北海道・音威子府駅 ~日本一の駅そば、鉄道ロマン、工芸に魅了される~

 

前回は北海道の音威子府村(おといねっぷむら)にある『北海道命名之地』についてまとめましたが、今回は音威子府駅について簡単にまとめてみようと思います。

しかし、この音威子府(おといねっぷ)という名称、最初は「読めねーよ」と思うものですが、一度見たら記憶に焼きつくようなインパクトもありますね。
ちなみに、この音威子府という名称は、アイヌ語の「オ トイネ プ (o-toyne-p)」を由来としており、「濁りたる泥川、漂木の堆積する川口、または切れ曲がる川尻」という意味。
また、かつて村の名はは「常盤村」でしたが、1963年(昭和38年)に現在の「音威子府村」に改称されました。

『北海道命名之地にて ~音威子府(おといねっぷ)村で生まれた「北海道」という名の秘密に迫る~』

 

 

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音威子府駅は、JR北海道の宗谷本線の駅。
この駅がある音威子府村は北海道で一番小さな村となっており、なおかつ村の人口が道内で最少の800人未満という過疎化の進む村でもあります。
とはいえ、この駅にもしっかりと特急列車は停車しますので、アクセス自体はそれほど難しくはありません。

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今でこそ宗谷本線の一つの駅に過ぎませんが、かつては中頓別(なかとんべつ)や浜頓別(はまとんべつ)、猿払(さるふつ)等を経由して南稚内駅へ繋がる「天北線」の分岐駅となっていました。
天北線は1989年5月1日に廃止となっていますが、いくつかは路線バスで代替されています。

 

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駅内には、かつての天北線の写真や概要などが展示されている区画もあります。

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今はなき天北線の路線図。
在りし日の姿を想像しながら眺めてみるのも面白いかもしれません。

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確かに存在していた路線。
失われはしても、その浪漫は消える事はありません。

 

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駅舎も木の温もりを感じさせるような造りとなっています。

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行き先の案内板も木造という、調和が嬉しいものとなっています。
(これだけじゃ次の列車は何なのか分からないですが…)

しかしこの駅、券売機はありませんので、この駅発の切符が欲しい場合は、みどりの窓口の営業時間中に購入する必要があります。
窓口は08:20~16:40と、日中のみの営業となっていますので、訪れる時間には注意しましょう。
ちなみに、営業時間外は無人駅と同様の扱いとなります。
(列車内にて整理券を受取り、運賃は降車駅にて運転士または駅員に現金払い)

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この駅ならではの『ご当地入場券』というものも170円で販売されています。
車で来た場合も記念に買っていくと良いでしょう。
もちろん、列車で来た場合の記念にも良し。

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入場券ですので、しっかりとホーム内まで散策する事が可能となります。

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2番3番ホームには機関車を模した木の彫刻のベンチも。

音威子府村は豊富な森林資源を活かした木工芸で知られており、『森と匠のむら』として美術工芸を推進しています。
木と共に生きる村の方々の思いを、この駅でも存分に味わう事が出来るでしょう。

 

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そして、何と言ってもこの音威子府駅ならではの楽しみの一つが、『常盤軒』というそば屋。

駅舎内にある、80歳過ぎの老夫婦が経営する駅そば屋です。

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黒くコシのある麺で、風味も強め。またそばつゆも濃いめとなっていますが、決して塩辛くはなく、最後まで飲み干せます。

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蒸気機関車が走っていた時代から「音威子府そば」という名で知れていたそうで、現在でもこのそばを目当てにこの音威子府駅まで訪れる客が多い有名店となっています。
その評判の高さは「日本一美味い駅そば屋」と言われているほど。

ただし、営業時間は10:00~15:30と短めとなっており、水曜日が定休日となっていますが、閉店時間の繰上げや臨時休業となる場合もありますので、注意が必要となります。

高齢化もあって、存続も気になるところ。
是非後継者が現れてこれから先も経営を続けてほしいもの。

かつての天北線への浪漫を感じながら、洒落た駅舎の中で食べる評判の音威子府そば。
音威子府が誇る名物の一つとして、引き継いでいってほしいと願うばかりです。

 

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鉄道史、工芸、食、自然……様々な方向から楽しませてくれる音威子府駅。
一地方駅という言葉では括れない魅力がそこにはあります。
旅の途中で、是非一度は立ち寄ってみていただきたい駅の一つです。

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リンク

『北海道で一番小さな村 音威子府村』

 

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