博物館 網走監獄 ~監獄食も食べられる充実の歴史博物館~
「刑務所のご飯を『くさい飯』と言うよね。何でくさいの?」
「飯がくさいんじゃない、食べる場所がくさいんだ。独房の中にはトイレもあって、仕切りもなかったからね。しかも昔のトイレは汲み取り式だったんだ。」
現在はトイレも水洗式になって、さほど悪い環境ではなくなっているようです。それでも独房とトイレはセットのようですが。
北海道網走市の「博物館網走監獄」では、そうした刑務所の歴史について勉強する事ができます。
網走監獄内には様々な施設が移築、再現されており、思った以上に広大で充実しています。
全てまともに見て回ろうと思ったら、半日は軽く潰せます。
各施設内のあらゆる場所に人形が設置されており、当時の様子をうまいこと再現してくれています。
しかし、けっこう不気味です。
中には動く人形もあります(左右に軽く回る程度ですが)。
「何か不気味だな」と思っている最中に、知らずに動く人形の不意打ちをくらうと、びびる事必至。
実際に小さい子供が泣いて建屋を飛び出す光景も目にしちゃいました。
この博物館の一番の見所は、やはり「五翼放射状平屋舎房」でしょうか。
日本最古の刑務所で、木造の行刑建築としては世界最古となっているそうな(移築復元はされているようですが)。
文字通り、五方向に伸びる獄舎。それを中央部の見張り室から眺める光景は圧巻。
雑居房、独居房合わせて226室で構成されているそうで、少人数でも監視しやすい利点があるようです。
明治45年から昭和59年まで、実際に使用されていた獄舎でもあります。
中には脱獄王として有名な「五寸釘 寅吉」の人形が天井に設置されています。
なぜ“五寸釘”と呼ばれているのかと言うと、乱闘騒ぎをおこした賭場で巡回中の警官から逃げる時に、路上の板についた五寸釘を踏み抜いてしまったが、そのまま12キロも逃走を続けたというエピソードからだそうな。恐るべき根性です。
農場もあるようですが、残念ながら冬季は閉鎖されていました。
しかし、雪が積もるこの光景は、不気味でありながらもどこか芸術的な壮麗さも感じられるような不思議なものです。
浴場までもが再現構築されています。
刺青を施した人形などもあってリアルな光景です。
教誨堂(移設復元)。
日本の伝統的な外観の建屋でありながら、内装は漆喰を用いた装飾と、シャンデリアが釣り下げられた天井が特徴的な「和洋折衷」の建屋となっています。
また、広い講堂である事も利用して、野外運動場が使えない冬季には、体育館のような使い方もされていたようです。
「監獄歴史観」では、監獄の歴史や当時の囚徒の暮らしや作業などが展示され、囚人たちの労働の一部を体験することも可能です。
また、現在の独房を再現したコーナーもあります。
意外ときれいなもんです。
そして、さらには実際に囚人たちが食べていたというメニューを再現した「監獄食」を食堂にて食べることができます。
メニューは麦飯(麦3:白米7)、焼き魚(さんま or ホッケ)、小皿、中皿、みそ汁。
(実際にはみそ汁はなく、番茶が出されていたようですが)
焼き魚は「監獄食A」がサンマ(¥720)、「監獄食B」がホッケ¥820)となっています。
意外とキチンとしたメニューとなっています。
そして、さすがは北の大地といったところか。魚も意外な美味しさ。
普通に一般的な「定食」として十分に満足できるかと思います。
網走監獄へは網走駅からバスで移動する事ができます。
「博物館網走監獄」にて下車します。
間違って「刑務所前」で下車しないように注意!こちらは現在実際に使用されているリアルな刑務所です。
また、入館料は大人1人¥1,080とやや高めではありますが、施設は充実していますので相応といったところ。
博物館 網走監獄
◆開館時間:
・05月〜09月 8:30〜18:00
・10月〜04月 9:00〜17:00 ※入館受付は、閉館時間1時間前まで。
◆入館料金:
・大人 ¥1,080円(税込)
・大学・高校生 ¥750円(税込)
・小・中学生 ¥540円(税込)
・団体割引 20人以上 2割引(税込)
・福祉料金 ¥540円(税込)
・網走市民割引 2割引(税込)
リンク
■『博物館 網走監獄』
■『網走バス株式会社・定期観光バス』
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