北海道・襟裳岬 ~圧倒的にして壮大な光景と歴史を体験せよ!

 

北海道を代表する岬の一つ『襟裳(えりも)岬』。
特徴的な形状をしている北海道の、中央部から南に綺麗な三角形を描くように突き出た半島の先端部に位置する岬。
そんな事もあって、行った事はなくとも、どんな岬なのか?何があるのか?気になる方も多いと思います。
今回は、そんな『襟裳岬』についてまとめようと思います。

 

■襟裳岬シリーズ■

北海道・襟裳岬 ~圧倒的にして壮大な光景と歴史を体験せよ!
襟裳岬への旅 ~列車とバスを駆使して行く旅・前編~
襟裳岬への旅 ~列車とバスを駆使して行く旅・後編~

 

 

壮麗雄大な岬に圧倒されよ!

 

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北海道『襟裳(えりも)岬』。
北海道中央部から南側に突き出た半島(日勝半島と言います)の先端部の岬。

 

 

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その半島のほぼ中央部を日高山脈が連なっていますが、その山脈がそのまま海に向かって伸びているような…。
そんな不思議で神秘的な光景を見せる岬となっています。

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まさに雄大!絶景!

連なる岩礁に白くさく裂する波の群れ。

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重く響いてくる波の音と、体に吹き付ける風の音。
大迫力の光景がそこには広がっています。

 

◆襟裳岬よもやま話 ~「オンネエンルム」と「ピリカノカ」~◆

 

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襟裳岬は、アイヌ語の「オンネエンルム」という言葉に由来します。
「オンネ」は「大老の・大きい」、「エンルム」は「突き出たところ(=岬)」を意味しており、即ち「大きな岬」という言葉となります。

また、「エルム」は「ネズミ」という意味もあり、太平洋に突き出た岩礁をネズミが飛び跳ねる姿に見立てたものとされており、“北海道”の名付け親である松浦式四郎は、自著の『戌午東西蝦夷山川地理取調日誌』にて、遠くから襟裳岬を望むと、ネズミが伏せた様に突き出ている事に由来する、と述べています。

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沖合に突出した岩礁に加え、襟裳岬は有数の強風地域であり、寒暖両流の合流地点の為に濃霧が発生しやすくなっている為、江戸時代より航海の難所として知られていました。

木村謙次の『蝦夷日記』には「エリモ岬ではアイヌはイナウ(アイヌの祭具の一つ)を立てて神酒を供える」という記述が、松浦式四郎の『蝦夷日誌』には「アイヌはここを通る時はイナウを削り納めて通過する」と記述されています。

さらに式四郎の『戌午東西蝦夷山川地理取調日誌』には、「モノク子(岩礁帯先端部の岩礁の名)にコンブが多く生えているが、アイヌなどはエリモ様のおひげだとして、昔から採ることはない」と記載されており、この襟裳岬が、アイヌにとって神聖な場所である事が分かります。

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ちなみに、襟裳岬は、国指定名勝「ピリカノカ」の一つでもあります。
「ピリカノカ」とは、アイヌ語で「美しい・形」を意味しており、アイヌの叙事詩である「ユーカラ」に謳われた物語や伝承、祈りの場、アイヌ語により命名された独特の地形から成る土地など、言語に彩られた優秀な
景勝地群を総称するもの。

優秀な風致景観を保護する為に制定された「ピリカノカ」は、平成21年度より順次指定されるようになり、現在10か所が指定されています。

 

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襟裳岬に向けて伸びているかのような日高山脈は、ユーラシアプレートと北米プレート、2つのプレートがぶつかり隆起してできた山脈という、国内における地質学的にも稀有な場所でもあります。

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この岬を境に、西には日高エリア(日高東部)、東には十勝エリア(十勝南部)が広がっていきます。
右を向くか、左を向くか、ただそれだけで違う表情を見せます。

 

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豊國丸(とよくにまる)遭難の追悼碑もありました。

昭和4年(1929年)4月22日、函館を出港した汽船「豊國丸」。漁夫176人を乗せて、カムチャッカ東海岸アナッターチャーへ向けて航行している中、襟裳岬で暗礁に乗り上げて座礁し、遭難、沈没してしまいました。死者・行方不明者が78人に達した、という悲劇があります。

この追悼碑、平成3年に倒壊したそうですが、台座を新しく再建し、現在に至っています。

 

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歴史、地理。知れば知るほど奥の深さに嵌まりゆく襟裳岬。

景色の雄大さには、どんなに説明しても説明しきれないくらいの魅力がどこまでも詰まっているのです。

森進一は、『襟裳岬という曲で「えりもの春は 何もない春です」と歌っていますが、なかなかどうして、心惹きつけられる魅力が満載です。

 

 

観光センターで到達証明をGET可能!

 

とは言えこの襟裳岬、いざ冷静になって周りを見てみると…景色の雄大さは存分に味わえるものの、人の暮らしの様子がほとんど見受けられない…。
あ、やっぱり「何もない」なのか…??

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しかし、岬の駐車場のそばには、「えりも岬観光センター」というお店があります。

 

 

ここでは襟裳岬にちなんだお土産を始めとする売店はもちろん、この地元ならではの食事も可能。

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…とはいえ、私が注文したのは「炙りサーモン丼」(だったか?)という、どこにでもありそうなもの。
しかし、十分美味しかったですがね。

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そして、この「えりも岬観光センター」では、『えりも岬到達証明書』を、1枚110円で発行してもらう事が出来ます!

証明書コレクターの方は、忘れずにしっかりとGETしておきましょう!

 

 

『襟裳岬風の館』にて風速25m/sを体験!

 

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そして、岬には「襟裳岬風の館」という資料館もあります。

 

 

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風が作る「カルマン渦」をイメージして造られたというこの施設。

襟裳岬にまつわる自然等の資料が展示されている他、「アザラシウォッチング」という、天候や波が穏やかであれば、アザラシの姿をモニターで見る事が出来たり、襟裳岬を一望できる展望室もあります。

私が訪れた日は、晴れていたとはいえ、台風が通過した翌日の事でしたので、海はかなりの荒れ模様でした。
残念ながらアザラシの姿は確認できず…。

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そして、この施設の目玉は、何といっても風速25m/sの強風を体感できる「えりも風体験」でしょうか。

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飛行機のエンジンのような丸い穴から風が吹きつけられ、場所によって風速10m/s、15m/s、そして最大で25m/sの風を体験できるというもの。

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10m/sは強い風だな、という程度の感想ですが…25m/sともなると、立っているのがやっとの状態となります。

25m/sでこの威力。
台風などで最大瞬間風速40~50m/sともなると、そりゃ身体ごと持っていかれたり、屋根がはがされたり、車も横転したりするわけだ。

そんな事を身をもって体験できる興味深い体験となっています。

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アニメのキャラクターのイラストがあるなと思ったら、どうも『青春☆こんぶ』という、襟裳岬が主な舞台のイラスト、4コマ漫画のキャラクターらしい。(アニメではないのか)

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『青春☆こんぶ』の4コマを見れたりする公式サイトもありますので、興味ある方はチェックを! ⇒■http://www.seisyun.info/

 

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◆襟裳岬風の館◆

入館料:一般300円、小学生~高校生200円、小学生未満は無料

開館時間:
3月、4月、9月~11月/9:00~17:00
5月~8月/9:00~18:00
1月1日臨時開館/5:00~8:00
何れも最終入館は閉館時間の30分前

※12月~2月は休館となります

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沈んでまた上る陽光の岬、星の岬を楽しむ

 

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陽が西に傾いてくると、襟裳はよりドラマチックな風景を見せてくれます。

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荒々しく打ち寄せる水面に乗って押し寄せる陽光、ススキの穂はより光を輝かせ、灯台は影絵の芸術を魅せる…。

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強い風に吹かれながらも、その幻想的光景には釘付けにされてしまいます。

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本当に現実ではないような…夢のような世界だ…!

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そんな気分にただひたすら翻弄されながら遊歩道を歩いていました。

 

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あの沈みゆく陽の水平線の向こうには…函館があるのか?
柔らかな光をどんどん奥の方へとしまい込んでいきます。

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夜には、空を見上げてみましょう。
都会では決して見ることの出来ない澄み渡った夜空がそこには広がっています。

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うっすらと天の川が掛かっているのが分かります。

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灯台の光で上手く撮影する事が出来ませんでしたが、カメラのISOを上げて、シャッタースピードを数秒ほどにすると、辛うじて天の川の写真を撮る事が出来ました。

三脚を持っていれば、岬と海と星空の光景も撮る事が出来たかもしれませんが…風も相当強いので、難しいかもしれない。

 


 

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そして、夕陽が綺麗なら、朝陽もまた然り。

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風と波の音が吹き荒れる中、海の向こうから徐々に覗かせてくる温かな光。

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灯台とバトンタッチするかのように照らし出す光。
朝の岬の風景もまた、ドラマチック。

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この朝の岬周辺の散策中に、一瞬ですが、キタキツネに会う事も出来ました。

すぐに逃げていっちゃいましたが…。
襲わないから、一緒に朝陽を眺めようよ~。

そんな願いも虚しく…。
でも、何となく良い気持ちになれました。

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こちらは、分かり難いですが、朝陽と三日月のコラボ写真。
月と太陽が同時に見られるのって、何だか面白いですよね。

 

 

交通アクセス ~えりも岬までのバス移動~

 

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襟裳岬へは、レンタカーでの移動が手っ取り早いではありますが、路線バスでの移動もしっかりと出来ます。

札幌方面からの移動ですと、片道の移動に相当な時間が要されますが、帯広からだと、多少、移動が楽です。

札幌方面からアクセスする場合、列車で移動するパターンと、高速バス(高速ペガサス号 ※予約制)を利用するパターンの2通りがあります。
列車利用の場合、まず苫小牧駅まで移動し、日高本線(鵡川(むかわ)駅まで列車、以降、様似駅まで代行バス)で様似駅まで移動した後、JR北海道バス日勝線の広尾方面行バスにて、「えりも岬」停留所まで移動します。

高速ペガサス号バス利用の場合、札幌駅前でバスに乗車し、「役場前」(浦河町)で下車します。次にJR北海道バス日勝線の様似営業所行きバスに乗車し、様似駅まで移動。そして、広尾方面行バスにて、「えりも岬」停留所で下車します。

帯広から移動する場合、帯広駅前のバスターミナルから広尾線バスに乗車し、「広尾」まで移動した後、JR北海道バス日勝線の様似営業所行きバスに乗り、「えりも岬」停留所にて下車します。

何れのパターンもかなりの移動時間を要しますので、余裕をもった移動スケジュールを組む事をお勧めします。また、事前に時刻表をしっかり確認しておきましょう。

 

役場前(浦河)~様似、様似~広尾間のバス時刻表はコチラを参照ください(「様似方面時刻表」をクリックorタッチで時刻表が表示されます ※PDFファイルです)⇒ 『時刻表/ジェイ・アール北海道バス』

帯広~広尾間のバス時刻業はコチラを参照ください(「時刻表No.6表(約965KB)」をクリックorタッチで時刻表が表示されます ※PDFファイルです) ⇒『時刻表/十勝バス』

『高速ペガサス号・運賃・時刻表/道南バス株式会社』

 

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札幌など、遠方から襟裳岬に来た場合、無理して往復したり、近隣の町に移動せずとも、この岬に数件ある旅館を利用してみるのも良いでしょう。

ちなみに、私は『みさき荘』という旅館を利用しました。

かなり年期を感じる佇まいの旅館ですが、これはこれで味があって良いもの。
旅先だからこそ楽しめる雰囲気を存分に感じる事が出来ます。

この旅館のおっかさんもすごく親切な方でした。
私の手違いにも関わらず、色々もてなしてくれて、ここに泊まって良かったと心から感動したものです。

この旅館の様子については、次回にお伝えする事にしましょう。

 

 

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という事で、次回は、札幌から襟裳岬への実際の移動の様子についてまとめていこうと思います。

自分で言うのもなんですが…かなりのグダグダ旅程となりました。
その辺りも是非お楽しみいただければと思います。

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リンク

 

『襟裳岬 風の館

『北海道えりも町 海と大地のふるさと』

『ジェイ・アール北海道バス』
『高速ペガサス号・運賃・時刻表/道南バス株式会社』

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