亀嵩(かめだけ)駅 ~駅長自ら出雲そばを提供する珍しいそば屋駅~
風変わりな駅・個性的な駅シリーズその5・『亀嵩(かめだけ)駅』。
島根県奥出雲町のJR木次(きすき)線の駅です。
木次線 = 島根県の山陰本線の宍道(しんじ)駅と、広島県の芸備線の備後落合(びんごおちあい)駅とを結ぶ路線。
映画『砂の器』のロケ地としても知られる駅です。
(私は未見ですが…)
駅舎は昔ながらの古いローカルな佇まいとなっていますが、実に風情があって良いものです。
しかし、この駅の真の醍醐味は他にあります。
それは、駅舎がそば屋を兼ねているという事。
駅舎に入ってすぐ右側に「扇屋」という、駅長室を店舗に改装したそば屋があり、駅長が店長も兼ねているという、珍しいスタイルの駅となっています。
開業当時、駅の近くに蕎麦製粉所があり、駅長兼店長の父がそばを打って近所の方に昼ごはんとして振舞うようになったのがこの「扇屋そば」の始まりだとか。
情緒溢れるローカル路線の駅で島根県名物「出雲そば」を味わうという、旅の醍醐味を存分に堪能することができる場所となっています。
「出雲そば」は“日本三大そば”の一つに挙げられ、三段の丸い漆器にそばを盛る「割子(わりご)そば」が最も知られています。
茹でたそばを水洗いせずにそのまま器に入れ、茹で汁であるそば湯をかけてつゆや薬味を使って食べる「釜揚げそば」というものもあります。
もちろん、この亀嵩駅の「扇屋」でもそれらを注文することができます。
「割子蕎麦」も捨てがたかったのですが、私は「釜揚げ蕎麦」を注文(単品¥700)。
そばの茹で汁(そば湯)がそのまま提供されるというのも珍しいものですが、そのせいもあってか、非常に濃厚なそばつゆとなっています。
ビタミン、ミネラルがそば湯に溶け出しているので栄養価も抜群だとか。
つゆは別で提供されるため、自分の好みに合わせて味の濃さを調整できるのも嬉しいところ。
個人的にはそばにもう少しコシがあった方が良かったなぁと思いましたが、十分に美味しいです。
予約をしておけば、列車が駅に到着する際に、ホームまで弁当そばを運んできてくれるようです。
受け取る際に代金を手渡し、列車の中で食べる事も可能です。
「木次線を利用するが、亀嵩駅に寄る時間はない。でもそばは食べてみたい」という場合に便利。
弁当そばは1人前¥500。
また、先ほども言及した通り、この亀嵩駅は“そば屋を兼ねた駅”である為、列車の乗車券もしっかりと購入可能です。
切符もまた昔ながらの紙の切符となっていて非常に良いです。
そしてこの切符、車掌や駅員さんに「記念に持ち帰りたい」と言えば、回収されずに貰うこともできます。
ただし、近距離の常備券しか発売されていません。
車で訪れた場合でも、記念に一駅分の乗車券を購入していくのもアリでしょう。
また、この駅は無人駅扱いであり、亀嵩駅で降りる際は駅員(店員)ではなく、列車の運転士や車掌に切符または運賃を渡して下車します。
悪しからず。
さらに、運行本数もそれほど多くはないため、もし1本逃してしまうと次は1~2時間後という事態に陥ることになりますので、列車移動の方は出発時間に注意しましょう。
そして、この「扇屋」の定休日は火曜日となっています。
(祝日は営業しているようです)
また、営業時間は09:00~18:00です。
せっかくここまで来たのにお店が休みでお蕎麦を食べる事ができなかった、何てことがないように注意しましょう。
※お盆や年末年始の営業については言及がないので、火曜日以外は営業しているのかもしれませんが、念のためお店に確認しておく事をお勧めします。
◆店舗情報◆
ショップ名:扇屋そば
住所 :〒699-1702 島根県仁多郡奥出雲町郡340
TEL :0854-57-0034
E-mail :info@kamedakesoba.jp
営業時間 :9:00~18:00
定休日 :火曜日(祝日の場合は営業)
旅の醍醐味を存分に味わった後、のんびりと列車に揺られながら松江市へと戻っていくことに。
移動時間は結構長いものの、車窓に映るのどかな景色もまた良いものです。
リンク
食べ物ネタは面白いですね。またお願いします。
コメントありがとうございます。食べ物ネタ、全くないわけではないので、どんどん上げていこうかと思います。