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国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~6. 母島弾丸ツアー ―4時間で母島最南端と島北部を往復する・その2― (4日目)~

小笠原諸島への旅シリーズ第6弾。前回の続きです。
セルフプランニングによる母島日帰り弾丸ツアー。前回は父島出発から母島最南端の『南崎・小富士』までの様子についてまとめまましたが、今回は母島北部の『北村小学校跡』等について紹介していきます。

 

■小笠原諸島への旅シリーズ■

『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~1.小笠原への旅のススメ・ガイド~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~2. 旅の準備/東京⇒父島への船旅(1~2日目)~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~3. 父島半日バスツアー+諸々(2日目)~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~4. ドルフィンスイム ―イルカと泳ぐ―(3日目)~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~5. 母島弾丸ツアー ―4時間で母島最南端と島北部を往復する・その1― (4日目)~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~6. 母島弾丸ツアー ―4時間で母島最南端と島北部を往復する・その2― (4日目)~』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~7. 父島最後の山と海へ、出航前のカフェ巡り (5日目)~ 』
『国内最遠の楽園、小笠原諸島への旅 ~8. 盛大に見送られる出航、感動のフィナーレ(5、6日目)~』

 

 

 

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1.神殿跡地のような佇まい『北村小学校跡』

 

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無事に母島最南端『南崎・小富士』までの往復を終えましたが、ゆっくりする間もなく、次なる目的地、『北村小学校跡』へと向かいます。
この時点での時刻は、ちょうど昼12時頃。
ははじま丸の出港時間は、午後2時。
レンタルバイクで移動していますので、返却時間等を考えると、実質的な残り時間は1時間40分程度といったところ。

 

 

そして、北村小学校跡までは車で片道約30分程度といったところ。
原チャリなので、もう少し時間は掛かるだろうか。
本当に時間がない。
という事で、すぐに移動を開始します。

…一人だからこそできる無茶なスケジュールだな、と我ながら思いながらもひたすらに道中の山道を駆け抜け、どんどん北上を続けます。

 

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そしておよそ30分後、『北村小学校跡』に到着します。

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「これが小学校跡……?」
そう思ってしまうのも無理のない外観。

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かつて戦前の母島には、島南部の中心部である沖村と、島北部の北村の2ヶ所に集落がありました。
北村は80軒を超える集落であり、村役場や郵便局、駐在所や漁業関連の施設が密集しており、北村小学校は1887年(明治20年)に開校しました。
450名以上もの方々がこの北村で生活をしていましたが、1944年の強制疎開によって廃村状態となりました。
小笠原諸島が日本へ返還された現在も、この北村地区には誰も住んでおらず、所々でかつての面影を残すのみとなっています。

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巨大なガジュマルに覆われた道路脇の石垣。

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石段を上った後の両脇には、製糖圧搾機の石ローラーを重ねたという門柱が現在も残されていますが、建物自体はどこにも見当たりません。

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所々に残す柱の跡のような遺構。それらを覆い隠すかのように茂るガジュマルの群生。

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まるで神殿跡のような佇まい。
不気味さを醸し出しつつも、深いノスタルジーに浸るような不思議な空気が漂う場所となっています。

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2.砲台跡地 ~ガジュマルの迷宮を抜けて~

 

北村小学校跡地を楽しんだ後、時間を確認してみると、大体12時40分を過ぎようかという頃。
このまま港まで戻るには少し早い。

というわけで、もう一つの興味ある場所、『砲台跡地』に寄ってみる事に。

砲台跡地は、北村小学校跡から南に約1kmほどの場所に位置しています。

 

 

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「砲台跡地入口」という案内板がある場所から、片道約5分ほど森の中を歩いた場所にあります。

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ほんの気持ちばかり整備されてはいますが、道中は木が無造作に生えている箇所が多数あり、なかなか分かり難いルートを進んでいく事となります。

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一応「順路」という案内板がありますので、それに従って進めばあまり迷う事はないかと思いますが、見落とすと簡単に森に迷ってしまうかもしれませんので、注意しましょう。

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特に難関なのは、砲台の直前にどっしりと佇む巨大なガジュマル。

「これどうやって進んだらいいんだ?」と困惑するような大きさで、上手い事ガジュマルの合間をすり抜けて進む必要があります。

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まるでガジュマルの迷宮。
くぐり抜け方を間違えると、順路をそれて思わぬ方向に進んでしまう恐れもあります。

ただ、ちょっとした冒険心が溢れてくるようで、ある種の面白さも楽しむ事ができるかもしれません。

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そして、巨大ガジュマルを抜けると、ようやく砲台が見えてきます。

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戦時中、硫黄島のように地上戦にはならなかったものの、この母島も本土防衛の最前線の場所となっていました。
その当時に使用されていた高角砲。

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70年ほどでここまで朽ちるものなのか。
まるで枯れた木のように苔むして、表面がひび割れています。

一見すると木造のレプリカなんじゃないか?と疑ってしまいそうなほどの錆びれっぷり。

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しかし、ギアやシリンダ(?)等、錆びた各種のパーツが、まるで衰退した古代文明の兵器のようなある種の浪漫を感じさせます。

月並みな表現ですが、“ラピュタ的”と言えるでしょうか。

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案内板もありはしましたが、こちらもかなり劣化していて、文字が所々かすんで読めない状態に。

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高角砲跡は全部で3門あるらしく、この周辺にあと2門あるようですが、残り時間も限られていましたので、ここで引き返す事にします。

さきほどのガジュマルを上手い事戻らないと、迷う恐れもありましたので…。

そして無事にバイクを止めている道路まで戻ってきましたので、ここで港まで戻る事にします。

 

 

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ちなみに、道中、『ビッグ・ベイ』という展望所がありますが、ここからの眺めがまた素晴らしいのです。
是非立ち寄ってみてください。

 

 

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どうでもいい事ですが、このビッグ・ベイ、Googleマップに載ってなかったので、私自身で追加登録させてもらいました。

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3.お土産・海底ラム酒『Mother』

 

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こうして無事に沖港まで戻ってくる事に成功。
この時点での時間は、午後1時20分頃。

思ったより早めに戻ってくる事が出来ました。
これならお土産を買う時間もまだ十分残ってるな。

と、ここで是非ともこの母島で入手しておきたかったものが一つ。

母島は国産のラム酒を製造している地域でもあり、島内には小笠原ラム・リキュール株式会社の工場もあります。

そして、この母島の海底で1年間熟成させたラム酒『Mother』というレア酒もあります。
母島の沖港(小笠原母島観光協会)からすぐ北東側に位置する売店「JA小笠原島母島支店」では、この海底ラム酒を(比較的)簡単に入手する事が出来ます。

 

 

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実際に海底で熟成させていますので、瓶には珊瑚や砂等の白っぽい付着物が。
敢えて取り除かない事で、ちょっとしたお宝的な希少価値のある個性を生み出すことに成功していると言えるでしょう。
気になる方は、開封前に拭き取ると良いでしょう。

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この海底ラム酒『Mother』を小笠原諸島以外で入手しようとした場合、サイトから申し込みをして1年間待たなくては手元に届きません。
すぐに入手したい場合は、小笠原諸島に足を運ぶしか方法がないという、地味に入手難度が高いお酒でもあるのです。
尤も、申し込みをして1年待つという事は、その人専用に作られたという、ある種の“オーダーメイド的”なお酒とも言えるでしょう。
何かの記念に購入してみるのも良いかもしれません。

父島でも販売所はありますので、興味のある方はチェックしてみましょう。

そして、肝心のお味は……私はまだ未開封なので、現時点では不明です…。
入手のし難さを考えると、なかなか開封できなくて…。

ちなみに、父島の売店では、小笠原諸島返還50周年記念のラム酒も販売されています。
興味ある方はこちらもチェックしてみましょう。

こちらもまだ未開封ですが…。

開封した時には、またここで感想を追記する事にします。

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4.父島への帰りの船旅

 

終わってみれば、本当に4時間で母島最南端に寄りつつ、北村小学校跡、砲台跡地と行きたい所は全て回る事が出来て、大満足な結果となりました。
母島のレア酒『Mother』も入手できたので、これでとりあえずは思い残す事なく父島に戻る事が出来るな。

もし次にまた来る機会があれば、次は乳房山の登頂証明書など、ゆっくりと道中を楽しみながら母島巡りをやってみたい。
あ、次は母島でゆっくり食事も楽しんでみたいな。
今回は何も食べずにひたすら動き回っていたしなぁ。

そんな事を思いながら、帰る準備に入ります。

と、まずはレンタルバイクを返すにあたって、給油をしておかなければなりません。

母島唯一の給油所「佐藤燃料店」が、沖港(母島観光協会)の北北東部にありますので、ここで給油しておきます。

 

 

母島島内を往復した程度ですので、給油量はたかが知れてます。

ほんの数百円程度で済みました。

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後はレンタルバイクを返却し、帰りのははじま丸の乗船券を購入して船に乗り込むのみです。

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いよいよ母島を後にする時間となりました。

船が出航する際、ははじま丸の見送りを島の方々がしてくれますが、これがまたユーモラス。

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桟橋に水で絵を描いたり(今回はハートマークに鳥とSee youの文字が)、鯉のぼりならぬ鯨のぼりを振ったり、また楽器を演奏したりと、最後まで楽しませてくれます。
いつかまた絶対に行きたい。
そう強く思いながら、船はどんどん港を離れていきます。

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終わってみればあっという間の4時間。
短い滞在時間でしたが、実に名残惜しいものです。

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海上ではカツオドリたちが船の周りを飛び交っていて、船旅の案内をしてくれているようで面白いもの。

カツオドリたちの写真を撮り続けていたら、こんなものも撮れました。
ある意味、今回の小笠原諸島の旅のベストショット。

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帰りの船旅も楽しみながら、船は父島へと戻っていきます。

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5.INNこうもり亭にて/父島の夜景を撮る

 

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そして父島に帰着。
後は宿泊所の『INNこうもり亭』に戻るのみでしたが、今回はバスで最寄りまで戻る事にします。

 

『父島村営バス』

 

バスは片道200円
運行本数はそんなに多くないので、乗り遅れには注意しましょう。

INNこうもり亭の最寄りのバス停である『交流センター』まで移動し、下車します。

 

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この日の夕食の献立は、レッドカレー、カンパチ刺身、筑前煮、四角豆の洋風和えもの、えのきとメカブの酢のもの。
最終日は、カレーにする事がオーナーの恒例となっているらしく、カレーもグリーン、イエロー、レッドから選んでるそうな。
ローテーションだったか、あみだだったか決め方は忘れましたが……。

ただ、相変わらず美味い事だけは確かでしたがね。

 

 

そして、その日の夜、どうしてもやってみたかった事が一つ。
それは、父島の星空の写真を撮る事。

周りを海に囲まれ、町の明かりもさほどない小笠原諸島では、実に綺麗な星空が頭上に散りばめられます。
天の川が肉眼でも十分見られるほどに澄み渡る夜空。

さすがに宿の周辺は建物が集まっているので、場所を移動します。
今回、私が選んだ場所は、INNこうもり亭のすぐ北側に位置する『扇浦海岸』。

 

 

こうもり亭から徒歩5分程度で到着します。

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さすがは海岸。
本当に綺麗な夜空と夜景が広がります。

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このまま海岸で眠ってしまっても良いような…。
そんな事すら思えてきます。

言葉では言い表せないほどに美しい星空。
ただひたすら見惚れていました。

大自然のプラネタリウム的な幻想の夜空を楽しめます。

 

 

こうして小笠原諸島の旅4日目を終えます。

次はついに小笠原諸島最後の一日となります。

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余談

 

前回説明した、母島最南端の「小富士登頂証明書」。
ラミネート版なら当日、母島観光協会にて発行してもらえますが、郵送なら小笠原諸島から帰って数日後に到着します。

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内容は何れも同じですが、郵送なら小笠原母島観光協会のスタンプ、そして母島の消印の入ったハガキで到着しますので、これまた粋なものとなります。
ラミネート版はこのスタンプ等はありませんが、丈夫なので、記念品として部屋に飾りやすいといった利点が挙げられますでしょうか。
せっかくなので、両方申請しておいてはいかがでしょうか。

 


リンク

『小笠原海運』
『ははじま丸 時刻表』

『小笠原母島観光協会 母島』
『母島 小笠原村公式サイト』

母島レンタカー&バイク情報

『父島村営バス』

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