列車と路線バスで行く四国太平洋沿岸横断の旅 #1・旅の計画

 

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去る3月22日~3月25日まで、四国の南部周遊の旅に出ておりました。

今回の旅、タイトルを付けるとすれば、四国太平洋沿岸横断の旅
或いは『四国3つの岬を巡る旅+いろいろ』といった所か。前者の方がしっくり来る内容ではあります。

 

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人生初の高知県への上陸を経て、四国最南端の『足摺(あしずり)岬』、南東部の『室戸岬』、そして四国最東端の『蒲生田(かもだ)岬』を経由し、徳島県に至る、といったルートを取りました。

今回の道中の主な移動手段は、もちろん公共交通機関のみを利用しています。
レンタカー等で如何に効率良く観光地を回るかよりも、制限された移動手段を如何に駆使して目的地に到達するか?
私としては、やはりこの方が旅に面白さを感じるのです。

というわけで、“四国太平洋沿岸横断の旅”第一弾は旅の計画についてまとめようと思います。

ちなみに、今回の旅の様子については、Twitterにてほぼリアルタイムに発信していました。
是非そちらの方も覗いてみてください。

 

 

今回の旅のきっかけ

 

地図で四国を眺めていて、かねてより気になっていた事がありました。

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南東部の室戸(むろと)半島の両脇にある奈半利(なはり)駅と、甲浦(かんのうら)駅
それぞれ「土佐くろしお鉄道」と「阿佐海岸鉄道阿佐東線」の終着駅であり、始発駅でもあるこれら二つの駅。
そもそも、なぜこの両駅を繋がなかったのだろうか? ※1

この2点間、実際は地図で見るよりもかなり距離がある事は調べれば分かりますが、それでも中途半端な感は否めません。
繋がってさえいれば、四国を鉄道で綺麗に1周する事が出来たであろうに。(でも、南西部の宿毛(すくも)と宇和島間もまた微妙な開きがありますが)

……と、こんな事を思っている内に、この両駅はどういった感じの場所なのか?そして室戸半島の先端部の室戸岬はどんな所なのか?
好奇心がどんどん強まっていく事となります。

 

その一方で、四国にはかねてより行ってみたかった場所がもう一箇所。

それは、四国の最南端の地、足摺(あしずり)岬の西側にある『足摺海底館』、ここを是非一度この目で見てみたかった事。

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ふとした事がきっかけで知る事となったこの海底館。※2
レトロフューチャーとも言うべき風貌と、赤と白のカラーが印象に残る、海の上にそびえる建物。
そして“海底館”という名が示す通り、この施設内を降りていくと、海底の魚たちを見る事が出来ると言う、自然の水族館とも言えるこの『足摺海底館』に、一気に興味が惹かれる事となったのでした。

このように、四国の南側には興味があったものの、これまでなかなか行く機会に恵まれませんでした。
しかし、3月後半に4連休をいただけた事、この時期なら寒くもなく暑くもなく、といった絶好とも言える機会がやってきた為、ついにその二つの場所に行く事を決意。

数年越しの念願を果たす旅に出る、といった事からも、今回の旅もまた非常に印象深いものとなったものでした。

 

※1 = Twitterのフォロワー様の情報によると、この両駅間を通す予定だけはあったようです。

※2 = ちなみにこの足摺海底館は、panpanyaの『足摺り水族館』という漫画のコラムで紹介されて知ったもの。雑なように見えて緻密に描き込まれた絵、非常にユニークな話の数々など、他とは一線を画す作品です。興味あれば是非一読を。

 

 

旅の計画

まず四国への移動手段を考える

 

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四国南部への旅に出る事を決意したところで、どういった旅程を組むか。
例によって、時間的に公共交通機関でどうにかなりそうな場所であれば、極力レンタカーは使わない主義である為、道中は列車、バスを駆使するよう段取りします。
ここがやはり大変であり、楽しいところでもあります。

足摺海底館+足摺岬、室戸岬の2箇所はもう決定事項として、この場所へどうやって行くかが最大のポイントとなります。
さらに、繋ぐ事が叶わなかった奈半利駅と甲浦駅にも、是非鉄道ルートを使って訪れ、バスで室戸岬を経て、自分なりにこの2箇所を繋いでみる、といった事もしてみたい。
何しろ、今回の旅のきっかけの一つなので、これはやっておきたい。

となると、徳島方面から室戸岬を経て足摺岬へ向かうルートをとるか、先に足摺岬を見てから室戸岬、甲浦駅へと抜けるかのルートをとるかの二択となります。

また、四国までの移動手段をどうするかも考えなくてはなりません。
出来るなら行きも帰りも陸上ルートで向かいたいところですが、4日間では時間が微妙なところ。

どちらかは飛行機を使うしかないか。

さらに足摺方面へと向かうバスの時刻表を調べてみると、どうも足摺海底館前を通るバスの本数がかなり少なめである事が判明。
万一バスを一本逃したりすると、それが致命的な遅れに繋がる事も考えられます。
少なくとも最終日などには組みたくない行動。

 

1日目の行程を考える

 

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というわけで、まずは初日に高知県まで飛行機で移動し、足摺海底館へは初日に向かう事に。
バスの時刻表を確認してみると、やはりこの方が都合が良い事が判明。

『中村・清水・足摺・宿毛線/時刻表』 PDFファイル

しかし、なかなか融通の利かないバスダイヤだ……。
著しく行動が制限されてしまう。
しかし、この制限をどう切り抜けるかを考え、実行するのが最も面白い所だと個人的には考える。

高知竜馬空港からバスで高知市内へと移動し、高知駅から宿毛(すくも)駅まで移動し、そこからバスで足摺海底館へと向かう予定を組むことにするが、何とか高知駅の出発時間までの空き時間を利用して、「はりまや橋」と「地球33番地」に行けないものか検討してみる。
かなりギリギリになりそうだが。

 

2日目の行程を考える

 

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そして、初日は足摺岬近辺でまず1泊し、翌日に室戸岬へと向かう事に。
朝早くから四万十まで移動し、四万十市内を満喫してみるのも良いかもしれないが、初日に足摺岬に到着するのは、早くても夕方6時半以降。もう日が暮れている。
さらに、足摺岬の観光案内所では、『足摺岬到達証明書』が発行されており、初日の着時間ではもう案内所が閉まっており、朝は9時からしか営業していないとのことで、2日目は朝9時以降の出発にしたいところ。

それから四万十市を経由し、一気に奈半利駅へと列車移動する段取りを組む。
四万十(中村駅)での約1時間半程度の待ち時間の内に、四万十市内を少しでも満喫できないものか考える。
レンタサイクルで最寄の「佐田沈下橋」まで往復できないだろうか?
片道40分程度は掛かるという情報がある事から、結構ギリギリになりそうではありますが。

そして中村駅から高知駅を経由して奈半利駅へと向かい、そこから室戸岬までバスで移動した後、室戸岬にて宿泊をする事に。
室戸岬にて沈む夕日を見てみたいものだと考える。
時間的にも十分間に合うだろう。
ただ、この夕日を見るが為に四万十市内や高知市内での観光時間を潰す事となるが、それはまた別の機会に取っておきたい。

 

……ただ、『高知東部交通株式会社』のサイトを調べても、バスの時刻表が非常に分かり難いです。
はっきり言って、『NAVITIME』で調べた方が断然分かりやすい
停留所MAPも出てきますので、細かく計画を立てるなら、こちらの方がお勧めです。

 

3日目の行程を考える

 

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さて、これで当初の目的である二つの場所へは到達した事になります。
翌朝にバスで甲浦駅まで行くと、完全に念願成就となるわけですが、残りはどうするか?
ゆっくりと徳島市へと向かい、高速バスで兵庫県に抜けて帰路に着くのも良いが、このまま帰るだけというのも勿体無い話。

そこで、せっかくなら四国最東端の地『蒲生田(かもだ)岬』に寄れないか検討してみる事に。

調べてみると、蒲生田岬のすぐ近くまではバスも通っておらず、最寄のバス停からでも9kmほども歩かないといけない事が判明する。
しかも、そのバスですら最寄のJR阿波橘(あわたちばな)駅から1km以上離れた場所からしか出ていない事も判明。
(駅前を経由するのもあるが、本数が少なく、私の移動計画と全く時間が合わない)
つまり、公共交通機関を駆使するなら、延べ20km程度の道のりを歩かなくては、蒲生田岬への往復は出来ないという事となります。

…これはさすがに辛くないか?と当然ながら思いはしたものの、私は過去にトドヶ崎への過酷なバス移動を成功させた実績があります。
あの時は山道を計16kmほども歩き通しました。
今回は最寄のバス停から往復18km以上歩かなくてはならないものの、さほど厳しい山道もなさそうなルートであり、バスの本数もトドヶ崎に比べれば(多少)恵まれている方である事から、徒歩移動でも十分到達可能であると判断。

時間的に午後からの移動となりますが、最終のバスまで6時間もの猶予があります。
6時間もあれば、ゆっくり目に歩いたとしても、18kmを歩くには十分な余裕があります。
悪天候や怪我、急な体調不良にでもならない限りはよほど問題はないだろう。

ただ、あまり遅くなると、山道を真っ暗な中歩く羽目になり、これはこれで危ないので、やはり普段以上のペースで歩き続ける必要がありますが。

『阿南バス/時刻表』 PDFファイル

……しかし、本っっ当に分かり難い時刻表だこと…。
もうちょっとどうにかならんものか?

 

4日目の行程を考える

 

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そして、蒲生田岬以外に、徳島県内にも以前から行ってみたかった場所が二つ。

それは「お松大権現(だいごんげん)」と「弁天山」。
「お松大権現」は非常に多い招き猫がある事で知られており、「弁天山」は日本一低い自然の山で、隣の中華そば屋で登頂証明書を購入できる事からも、この機会に是非行ってみたいと考える事に。

ただ、四国旅の締め括りにしてはやたらマニアックと思われるが、そんな事は気にしない。

そして、徳島市内にて軽く時間を潰す方法を考える。
行った事はあるが、眉山(びざん)に登ってみるのも良いかもしれない。

そして帰路。
徳島駅前から高速バスでまず兵庫県の高速舞子まで移動し、そこからJR山陽本線の舞子駅へ乗り換え、そのまま東海道本線を経由して名古屋に帰っていく……という段取りで行くことに。

こうして、4日間の旅程が整ってきました。

 

 

実際の4日間の四国旅の行程

 

///1日目・3/22(木)///

 

高地竜馬空港 08:10着 飛行機代11,500円
高地竜馬空港 08:25発 ⇒ はりまや橋 08:45着 …空港連絡バス 720円

「はりまや橋」+「地球33番地」に立ち寄る かなり急ぎ目

高知駅 09:53発 ⇒ 中村駅 11:32着 …JR特急あしずり利用 自由席特急券 1,590円
中村駅 11:34発 ⇒ 宿毛駅 12:04着 …乗り換え。ただし、乗車券は高知駅から宿毛駅まで通しで購入が可能。 3,060円

宿毛駅 12:34発 ⇒ 海底館前 13:35着 …路線バス 1,400円

「足摺海底館」+「足摺海洋館」+「竜串」の海岸を散策する

竜串海洋館前 17:13発 ⇒ 清水プラザパル前 17:34着 …路線バス 600円
清水プラザパル 17:47 ⇒ 足摺岬センター 18:28着 …路線バス 800円

宿泊:足摺国際ホテル 5,940円

 

///2日目・3/23(金)///

 

「足摺岬」+「混合福寺」を散策

足摺岬 09:45発 ⇒ 中村駅 11:30着 …路線バス 1,900円

四万十市内レンタサイクル周遊 2,000円

中村駅 13:24発 ⇒ 高知駅 15:04着 …特急あしずり利用 自由席特急券 1,590円
高知駅 15:19発 ⇒ 奈半利駅 16:35着 …乗り換え。ただし、乗車券は中村駅から奈半利駅まで通しで購入が可能。 3,800円

奈半利駅 16:53発 ⇒ 室戸岬 17:51着 …路線バス 1,200円

宿泊:ホテル明星(あけのほし) 3,700円 ※ポイント利用

 

///3日目・3/24(土)///

 

大師像前 06:39発 ⇒ 甲浦駅 07:26着 …路線バス 1,470円

甲浦駅 07:56発 ⇒ 海部(かいふ)駅 08:08着 …阿佐海岸鉄道 270円
海部駅 08:12発 ⇒ 鯖瀬駅 08:23着 …JR牟岐(むぎ)線 220円

鯖大師本坊

鯖瀬駅 09:54発 ⇒ 牟岐駅 09:59着 …JR牟岐線 ※乗り換え
牟岐駅 11:10発 ⇒ 阿波橘駅 12:03着 …JR牟岐線 950円

橘営業所(バス) 13:13発 ⇒ 横尾 13:53着 …路線バス(徳島バス・椿泊(つばきどまり)行き) 490円

蒲生田岬 …徒歩往復3時間超

横尾 17:45発 ⇒ 橘営業所 18:05着 …路線バス(徳島バス・橘営業所行き) 490円

阿波橘駅 18:48発 ⇒ 阿南駅 18:54着 …JR牟岐線 210円

宿泊:阿南プラザイン 6,870円

 

///4日目・3/25(日)///

 

阿南駅北 09:55発 ⇒ 加茂谷 10:18着 …路線バス(徳島バス・加茂谷行き) 490円

お松大権現

加茂谷 11:11発 ⇒ 阿南駅北 11:34着 …路線バス(徳島バス・淡島行き) 490円

阿南駅 11:47発 ⇒ 地蔵橋駅 12:19着 …JR牟岐線 390円

弁天山

地蔵橋駅 13:57発 ⇒ 徳島駅 14:08着 …JR牟岐線 220円

眉山ロープウェー往復 1,020円

徳島駅前 17:30 ⇒ 高速舞子 19:21 …高速バス 3,000円

舞子駅 19:37 ⇒ 金山 22:47 …JR山陽・東海道本線 4,000円

 

 

総額60,380円也
思ったより散財したな。
しかし、がっつりレンタカーを借りるよりは、費用は抑えられた事だろう。
……多分。

しかし、路線バスの運賃が結構な額になってますな。
バス運賃だけで、トータル10,050円も掛かっている事に。(帰りの高速バスを除く)

ちなみに、鉄道運賃のトータルは12,300円。(これも帰りの山陽・東海道本線を除く)
路線バスだからといって、安上がりになるとは限らない事が身に沁みて分かりました。

…って、ちょっと計算したら試すまでもなく分かる事ですが。

しかし、路線バスならではの旅の醍醐味と言うのは、知らない土地でのどかに流れていく風景をゆっくりと楽しむ事にあると思います。
たまにある地元の方たちとの触れ合い。
これはレンタカーの旅では決して味わえないもの。

敢えて面倒くささと散財をしてまで試してみる価値というのは、大いにあると言えるでしょう。
旅の楽しさを最大限に引き出す方法の一つです。

 

と、こういった具合に進めた“四国太平洋沿岸横断の旅”。
次回から、また例によって実際に行動した時の内容を、1日ずつまとめていこうと思います。

 

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リンク

『高知西南交通株式会社』
『中村・清水・足摺・宿毛線/時刻表』 PDFファイル

『高知東部交通株式会社』

『徳島バス阿南株式会社』
『阿南バス/時刻表』 PDFファイル

 

 

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