関東の最果て、房総半島最南端の地にそびえる野島埼灯台を楽しむ
雄大な太平洋と荒々しい岩々とのダイナミックな景色が楽しめる岬にそびえ立つ、白く美しい洋式の灯台『野島埼灯台』。
千葉県、房総半島の最南端の地『野島埼(のじまさき)』に位置する、歴史ある灯台についてまとめます。
関東にいながら、果ての地に来たという実感が湧く、ユニークな灯台と岬をお楽しみください。
野島埼灯台の概要
野島埼灯台は、千葉県南房総市の野島崎にある洋式の灯台。
日本の灯台50選の一つであり、国の登録有形文化財にも登録されています。
1866年(慶応2年)、江戸幕府とアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国とで締結された江戸条約において建設が決まり、1869年(明治2年)12月18日に竣工、初点灯されました。
日本の洋式灯台としては、神奈川県の観音埼灯台に次いで2番目となります。
建設当初は、フランス人技師・ヴェルニーの設計による煉瓦造りの灯台でしたが、1923年(大正12年)9月に発生した関東大震災によって倒壊しました。
現在の姿は、1925年(大正14年)8月15日に改築されてからのものとなります。
光の強さは73万カンデラという明るさで、17海里(約31km)先まで照らし出します。
白い灯台に上る
青い空に真っ白く伸びていくような美しい灯台。
こうして下から見上げているだけでも面白い。
灯台には200円で上る事が出来ます。
受付のすぐ隣には、実際に灯台で使用されている大型のレンズや、資料の数々を展示した『きらりん館』があります。
是非合わせて見学していきましょう。
受付脇の道をさらに進んでいった所に、灯台入口があります。
赤文字の版は、フランス語で西暦1870年1月19日点灯した事を意味しており、白い旧字体の漢字の版は、明治2年12月18日を示す『明治巳巳(つちのと み)季』『十弐月十八日』と記載されています。
何れも野島埼灯台が初点灯した時の同じ日を示していますが、なぜこのようにずれているのかというと、竣工当時の日本は、西洋の太陽暦ではなく、中国等で使われている太陰暦(旧暦)が主流となっていた為。
ちなみに、日本が現在の太陽暦を使うようになったのは、明治6年(1874年)からとなっています。
ちょっとした灯台の見学で、こうした簡単な歴史を知る事が出来るのは面白い。
さらには、関東大震災後の改築の日付を記した版も展示されています。
灯台上部には、螺旋階段をひたすら上っていきます。
階段は全部で77段。
急いで上ろうとすると、目が回ってきます。
足を滑らさないよう、気を付けて上り下りしましょう。
2つの急な階段を上ると、ついに展望台へと出る事が出来ます。
また、灯室を見る事も出来ます。
間近でみる灯ろうは迫力満点です。
房総半島最南端から見る太平洋と、ダイナミックな沿岸の景色。
晴れ渡っていると、海の向こうに伊豆大島を望むことが出来ます。
灯台上部から見渡すのは、気持ちが良い。
房総半島最南端・野島崎を散策する
灯台見学を楽しんだ後は、周辺の散策もしてみましょう。
そこに打ち寄せる波しぶき。
房総半島最南端のダイナミックな絶景を、その身に受けながら歩くの気持ち良いものです。
単純な散策だけでも、それなりに楽しめます。
関東でありながら、遠くまで来たという実感が湧いてくる事でしょう。
『朝日と夕陽の見える岬』『南房総白浜サンセットポイント』と記載された石柱が示す通り、ここから眺める朝日や夕陽は素晴らしそうだ。
ただし、ベンチは一つしかありませんので、完全に早い者勝ちとなりますが。
また、周囲はごつごつした岩場となっていますので、上り下りする際は、足を滑らさないように十分注意しましょう。
果ての景色を存分に味わいながら散策を楽しみましょう。
公共交通機関でのアクセス
この野島埼灯台へは、JR館山駅から、最寄りまでバスでの移動が可能です。
運賃は片道610円となっています。
1時間に1本程度の運行本数となっています。
「野島埼灯台口」から徒歩で10分程度。
停留所のすぐ西側の横断歩道のある丁字路より、南に向けて道なりに進んでいくと、野島崎に到着します。
やや狭く曲がりくねった道となっていますが、迷う事無く到着できるルートです。
急に南国的な景色が広がり、房総半島最南端の岬に着いたという実感が突然に湧いてくる面白い場所でもあります。
是非この面白さを体験してみてはいかがでしょうか。
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