世界一のスタバのある風景 ~富山富岩運河環水公園~
国内にいながらにして、まるで西洋の沿岸の街に来てしまったかのような優雅な景観、富山富岩(ふがん)運河環水公園。
富山湾まで5.1kmに渡って流れる富岩運河の船溜まりを整備した公園で、カナルパークとも呼ばれ、オアシスのような空間が広がる、憩いの場として親しまれています。
日本の歴史公園100選に選定されているほか、第29回都市公園コンクール最高賞、国土交通大臣賞を受賞しているらしく、それも納得の素晴らしい公園です。
そして、この公園は“世界で最も美しいスターバックスがある”という事でも知られています。
ガラス張りの開放的な店構え、天門橋の二つの塔、水景…。これらの要素が絶妙にマッチした日本離れしたようなこの光景、確かに見惚れてしまうしかありません。
何も知らない人に「これ日本のスタバだよ」と言ったら驚かれる事必至。
ちなみにこの富岩運河は人工の運河であり、誕生までに次のような経緯があったそうです。
1.富山市には神通川という一級河川が流れていますが、元々この神通川は、富山城のすぐ北側から現在の富山駅の東側を回り込むように流れており(現在の松川が旧神通川となっている)、たびたび氾濫して甚大な被害をもたらしていました。
2.仮の水路を作り、洪水の力でその水路の土砂を削って新しい河道を造るという馳越(はせこし)工法により、現在の直線的な神通川の河道が形成されました。
3.しかし、旧河道が富山市街地を分断する形で残ってしまったため、富岩運河を新設し、その際に掘った土砂を利用して旧神通川の跡地を埋め立てて、新市街地を整備。
4.やがて運河としての役割を終えた後も、「とやま都市MIRAI地区」として富山駅北側が再整備され、富岩運河も都市の貴重な水辺空間として、現在の形になる。
優雅なこの光景も、元々は災害多発の過酷な地形から発展を繰り返して形成されていったもの。
そうした背景もあってこそ、この環水公園は“単純に美しい”を超えて、よりしみじみと印象に残してくれる…のかもしれません。
JR富山駅の北側に5分ほど歩いた位置にある公園です。
北陸新幹線も開通した今、この公園を目的に富山まで移動してみるのも悪くない…かも。
金沢もそう遠くはありませんので、ついでに訪れてみるのも可能です。
リンク
■『富岩運河・環水公園』
■『富岩水上ライン』
この記事へのコメントはありません。