本州最東端への旅2 (2016年7月) ~とどヶ崎と灯台内部(特別公開)にて~
前回は本州最東端の「とどヶ崎」へのバスと徒歩でのアクセス方法と、実際に「姉吉」の登り口まで移動した時の様子をまとめましたが、今回は登り口からの山道と、とどヶ崎の様子についてまとめてみようかと思います。
コチラも合わせてご覧ください
■『本州最東端への旅1 (2016年7月) ~とどヶ崎へのバスと徒歩での移動方法~』
■『本州最東端への旅2 (2016年7月) ~とどヶ崎と灯台内部(限定公開)にて~』
「姉吉」の登り口からとどヶ崎までの距離は約3.8km。
山道を歩いていきますので、片道約1時間ほどは掛かるとみておきましょう。
↑『宮古市/トドヶ崎』より拝借
(「姉吉」登り口以外にも重茂漁港近くの「与奈」という場所からも遊歩道があるようですが、現在(2016年7月現在)は東日本大震災の影響で通行止めとなっています)
前回でも既述していますが、山道を歩くといえどもそこまでの悪路を進んでいくわけではありませんので、本格的な登山の格好と準備をする必要はありません。
ただし、道は一部を除いて舗装されておらず、また部分的に足場が悪い箇所もありますので、最低でもスニーカーなどの運動靴と動きやすい格好はしておきましょう。
また、往復で約7.6km、当日バス移動してきた場合だとさらに6km以上もの道のりを歩く事になりますので、飲み物と食べ物は用意しておきましょう。
(言うまでもなくゴミは持ち帰る事)
さらに、必需品とまでは言いませんが、たまに熊もでるらしいですので、念のために熊避けの鈴も用意しておくのが無難。
準備に問題がなければ、いよいよとどヶ崎への登り口を出発します。
とどヶ崎への遊歩道を歩く
この日は3連休の中日(7/17)という事もあってか、意外と多くの方が訪れていました。
私のすぐ前にもとどヶ崎へ向かう団体の方々の姿がありました。
最初はその団体さんの後に続く形で道を進んでいきます。
最初の2、3割程度は山道らしい急勾配な上り坂が続き、この序盤の道が最初にして最も大変な箇所でもあります。
あまり無理のないペースで進んでいきましょう。
私の場合は、バスの時間を特に気にする必要があったので、ややペースを上げた状態で進んでいきます。
暫く上り坂を進んでいくと、前を歩いていた団体の方々がちょっと足を止めていました。
雨の7月半ばということもあり、動き回ると非常に蒸し暑くなってきます。
団体さんの何人かが上着を脱いで対処している間に、その横を追い抜いていきます。
ハイペースの上り坂はさすがにちょっと大変ではありましたが、一度坂を上りきると、後はちょっとした下り坂と平坦な道のりが続き、楽になります。
入口から550m。自然歩道の最高地点(110m)に到達。ここまで来れば後の大半は比較的平坦な道が続きます。
しかし、先はまだまだ長いです。
呼吸を整えながらどんどん進めていきます。
そして、ここから先は道が一切舗装されていない、山道らしい道を進んでいくことになります。
しかし、この日は天気が不安定で残念だとばかり思っていましたが、おかげで気温もそこまで高くならないので、ある意味良かったのかもしれません。
特に今回のように時間が決まっている場合は。
しかし、遊歩道は山の中という事もあり、非常に癒されるような光景が広がります。
遊歩道には距離標がいくつか設置されており、今どの辺りにいるかの大まかな目安になります。
あまり気にしすぎると「まだこんなに距離があるのか!?」と思ってしまうかもしれませんので、一応注意。
途中、一か所のみ木の橋が架かっています。
これまたなかなか雰囲気が出て良いですが、一部が腐食されて脆くなっているようですので、橋の上ではしゃいだり暴れたりせず、静かに渡るようにしましょう。
分岐路に出くわすと、「日本最東端の碑」の立て札がありますので、右に進んでいきます。
本州最東端 とどヶ崎
そして登り口から歩く事約50分、ようやくとどヶ崎に到着。
“本州最東端の碑”がお出迎えしてくれます。
周りのダイナミックな岩々の景色に合わせた碑が何とも素晴らしい。
このゴツゴツとした周辺の岩石は、1億3千万年前頃に北上山地で起こった火山活動の産物であるそうな。
ちなみに、「とどヶ崎」という名称についてですが、海獣のトドが群衆する場所、または荒波の激しい轟音に由来しているそうです。
しかし、天気は良くないとは言え、あまりにも雄大な光景です。
本当に最果ての地に来たという実感が湧いてきます。
結構な断崖絶壁ですので、辺りを散策する際は落ちないように注意しましょう。
特別公開されるとどヶ崎灯台を上る
とどヶ﨑灯台が初めて海を照らし出したのは、明治35年(1902年)の事。
戦災で崩れた後、昭和25年に再建され、現在に至ります。
灯台の高さは地上から34mと、東北一の高さを誇っており、その光は35km先まで照らすそうです。
灯台には昭和41年(1966年)まで灯台主とその家族が暮らしていたそうですが、その後は航路標識事務所の職員が交代で平成8年の3月まで常駐し、同年4月から無人化されたようです。
無人の灯台なので、普段は内部に入る事ができないようですが……何とこの日は灯台内部が特別公開となっており、中に入って灯台の上の方にまで上る事ができました。
この時、特別公開の情報は私は知らなかったので、さほど期待せずに灯台へと向かっていたのですが、これはあまりにも嬉しい誤算。
1階では灯台に使用されてる電球の数々が展示されています。
またとどヶ崎灯台のしおりや缶バッジ、記念スタンプもあります。
興味ある方は忘れずにチェックしておきましょう。
そして螺旋階段を上って、てっぺんへ。
目が回りそうだ…。
灯台のこの高さから見渡す光景は、まさに雄大と言う他にありません。
しかし、やはり晴れていないのがやや悔やまれるところではあります。
ちょっと寄り道、長磯・幻の滝
とどヶ崎灯台から50mほど離れた場所には、「長磯」と呼ばれる大きめの入り江があります。
灯台前の遊歩道の案内標には「ちょっと絶景幻の滝」、「長磯まで50m」と書かれていますので、ちょっと気になって行ってみる事に。
5分も歩かない内に到着します。
ここの海もまた綺麗なもんです。
これより奥には進むことができません。
「与奈」方面へと向かう遊歩道のようですが、震災の影響で通行止めとなっています。
しかし、天候が悪いおかげなのか、「幻の滝」と謳われている滝の姿を目にする事ができました。
天気の良い日が続くと見ることができない滝、という事なのでしょうか。
「何度も晴れてさえいれば…」と思ってはいたものの、こうして限定的にしか見ることができないものも見る事できて、ある意味本当に運が良かったと言える…でしょうか。
しかし、次は是非とも晴れた日に訪れてみたいものです。
青く澄み渡った光景を見てみたい。
これは苦労してまで辿り着く価値があるというもの。
次はレンタカーを利用してもっとじっくりと楽しんでみたいものです。さすがに今回のようなバスと徒歩の旅を2回も実行するのは気が引ける…。
そして、一通りとどヶ崎を堪能した後、帰りの旅が待ちかまえています。
バス移動で来た場合、むしろこれからが本当の山場となります。
ここから「里」停留所までの様子はまた次回まとめようかと思います。
リンク
■『宮古市/トドヶ崎』
■『宮古旅手帳 ―みやこへおでんせ。― /トドヶ崎』
■『岩手県北バス』
■『宮古駅前―重茂(おもえ)―石浜 バス時刻表』※PDFファイル
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