列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~1.旅の計画~
2018年7月の話となりますが、北海道の道央をグルっと1周する旅に出ていました。
名付けて、『北海道道央西部周遊の旅』。
札幌新千歳空港を起点に、室蘭、洞爺湖、神威岬(かむいみさき)、札幌を経て、新十津川駅へ寄って新千歳空港へと戻るという、北海道道央部の、円を描く旅。
もちろん、今回も例によってレンタカーを使わず、公共交通機関のみを駆使して回っています。
やはり、この方が旅に出ている感覚が高まります。
免許を持っていない方、運転が好きではない方でも、こんな旅が出来る。それを追求し、ここで伝えるのが私のこだわりでもあります。
そんな旅の様子について、順番にまとめていきます。
※少し長くなります
■北海道道央西部周遊の旅シリーズ■
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~1.旅の計画~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~2.一筆書き乗車券購入と地球岬を巡る旅(1日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~3.洞爺湖、長万部を巡る旅・7月に寒さに震える(1日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~4.神威岬・余市・小樽・札幌を巡る旅(2日目)~』
・『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅 ~5.究極のローカル駅・新十津川駅へ+α(3日目)~』
1.旅のきっかけ
北海道の道北部、道東部は割といろいろ回っており、このブログでも多数紹介してきました。
しかし、これだけ北海道に行ってるにも関わらず、全く周遊出来ていないのが、道央部と道南部。
道央部は札幌と小樽、与一に行った程度で、後はほとんど行った事がない場所ばかり。
道南部も、函館に行った程度で、後はそんなに行った事がない状態。
そういった事もあり、道央部か道南部をメインに、周遊の旅に出られないものかと考えていました。
この中で最も興味のあったもの。
それは『新十津川駅』に、列車で降り立ってみる事。
JR札沼線(さっしょうせん/学園都市線)の浦臼駅~新十津川駅間は、一日1往復のみが運行されている状態となっている事もあり、新十津川駅は「日本一終発の早い駅」として知られる駅となっています。
こういった特徴の駅という事もあり、2020年5月7日には、ついに廃止される事が決定してしまいました。
そして、そんな新十津川駅でも最も気になっていたのが、やはり駅来駅証明書や到着記念証の存在。
到達証明書コレクターの私としては、是非ともまだ列車が運行している内に、新十津川駅へ行っておきたい。
次に気になっていたのが、室蘭市の『地球岬』。
100メートルもの断崖絶壁が連なる岬の展望台が特徴のこの場所。
ここにも到達証明書があるとの事ですので、ここにも行ってみたい。
さらに、地球岬に行くなら、ついでに洞爺湖にも寄れないだろうかと思いつきます。
「日本百景」にも選定されているカルデラ湖。
そのほぼ中央部に浮かぶ島。
是非足を運んでみたい。
2.旅の計画を考える ~JR長距離切符の特徴(途中下車)を活かす~
今回の旅の期間は、3日間。
3日でうまい事回れるように計画を練らなければなりませんが、行ってみたい場所を考えている内に、自ずと今回の旅のルートがほぼ固まっていく事となります。
新十津川駅と地球岬は、今回の旅の目的地に決定。
洞爺湖にも行ってみたいとなると、新千歳空港を起点に、まずは南下して地球岬へと向かい、洞爺湖へ寄るルートを取る事にします。
新十津川駅は最後に行った方が効率が良さそうだ。
こうなってくると、空港から洞爺湖までを、ただの往復で済まそうと思うと、時間的に勿体ない。
そこで、洞爺湖の次に興味があった、神威岬(かむいみさき)にも寄れないか、と思いつく事となります。
これなら、新千歳空港⇒室蘭⇒洞爺湖⇒長万部(おしゃまんべ)⇒余市⇒札幌⇒千歳という、いわゆる一筆書きルートを成立させる事が可能となります。
走行距離も200kmを超えている為、切符の有効期日も3日間となり、途中下車が可能となります。
どのみち、新十津川駅と地球岬を1日で回るのは厳しい。
それなら、このように長距離切符の特徴を活かして、効率よく周遊していく方がお得かつ面白い。
ただし、東室蘭駅から『地球岬』最寄り駅の室蘭までと、札幌から新十津川駅までは、この一筆書きルートから逸れてしまうので、この二つの区間だけは別途乗車券を用意する必要があります。
こうして、今回の『列車とバスで行く北海道道央西部周遊の旅』プランの全貌が見えてきました。
後は、細かな移動プランを整えていきます。.
2-1.1日目のプランを考える
まずは北海道までの往復移動手段を考える必要があります。
当然、中部国際空港(セントレア)から新千歳空港まで、飛行機で移動したいところ。
朝一番の便で札幌に移動しようかと考えていましたが……。
ここで時間的な問題に直面する事となります。
セントレアからだと、新千歳空港の最速の到着時間は、10:20。
この時間だと、特急を利用しても室蘭駅に到着するのが、12:40。
これでは地球岬に行った後で、洞爺湖を巡って…というのは、時間が足りなさそうだ。
洞爺湖の中島行き遊覧船の最終便は16:30。(30分間隔運行)
当然、16:30発の遊覧船では、中島上陸は果たせないので、それよりもっと早く乗船しなくてはいけません。
洞爺湖駅前から、遊覧船乗り場の最寄りである洞爺湖温泉までのバスの時刻表を調べてみると、16:00前に着きそうなバスは……。
洞爺湖駅前14:20発⇒洞爺湖温泉14:40着。
洞爺湖駅前15:35発⇒洞爺湖温泉15:53着。
15:35発だと、遊覧船には乗れても、中島上陸は厳しそうだ。
となると、14:20発のバスで洞爺湖温泉に移動しておきたい。
この時間に間に合わせる為には、室蘭駅を12:55に出発しておかなくてはならない。
……室蘭の滞在時間、15分。
さすがにこれは無理がありすぎる。
かといって、洞爺湖を翌日にすると、今度は3日間で一筆書きルートを移動するというプランが破綻してしまう…。
洞爺湖か神威岬を諦めれば間に合うかもしれないが…。
そこで、考えついたのが、前日の内に名古屋から東京に移動しておき、翌日の早朝便で羽田空港から新千歳空港に向かう、という前泊プラン。
新幹線で行くよりも、JALの会員になっているので、マイルをeJALポイント(=1ポイント1円で飛行機代に利用できる)に交換して購入、セントレアから羽田空港に移動します。
(普段、JALのクレジットカードを利用している為、マイルが貯まりやすい)
そして、その日は羽田空港のすぐ近くにある「東横INN羽田空港」で宿泊する事にします。
東横INNは宿泊ポイントが10ポイント貯まると、1泊無料で宿泊できるサービスがあり、すでに20ポイント超を有していたのでこれを利用。
これなら、大した追加の出費なく、前泊羽田空港移動が可能となります。
という事で、まずは中部国際空港(セントレア)20:40発、羽田空港21:40着の飛行機(JAL208便)で前日の内に移動。
そして翌朝(1日目)、羽田空06:10発、新千歳07:40着の飛行機(JAL593便)で移動する事に決定。
朝8時前に新千歳空港に到着していれば、早い段階で室蘭に向かう事が可能となります。
とはいえ、普通列車だけで行こうとすると、さすがに時間が足りない。
ここは特急スーパー北斗をうまい事利用するしかなさそうだ。
という事で、初日最初の『地球岬』への移動プランが成立。
1.新千歳空港駅から普通列車で苫小牧駅09:09着の普通列車で移動をし
2.苫小牧駅09:28発、特急スーパー北斗6号で登別駅09:51着に移動
3.登別駅09:57発の普通列車に乗り換え、室蘭に10:33着
4.室蘭駅前11:01発の「地球岬団地」行きのバスで終点「地球岬団地」11:20着に移動
5.地球岬まで徒歩移動
6.母恋駅まで徒歩移動
7.母恋駅12:58発の普通列車で東室蘭まで移動し、13:40同駅発のスーパー北斗12号で洞爺駅14:07着まで移動
この段取りで移動をこなす事にしました。
これなら初日の内に洞爺湖も問題なく回れそうだ。
なぜ6.が徒歩移動でしかも母恋駅なのかというと、帰りに最適な時間のバスがなく、最寄り駅である母恋駅なら、徒歩30分ほどで移動が可能だから。
「地球岬団地」バス停から地球岬までの徒歩での移動時間は、15分程度。
地球岬の滞在時間は、11:35~12:20程度。
十分楽しむ時間は確保されています。
これで行くしかない!
洞爺湖からの帰りは、バスで洞爺駅まで移動後、ゆっくりと普通列車で長万部(おしゃまんべ)まで移動し、そこで1泊する事にします。
宿は駅から近い場所にあり、かつ安めの所を探した結果、長万部温泉ホテルが良さそうだったので、ここを予約します。.
2-2.2日目、3日目のプランを考える
割と難航した1日目のプランでしたが、2日目以降はすんなり決まっていきます。
残る目的地は、神威岬と新十津川駅。
神威岬には、余市駅前から路線バスで移動できる事が分かったので、2日目はまず余市駅まで移動します。
ただし、バスの本数は少な目なので、始発列車を利用します。
朝9時前には余市駅に到着する予定なので、ここで09:34発の神威岬行きのバスに乗り換えます。
せっかくの余市なので、時間が余ったら、ニッカウヰスキー蒸留所も寄ってみたい。
なお時間が余ったら、小樽にも寄り道できないだろうか。
こうして、2日目のプランはすぐに決定していきました。
この日は札幌で宿泊します。
東横INN札幌駅北口が空いていたので、そこを予約。
もちろん、残るポイントを利用。
お得な方へもっていきます。
そして3日目。
この日の最優先は、新十津川駅。
新十津川駅は1日1往復しか列車がない為、朝06:58札幌駅発の札沼線・石狩当別行きは何としても乗車しなくてはなりません。
2日連続で早起きしないとな。
新十津川駅にて証明書等を入手し、札幌に戻ってくる時間が12:15。
そして、中部国際空港行きの飛行機の時間は、19:30。
5時間ほどは時間が余りそうだ。
最終日なので、迂闊に札幌郊外へは行かずに、札幌市内で時間を潰す事にしよう。
ここでちょっと気になっていた、北海道神宮と、札幌で人気のあるカフェ『森彦』に寄ってみようと考える。
……2日目、3日目はだんだん雑なプランニングとなりましたが、これで“北海道道央西部周遊の旅”3日間の全行程が整いました。
3.実際の行程と旅費
///1日目///
※前泊移動
中部国際空港 20:40 ⇒JAL208便⇒ 21:40 羽田空港
羽田空港 ⇒無料送迎バス⇒ 東横INN羽田空港
宿泊:東横INN羽田空港
東横INN羽田空港 ⇒無料送迎バス⇒ 羽田空港第1ターミナル
羽田空港 06:10 ⇒JAL593便⇒ 07:40 新千歳空港
新千歳空港 08:30 ⇒JR快速エアポート⇒ 08:33 南千歳 08:49 ⇒JR千歳線⇒ 09:09 苫小牧
苫小牧 09:28 ⇒特急スーパー北斗6号⇒ 09:51 登別
登別 09:57⇒ JR室蘭本線⇒ 10:33 室蘭
室蘭駅前 11:01 ⇒13系統 地球岬団地行きバス⇒ 11:20 地球岬団地 ¥210
地球岬散策
母恋 12:58 ⇒JR室蘭本線⇒ 13:08 東室蘭
東室蘭 13:40 ⇒特急スーパー北斗12号⇒ 14:07 洞爺
洞爺駅前 14:20 ⇒道南バス/洞爺湖温泉・東町サンパレス行き⇒ 14:40 洞爺湖温泉
洞爺湖周遊
洞爺湖温泉 17:51 ⇒道南バス/洞爺駅前行き⇒ 18:15 洞爺駅前
洞爺 19:38 ⇒JR室蘭本線⇒ 20:21 長万部
宿泊:長万部温泉ホテル
///2日目///
長万部 06:00 ⇒JR函館本線⇒ 08:53 余市
余市駅前 09:34 ⇒21系統北海道中央バス⇒ 11:18 神威岬
神威岬散策
神威岬 12:14 ⇒21系統北海道中央バス⇒ 13:51 余市駅前
ニッカウヰスキー余市蒸留所見学
余市 16:03 ⇒JR函館本線⇒ 16:26 小樽
小樽散策
小樽 17:30 ⇒JR函館本線⇒ 18:02 札幌
宿泊:東横INN札幌駅北口
///3日目///
札幌 06:58 ⇒JR札沼線⇒ 07:38 石狩当別
石狩当別 07:45 ⇒JR札沼線⇒ 09:28 新十津川
新十津川 10:00 ⇒JR札沼線⇒ 11:17 北海道医療大学
北海道医療大学 11:29 ⇒JR札沼線⇒ 12:15 札幌
さっぽろ ⇒札幌市営南北線/東西線⇒ 円山公園
北海道神宮参詣
カフェ森彦
円山公園 ⇒札幌市営東西線/南北線⇒ さっぽろ
札幌 17:20 ⇒JR快速エアポート⇒ 17:57 新千歳空港
新千歳空港 19:30 ⇒JAL3118便⇒ 21:10 中部国際空港
旅費(食費・土産等は除外)
JR北海道
乗車券:新千歳空港⇒千歳 (苫小牧・長万部・余市・札幌経由) ¥6,720
自由席特急券:苫小牧⇒登別 ¥620
自由席特急券:東室蘭⇒洞爺 ¥620
東室蘭⇒室蘭 ¥220
室蘭⇒東室蘭 ¥220
札幌⇒新十津川 ¥1,640
新十津川⇒札幌 ¥1,640
千歳⇒新千歳空港 ¥350
バス
室蘭駅前⇒地球岬団地 ¥210
洞爺駅前⇒洞爺湖温泉 ¥330
洞爺湖温泉⇒洞爺駅前 ¥330
余市駅前⇒神威岬 ¥1,450
神威岬⇒余市駅前 ¥1,450
地下鉄
さっぽろ⇒円山公園 ¥250
円山公園⇒さっぽろ ¥250
洞爺湖汽船
中島巡り遊覧船 ¥1,420
宿泊
東横INN羽田空港 (ポイント利用) ¥0
長万部温泉ホテル ¥4,800
東横INN札幌駅北口 (ポイント利用) ¥0
飛行機
中部国際空港⇒羽田空港 ¥9,300
羽田空港⇒新千歳空港 ¥12,190
新千歳空港⇒中部国際空港 ¥17,910
eJALポイント利用分 -¥20,000
旅費のトータル ¥41,920
思ったより抑える事が出来ました。
やはりポイント利用の恩恵はでかい。
もし一切ポイント利用しなかったら、合計¥70,000は超えていただろうな。
これに食費などが追加すると、相当なもんだろう。
普段、出張の多い仕事をこなしているが故にできる芸当なので、この節約術はあまり参考にならないと思いますが……。
しかし、こうした楽しみ方もあるんだと思っていただけるだけでも、旅を実行に移した甲斐があったものです。
次回より、実際の旅の様子についてまとめていきます。
ちなみにこの時期、集中豪雨による災害が北海道でも起きており、列車が運転見合わせになる等の事態も起こっていました。
そのあたりの様子も詳細にまとめる事にしましょう。
リンク
■『道南バス株式会社/室蘭市内路線バス時刻表』
■『道南バス株式会社/郊外路線バス』
■『道南バス株式会社』
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