あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day3・北大東島の始まりの地と沖縄の果てへ/旅の完結~

 

沖縄・東の果ての孤島、大東島の旅シリーズ。最終章の第7弾。
北大東島始まりの地『上陸公園』、要塞のような漁港『北大東漁港』、そして沖縄最東端の地『沖縄海』…。
充実の大東島3日間の旅の完結。
今回も見どころ満載の周遊ルートをお楽しみください。

 

■大東島への旅シリーズ■

あなたの知らない沖縄がそこにある 絶海の浪漫孤島・大東島  ~1・大東島へ行こう!島の概要と旅の計画編~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day1・レンタサイクルで周遊する(前編)~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day1・レンタサイクルで周遊する(後編)~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day2・南大東島の文化と歴史に触れる周遊の旅~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day2・南から北へ!二つの大東島を楽しむ~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day3・北大東島の絶景と文化に触れる旅~
あなたの知らない沖縄へ 絶海の浪漫孤島・大東島への旅 ~Day3・北大東島の始まりの地と沖縄の果てへ/旅の完結~

 

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1.北大東島の開拓の始まりの地『上陸公園』

 

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大東島の旅、最終日の3日目。北大東島周遊後編。

ハマユウ荘』で(質素な)昼食をとった後、島の西側にある『上陸公園』に向けて走り出します。

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上陸公園』は、その名称の通り、北大東島開拓の為、明治36年に初めて上陸された場所と言われています。

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遥か八丈島から、玉置半右エ門を筆頭に、多くの人たちが、開拓の為に移住してきた場所。
ここが北大東島の始まりの地とも言えます。

開拓始めの頃は、ここがサトウキビの出荷港として使用され、運搬の為の線路と枕木が海に降りる坂道に設置されていました。

2000年12月、開拓百周年記念事業の一環としてこの『上陸公園』が完成。

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休憩所から澄んだ海と南大東島が見渡せる絶景ポイントの一つとなっています。

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島の周囲を荒々しい岸壁が覆い、絶海の孤島故に打ち寄せる波の激しさもあって、上陸が困難であった大東島。
この上陸公園の海は入り江のようになった場所でもありますので、唯一、上陸に都合の良い場所であったと考えられます。

 

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海に降りていく坂道は、滑り止め(?)が設置されているものの、かなり勾配が急ですので、歩く際は注意が必要です。

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海沿いから見る光景もまた壮観。

荒々しい岸壁、迫りくる波、そして海の向こうに見える南大東島。

そして、この場所から島の開拓の為に上陸が果たされたとなると、感慨深い気持ちになるような。

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砂浜が存在しない島内。
よくぞ上陸してくれた。

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2.北大東島南の海岸を走る ~要塞のような『北大東漁港』~

 

『上陸公園』を楽しんだ後は、北大東島の南海岸沿いの道をひたすら走って、空港脇に向けて移動します。

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道中の景色もなかなか良い。
自転車だと体力は使うものの、風を体に受けながら移動中の景色を楽しむ事が出来て良い。

南大東島を向こう側に眺めながら、道を進んでいきます。

 

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そして、その道中で最もインパクトのある場所が、『北大東漁港』でしょうか。

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まるで要塞のように大規模な漁港。
綺麗な曲線を描きながら真っ白く眩しい壁。

そして、その合間に流れ込む青色の海。

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前述した通り、大東島は周囲を険しい岸壁で覆われているため、漁船を着岸させておく事が出来ません。
漁船が島に帰ってきたら、わざわざクレーンで船を引き揚げる作業が必要となっていました。

しかし、この北大東漁港が造られたおかげで、ようやく漁船を安全に着岸させる事が可能となりました。

島の周辺は水深がいきなり深くなることもあって、防波堤を建造する事も困難。

そこで堀込式という、珍しい建造の漁港が誕生する事になります。
(南大東島にある『南大東漁港』も同様の造りの漁港となっています)

この漁港の建造にあたって、排出された岩石の山は、島の北西部に積み込んでいく事になります。
前回紹介した『大東ピラミッド』がそれにあたります。

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ここまで大規模に削り込んで造られた、要塞のごとき漁港。
一つの漁港にここまで手間が掛けられているのも珍しい事ではないでしょうか。

これでフェリーが入港できるほどの規模であれば、フェリーもついに安全な着岸が果たせるようになっていたはずですが、そこまでの規模は困難だったのでしょうか。

ただ、これまたすでに述べていますが、フェリー“だいとう”での島の上陸方法は、やはりクレーンで吊られて上陸するのが独特で良い。
これからも是非そうして欲しいと思う。

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私が漁港に訪れた時は、何やら工事が行われている最中でした。

クレーンはともかく、パワーショベルが海底で稼働しているのを見るのは初めて。
これまた珍しい光景だ。

一つの漁港に圧倒されながら、道を進んでいきます。

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3.『沖縄海』沖縄最東端の地に立つ

 

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しばらく海岸沿いの道を進んでいくと、空港南側の分岐路に出てきます。

この分岐路を右に進んでいくと、『沖縄最東端之碑』が見えてきます。

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文字通り、沖縄の最東端を示す場所で、特徴的な円形のモニュメントがそこに建てられています。

この最東端の碑を見ると、本当に遥かな島に来たもんだという実感が湧いてきます。
ここから沖縄で最初の朝日を見る事も可能。

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できれば、ここから朝日も見てみたかった。
(ちなみに、本当の沖縄最東端は、もっと島の北東先端部(『真黒岬』と言う)に位置していますが、そこは通常到達する事が不可能な場所ともなっています)

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最東端の碑はあるものの、『沖縄最東端の地到達証明書』といった類のものはない模様。
到達証明書コレクターの私としては、是非ここの証明書も作ってほしいものですが…、何とか希望を聞いてくれませんでしょうかね?

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そして、南大東島の『塩屋海岸』や『海軍棒』のように、ここにも人工のプールが造られています

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岩をくり抜いて造り上げた、天然プール。
北大東島では、唯一海水浴を楽しめる場所でもあります。

休憩所にはシャワーもありますので、時間があれば、ここで泳いでみるのも良いかもしれません。

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また、ここの海岸は、大東島で唯一“沖縄の海”のようである事から、『沖縄海(おきなわうみ)』と呼ばれています。
大東島も沖縄ではありながら、“沖縄の海のようだ”と評されるのもまた変わっている。
それだけ、この島が同じ沖縄でも非常に変わった場所である事が分かるかと思います。

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確かに、島のどこに行っても、荒々しい岸壁と激しく打ち寄せる波の海。
砂浜が一切存在しない為、沖縄らしい“綺麗な砂浜と海”という光景を見る事の出来ない島。

そんな大東島でも、こうやって人工のプールを造る事で、穏やかな海を部分的にでも生み出したその努力は素晴らしいもの。

大東島は、そんな想像を超えた努力の賜物が、随所に見る事が出来て、本当に圧倒されてしまいます。

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ただ、この『沖縄海』、ゴミの多さが目立っていたのが残念なところ。
漂流物なのか、それとも…。

こんな美しい島なのだから、本当に一人一人が意識していくべき課題なのだと思う。

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何だかんだで、暫く最東端の絶景に浸った後、いよいよ旅の終わりが迫ってきます。

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4.空港までの送迎車にて

 

『沖縄海』を後にし、自転車を『民宿二六荘』に返却しつつ、北大東空港への送迎をしてもらいます。

二六荘は、ほぼ島の反対側に位置するので、移動だけでも大変。
自転車を借りる際は、体力や体調はもちろん、移動時間もしっかりと管理しておくようにしましょう。

帰りの時間に間に合わなくなったら大変です。

『沖縄海』からおよそ30分、無事に民宿二六荘に到着。
自転車を返却し、送迎の車を待ちます。

そして、同じく送迎車を利用する方々数名と乗車し、いよいよ空港に向けて出発。

 

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途中、送迎車は、先ほど自転車で通過した『北大東漁港』に寄りました。

同乗した二人の方が、ここに到着する漁船(?)に乗るようなので、空港に行くついでに寄った模様。

自転車では漁港の下までは行きませんでしたが、下から見る漁港もまた、その規模に圧倒されます。
ここから船に乗ってみるのも面白いかもしれないな。

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二人を降ろした後、送迎者は漁港を後にします。

途中、送迎してくれている民宿のオーナーが、いろいろとお話をしていました。

オーナーさんも八丈島の出身である事、そして、この大東島がその昔、ロシアの『ボロジノ島』である事。
明治に島の開拓がされなかったら、今頃大東島はロシア領だったかも、といった話など、興味深い話をしてくれました。

 

 

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そして、ついに『北大東空港』に到着します。

オーナーさんに感謝を告げ、空港建物内へと入っていきます。

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5.北大東島最後の買い物

 

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飛行機の時間まで少しあったので、空港の2階にある『大東ラグーン』に寄ってみる事にします。
北大東島のお土産はもちろん、カフェも併設されていますので、時間までここでゆっくり過ごす事も可能です。

 

ちなみに、北大東島では、サトウキビ以外にも色々な名産物があります。

1つは『じゃがいも』。
1991年(平成3年)から、サトウキビの輪作として栽培が開始され、年によっては日本で最も早く新じゃがが食べられる事でも知られています。

そして『月桃』。
北大東島の月桃は3、4メートルを超える大きさをしており、台風の時はサトウキビ畑の防風林的役割も果たしてくれます。
石鹸や化粧水、ハーブティーなど、葉っぱから取れるエキスを使用した特産品が作られます。

そしてもう一つ『かぼちゃ』。
じゃがいもと同様にサトウキビの輪作として栽培されており、雨が少なく、日照時間が長い大東島は、かぼちゃの栽培に適しているとされています。

 

輪作(りんさく) = 農業の手法の一つで、同じ土地に別の性質の農作物数種を数年サイクルで栽培する事。栽培する作物を周期的に変える事で、土壌の栄養バランスが取れ、病原体や害虫による収穫量、品質の低下を防ぐ事が出来ます。

 

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これらの北大東島の名産品を、『大東ラグーン』で購入していく事が出来ます。
『じゃがいも』『月桃』『かぼちゃ』を使用した、沖縄土産でお馴染みの『ちんすこう』も販売されています。

ちんすこう、今でこそ様々な種類が販売されるようになっていますが、『じゃがいも』『月桃』『かぼちゃ』を使用したちんすこうは、この北大東島にしかないでしょう。(恐らく…)

特に『かぼちゃ』のちんすこうがお勧めです。
かぼちゃ風味の甘い濃厚な味です。

私もかぼちゃちんすこうをお土産に買っていったところ、なかなかか好評でした。
3種パックもありますので、迷ったらこれを買っていくと良いでしょう。

 

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最後の買い物を楽しんだら、いよいよ飛行機の時間が近づいてきたので、保安検査を済ませ、待合室へと向かいます。

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北大東空港の待合室の方が、なぜか南大東空港より広めとなっています。
南大東空港の方が便数も多いのになぜだろう?

おかげで、あまり他の方に気を遣わずに済んで良い…のかもしれませんが。

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そんな事を考えている内に、搭乗時間となりました。

駐機場を歩いてコミューター機へと乗り込みます。

 

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こうして、名残惜しくも2泊3日の大東島の旅は終わりを迎える事となりました。

短いようで非常に充実した3日間を過ごせたものだと実感しております。
また必ず来るから…!

飛行機の窓から遠ざかる大東島を見届けながら、沖縄本島へと帰っていきます。

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6.3日目の大東島周遊のまとめ

 

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3日目、北大東島での自転車での移動距離は、このようになりました。

トータル25.64km
変速機付きのママチャリでこれだけの距離を移動したのは、我ながら良くやったと思たもんです。

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そして、南大東島での移動距離を合算すると、トータルで実に109kmも走り回った事になります。
狭い島内を、よくぞここまで走り回ったもんだ。

単純にノープランで駆け回ったせいで、非効率的な移動となっただけの事ですが、それでも非常に楽しめたものです。

 

 

 

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ここまで、南北大東島での周遊記を6回に分けてお届けしてきました。
特に印象に残ったのは、やはり“大東島ならではの大自然の美しさと独自の文化”でしょうか。

荒々しい岸壁と港からは想像もつかない青い海、大規模な鍾乳洞、歴史の跡地に輝く天の川…。
思わずくぎ付けになってしまう光景が、あらゆる場所に存在し、長い自転車移動も全く飽きさせることがありませんでした。

まさに、非日常的な光景が楽しめる島とも言えるでしょう。

沖縄の東の果ての、絶海の孤島。
是非一度体験してもらいたい、“大東ワールド”がそこにあります。

 

 

大東島の動画も作成しています。是非合わせてお楽しみください!

 


リンク

 

『うふあがり島 北大東島』
『二六荘 -島の観光』
『北大東島観光ナビ』

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