mにまで低くなってしまった為、現在は日本で2番目に低い山となっています。
しかし、それでも日本で有名な低山の一つである事には変わらず、ここに訪れる方々を楽しませたり、憩いの場として親しまれる場所となっているのです。
すぐ隣には、大きな観覧車がシンボルとも言うべき『天保山ハーバービレッジ』という、大型商業施設「天保山マーケットプレース」や、世界最大級の水族館「海遊館」等を含む複合型アミューズメント施設があり、レジャーとしても楽しめる場所でもあり、今もなお活気付いています。
また、天保山岸壁から見る夕陽もまた、なかなかのものです。
大阪湾の向こうへと沈むオレンジの光は、都会の喧騒を忘れさせてくれるような美しさ。
ちなみにこの天保山、『ポケモンGO』の名スポットとしても知られる場所となっており、現在もスマホを片手に公園内を歩き回っている方々を多数見かけます。
純粋に“低い山の登頂”を目的に訪れたのは、もはや私くらいのものだろう。
そして、この天保山。何と登頂した事を証明する『天保山登頂証明書』というものもあります。
杖がないと歩けないレベルの方であっても、数段の階段さえ上れれば登頂達成が可能なこの天保山。
普段山登りなんかしないという方でも楽々入手可能な登頂証明書ですので、是非とも記念に貰っておきたいもの。
ただ、どこで発行しているのか非常に分かり難いのが欠点でもあります。
すぐ隣のハーバービレッジにはない模様。
どうやら、天保山商店会が発行している「てんぽーざん」と記されたステッカーが貼られた場所で発行してもらえるようです。
大阪港駅~ハーバービレッジ間の道沿いに並ぶ商店のいくつかにこのステッカーが貼られています。
「ご迷惑をおかけします/営業中」という、一瞬、工事中か?と思わせておいてしっかりと「おふくろの味でお待ちしております」と記載された看板もまた良い。
ちなみに、「だし巻定食(¥550)」を注文しました。
素朴な味わいが安心感を覚えさせる嬉しい一品です。
このお店以外にもステッカーが貼られたお店は数店ほどありますので、興味ある方はのぞいてみましょう。
ただ、先にも述べた通り、現在は日本で二番目の低さに陥落してしまった為、この証明書も廃止になるかもしれません。
或いは「“西”日本一低い山」等といった感じで、名称の変更もありえるかもしれません。
今、貰える内に貰っておいた方が良いかもしれません。
リンク
■『天保山ハーバービレッジ/総合案内』
■『天保山マーケットプレース』
■『天保山大観覧車』
■『天保山商店会』
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