千葉の秘境トンネル『二階建てトンネル』 ~ノスタルジックな列車とレンタサイクルで周遊する~
トンネルに心奪われる事がどれだけあるだろうか。千葉県夷隅郡大多喜町にある『二階建てトンネル』は、緑の光が上下二段に分かれて差し込む幻想的な光景で来訪者を魅了します。
不思議な素掘りのトンネルについてまとめていきます。
【目次】
1.上下に並ぶ神秘の二階建てのトンネル『共栄・向山トンネル』
2.アクセス:小湊鐡道のノスタルジックな鉄道の旅を楽しむ
3.レンタサイクルで気持ちの良いサイクリングを楽しむ
4.周辺の周遊も合わせて楽しんでみましょう
上下に並ぶ神秘の二階建てのトンネル『共栄・向山トンネル』
トンネル西側の上下に出口が2つ並ぶ、二階建てを構成する不思議な素掘りのトンネル。
上側が元々使用されていた出口で、後に下側に新しく出口が造られました。
このトンネルは、かつては普通の素掘りのトンネルで、西側の上の出口が使用されていました。
昭和40年代になると、このトンネルに接続する道路への利便性を良くする為、トンネルの途中からさらに深く掘削し、新たに下側に出口が完成する事になります。
完成後も旧出口は埋め戻されずに残った為、現在の2つの出口を構成する2階建てトンネルが誕生する事となったのです。
不気味な静けさの中、水が滴り落ちる音が響く。
暗闇の向こうに緑の光を覗かせる、神秘的なトンネル。
かつて上側の出口に繋がっていたであろう道の跡が、トンネル内部の両脇に続いています。
一人でこのトンネルに行くと、あまりの静けさに恐怖心すら覚えるかもしれません。
しかし、物珍しいこの光景に、ただ釘付けとなってしまいます。
トンネルを抜けてすぐ右側には、かつて使用されていた二階部分の出入口に行けそうではあります…が、草が生い茂っていて、行くのは難しそう。
しかし、かつてはどういった道になっていたのか、思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。
二階建てトンネルを通過する時の映像。一人で行くと静かすぎて不気味さすら感じますが、物珍しい光景にただ釘付けです pic.twitter.com/cQ160q17sq
— Mijah(うっ旅) (@AimmijahMijah) August 4, 2019
こちらはTwitterに上げた二階建てトンネル通過の動画。
二階建てになっているが為に、かなり天井が高くなっているのが分かるかと思います。
トンネルなのに妙な解放感も味わえるのは、この天井の高さもあっての事と思われます。
差し込む緑の光も一躍かっているのかもしれません。
この二階建てトンネルの正式名称は『共栄・向山トンネル』と言います。
東側から92mが『向山トンネル』、西側23mが『共栄トンネル』という名称になっており、一つのトンネルで2つの名称を持つ、非常に珍しいトンネルとなっています。
出口が一つしかなくて困ってる?ならばもう一つ出口を造れば良いじゃないか。
答えは一つのみにあらず。
時には単純かつ大胆な考えが、新しい道を生み出す。
人生のトンネルにおいても、そんな新しい出口を切り開く為のヒントになりうる……かも?
そしてこのトンネル、公道ですので、車が走っています。
通行の妨げにならないよう、そして事故には十分注意しましょう。
アクセス:小湊鐡道のノスタルジックな鉄道の旅を楽しむ
二階建てトンネルの最寄り駅は、小湊鐡道(こみなとてつどう)の『養老渓谷(ようろうけいこく)駅』となっています。
小湊鐡道は、千葉県のJR内房線『五井(ごい)駅』から大多喜町の『上総中野駅』までを結ぶ私鉄。赤とベージュのカラーリングの車両は、ノスタルジックでお洒落。 夏の緑に溢れる景色の中を走るのが、実に合っています。
五井駅から養老渓谷駅までの運賃は、片道1,280円となっていますが、「1日フリー乗車券」を購入すれば、1,840円で小湊鐡道全線が一日乗り放題となりますので、こちらを利用すると良いでしょう。
ちなみに、同じ価格で購入可能な「五井ー養老渓谷 往復割引乗車券」もあります。
1日フリー乗車券との違いは、有効日数が2日間である事と、途中下車ができない事があります。
養老渓谷温泉などで1泊する予定がある場合は、こちらを購入すると良いでしょう。
五井駅をスタートしてから1時間と10分、列車はいよいよ『養老渓谷駅』に到着します。
現代的な機械がないが故に、安心感すら覚えるローカルステーション。
そして、実に夏色の景色が良く合う。
「こんな旅をしてみたかった!」と思う方もいらっしゃる事でしょう。
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そして、もっと多くの方にこの鉄道旅の楽しさを味わっていただきたい。
ちなみに、同駅には足湯も隣接されています。
時間があるなら、このノスタルジックな光景に浸りながら足湯を楽しむのも良いでしょう。
ただし、足湯は有料(140円)となっていますので、注意。
懐かしさ溢れる駅周辺の景色を楽しんだら、目的の二階建てトンネルへ向けて移動を開始します。
ここから二階建てトンネルの近くまで、路線バスが走ってはいますが、運行本数はかなり少な目となっており、行動が大きく制限されてしまう事になります。
よってここは、レンタサイクルを借りるのが良いでしょう。
片道2.4kmほどですので、体調や体力、時間に問題がなければ、徒歩でも十分に移動可能。
ちなみに、バスで移動する場合は、『弘文洞入口』停留所で下車します。
運賃は片道210円、移動時間は5分程度。
1時間に1本程度の運行本数となっていますので、乗り遅れには十分注意しましょう。
また、『粟又の滝』や温泉に向かう場合も、バスで移動するのが便利です。
こちらからバスの時刻を調べる事が出来ます。
停留所名は「養老渓谷駅」、「弘文洞入口」と入力すると良いでしょう。
粟又の滝に行く場合は、粟又と入力して、目的の停留所を選択すると良いでしょう。
レンタサイクルで気持ちの良いサイクリングを楽しむ
養老渓谷駅のすぐ隣には、『養老渓谷駅前観光案内所』があり、そこでレンタサイクルを借りる事が出来ます。
・3時間以内⇒600円
・1日⇒1,000円
と、リーズナブルな価格設定となっています。
もちろん、電動アシスト機能付きの自転車もあります。
養老渓谷周辺は、坂道が非常に多くなっていますので、電動アシスト機能付きを借りると便利です。
ただし、毎週火曜日(※1・2・6月は火・水・木)は定休日となっていますので、利用予定日には注意しましょう。
『奥養老バンガロー村入口』という看板、『弘文洞入口』という停留所が見えてきたら、そこを右折します。
一般道ですので、対向車には十分注意しましょう。
周辺の周遊も合わせて楽しんでみましょう
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二階建てトンネルのすぐ北側には『出世観音(立國寺)』というお寺もあります。
ただし、思ったよりアップダウンのある道中となりますので、注意しましょう。
そして、もっと遠出して『粟又の滝』に行ってみるのも良いでしょう。
電動アシスト自転車なら、さほど苦労せず移動が出来ます。
足を滑らせたりしないよう、十分注意しましょう。
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これらの様子は、また別の機会に改めて紹介する事にします。
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