猫島・睦月島へのアクセス ~船を乗り継いで行く瀬戸内海クルーズを楽しむ~

 

愛媛県松山市の猫島『睦月島(むづきじま)』。
前回は睦月島の猫たちや趣のある島の風景等についてまとめましたが、今回はその睦月島への実際のアクセスの様子についてまとめようと思います。
もちろん、松山市から船で移動する事になりますが、その前日に、私は山口県から船で愛媛県への移動をこなしています。
この辺りも参考になれば良いな、と思います。

船を乗り継ぐ旅、なかなか体験し難いもので、面白いものがありますよ。

 

 

 

睦月島へのアクセス方法

 

 

愛媛県松山市の瀬戸内海に浮かぶ島『睦月島(むづきじま)』。

この睦月島には、橋が架かっていない為、当然ながら船での移動となります。

睦月島へ船で行く方法は一つ。
松山市の高山港より、中島汽船の船で移動する事。

『中島汽船』

 

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そして、その中島汽船の睦月島行きの船にも、2種類があります。
それは、高速船と旅客フェリー。

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高速船だと、睦月港までの移動時間は、片道約18分ほど、フェリーの場合、片道約30分となります。

運賃はそれぞれ片道700円ですが、高速船の場合、急行券が別途必要となります。
睦月島までの急行券は、570円

12分程度しか変わらないので、高速船を利用するメリットはあまりないように思えるかもしれませんが、船のダイヤが問題となってきます。

『高速船時刻表』
『フェリー時刻表』

何れも運航本数は少な目であり、しかも睦月島は飛ばされる事も多い為、島にアクセスする時間はほぼ限られてくるものと思います。

今回の私の場合、移動前日に山口県にいた為、まずは山口県から愛媛県への移動をこなし、そして睦月島への上陸を果たした後、再度山口県へ戻る段取りでいた為、それに合う予定を組みました。

具体的には、まず、睦月島移動の前夜に山口県柳井港から愛媛県松山市の三津浜港へ移動して1泊し、翌日、8:30発の高速船にて睦月島へ移動。
そして、12:47睦月港発の高速船にて高浜港に戻り、三津浜港より山口県へ戻る…。

このような移動プランを実行する事にしました。

何より驚きだったのは、山口県柳井港~愛媛県三津浜港までの船便、何と24時間体制で運航がされている事!
※日曜を除く…が、それでも割と夜遅くの便まで運行されている

『防予フェリー/運航ダイヤ』

前日に山口県で仕事をこなした後に移動しようと思っていた私にとっては、この上なく好都合な船路なのです!

では、これから先は、実際に私が実行に移した移動の様子についてまとめていく事にします。

 

 

山口県から愛媛県までのナイトクルージングを楽しむ

 

睦月島移動日の前日。
この日、私は山口県の岩国市で仕事をこなしていました。

そして、その翌日は休みであった為、これを利用して何とか睦月島へと移動できないかと画策する事にします。

岩国からだと、一度広島に移動してから船で愛媛まで行くしかないか?
そう思って調べていると、岩国の南側に位置する柳井港から、愛媛までのフェリーが出ている事を知ります。

そして、前述した通り、このフェリーは日曜を除いてほぼ24時間体制で、2~3時間置きに運航されている事が分かりました。

この上なく好都合な船便の発見!

 

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よって、まずは柳井港を目指すべく、JR山陽本線にて、同名の駅「柳井港駅」へ向けて移動開始します。

 

 

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19:45頃、柳井港に到着します。

もうすでに辺りは日が暮れて、宵の微かな明るさとなっていました。

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しかし、このトワイライトと港の橙の灯り、すごくマッチしているようで妙に惹かれてしまう。

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待合室内の窓口にて、20:25発の松山(三津浜)行きフェリーの乗船券を購入します。

三津浜港までの運賃は、片道で3,660円となりますが、往復だと6,960円と割引運賃となります
この往復乗船券は、出発日を含めて7日間有効となる為、7日以内に柳井港に戻る予定の場合は、往復で乗船券を購入すると良いでしょう。

伊保田港にて乗船する場合を除き、予約は必要ありません。

ただし、休日等に車で乗船する場合は、事前に予約をしておくと無難と思われます。

 

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そして、20:10になるかという頃、松山からのフェリーが柳井港に入港してきました。

このフェリーに乗船し、松山へと向かいます。

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フェリーの乗り場は、待合室のすぐ南西側に位置しています。

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松山からの乗客が全員降りた事を確認し、入れ替わりで乗り込みます。

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船内は指定席などはないので、自分の好きな場所を確保します。

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私の場合、船上からの景色をとことん楽しむ為に加え、船酔い防止の為に、デッキの席を確保するようにします。
窓のない船内の部屋だと、簡単に酔ってしまいますが、デッキ上だと、そこそこの揺れであっても、なぜか酔いにくいのです。

風を受けながら揺れている事が五感で認識出来ていると、それなりの耐性が着くのかもしれない。
似たような方…、いらっしゃいますかね?

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そうこうしている内に、船はいよいよ柳井港を出航します。

桟橋には、お見送りをする親子(?)の姿が。
夜間の船出ともなると、この光景が実にドラマチックに見えてきます。

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どんどん柳井港を離れ、松山に向けて船は速度を上げていきます。

瀬戸内海ナイトクルージングの始まり。

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そこまで規模の大きい町が辺りにない為、けっこう暗めの夜景となります。
ポツポツと真っ暗な海面に反射する光。

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そして、緑の光をボゥっと浮かび上がらせる「大島大橋」が見えてきます。

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どこか不気味なようでいて、好奇心をこれでもか、というほどに刺激する夜の橋。
船は難なくくぐり抜けて、どんどん先へと進んでいきます。

 

 

しかし、瀬戸内海といえども、夜間は本当に真っ暗な海となります。
そのおかげもあってか、夜の星空は都会では見せてくれない輝きを放っています。

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これぞ夜の船旅だからこそ味わえる極上の星空!

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松山までの運航時間は、約2時間35分。
この星空を眺めながらひと眠りしてみるのも良いかもしれない。

すごく良い夢が見られそうだ。
…私はこういった場所では眠れませんが…。

 

 

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船はしばらく、瀬戸内海でも3番目に大きな島である屋代島の北側を横切っていきますが、この島を超えると、いよいよ松山市の街灯りが海の向こう側に見えてきます。

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そして、柳井港出港から2時間半。
ついに船は松山市の三津浜港目前まで迫ってきました。

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海上から愛媛県に上陸するのはこれが初。
そういった事もあって、本当にこの船旅は面白いものがありました。

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橙の灯りに照らされた桟橋で、係員さんたちが、船を着岸させる為の作業を手際よくこなします。

 

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いよいよ松山市、高浜港に上陸。

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夜の港に降り立つこの特別感。
なかなか味わえるものではありません。

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とは言え、この時の時間は23:00過ぎ。
さすがに周辺はもうお店なども全て閉まっているので、この日の宿泊場所である「HOTEL AZ 愛媛松山西店」へと向かいます。

 

 

地味に港から離れている…。

チェックインを済ませるともう0:00に近くなっていました。
明日の睦月島への移動に備え、さっさと寝る事にします。

 

 

高浜港から猫島・睦月島への出航

 

睦月島上陸の朝がやってきました。
高浜港を8:30発の高速船に乗船するべく、7:30過ぎにはHOTEL AZをチェックアウトします。

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ちなみにHOTEL AZは、九州地区に主に展開するホテルチェーンで、他にも山陽、四国、中部、北陸、甲信越の一部にも展開されています。

リーズナブルな宿泊料金で、朝食も無料で付いています。
出張以外にも観光目的で利用してみると良いでしょう。

 

 

ホテルを後にし、まずは高浜港に向かうべく、伊予鉄高浜線の「三津駅」に向かいます。
三津駅は、HOTEL AZのすぐ北側に位置する駅。

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なかなか良い駅舎だな~と思っていたら、これは待合室と雑貨屋のみの建屋で、券売機や窓口、そしてホームはこのすぐ裏手の方にあります。
「券売機はどこだ??」と思ってたら、そういう事だったか。

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7:49発の電車で、終着の高浜駅まで向かいます。

高浜港は、三津駅から3駅北上した所に位置する駅。
すぐに着きます。

 

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高浜駅に到着。

これまた良い感じの古さの駅舎をしています。
雰囲気出ていますね。

高浜港は、この駅のすぐ向かい側に位置しています。

 

 

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待合室内に乗船券を販売している窓口がありますので、そこで睦月島への乗船券を購入します。

08:30発の高速船利用である事を告げ、睦月島への乗船券と急行券の代金を支払います。

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すると、乗船券、急行券と共に、整理券が配られます
この整理券の順番通りに船に乗船していく事になります

フェリーより定員が少ない為の措置…なのだろうか。

連休等のシーズンでは早めに購入する等の注意が必要かもしれない。
帰りの分は、睦月港にて購入可能です。

出航までまだ少し時間があったので、海沿いを少し散策します。

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港の海のすぐ向かい側には、興居島(ごごしま)が広がります。
鮮やかな赤色の係船柱と、青い海と空、離島の緑と、美しい組合せの港の風景が楽しめます。

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港の風景というのは、旅人を楽しませる…。

 

 

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そして、ようやく乗船開始の時間がやってきましたので、整理券の順番通りに船に乗り込んでいきます。

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睦月島まで20分弱のあっという間の船の旅。
しかし、前夜の瀬戸内海横断に続いて、これからの睦月島への旅。

船を乗り継いで行く旅というのは、これが初かもしれない。
新鮮な気持ちに揺られながら睦月島へと駆け抜けていきます。

しかし、高速船だとデッキを利用できないのが、やや短所と言えるところ。
窓際さえ確保できれば、特に不満はありませんがね。

 

 

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そしておよそ20分後。
ついに船は目的地である睦月島に到着します。

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船を降りたのは、私を含めて6、7人といったところ。
この日は日曜日でしたが、観光目的で訪れるのは案外少ないのかもしれない。

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何か勿体ないな、と思いつつ、このまま一人でとことん楽しんでやろう!という気持ちが入り混じった不思議な感覚の状態で、猫たちの姿を求めて睦月島を散策します。

 

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ここからの様子は、前回の記事をお楽しみください。

 

また、YouTubeにも睦月島の動画をアップしていますので、是非こちらも合わせてご覧下さい!

 

 


 

爽やかな島の風景、猫たちに十分癒され、楽しんだら、あっという間に帰りの時間がやってきました。

12:47発の高浜行きの高速船にて、睦月島を後にします。

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帰りの乗船券、急行券は、睦月港の待合所にて購入する事が出来ます。
ここでは整理券は配布されない模様。

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ここから再び高浜港までの船旅、三津駅までの電車移動をこなし、そして三津浜港から山口県の柳井港へと戻る旅路が始まります。

 

 

帰りの船旅

 

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本当ならせっかくの松山市、中心街にも立ち寄っていろいろ楽しみたかった所ではありましたが、翌日も仕事を控えていた為、このまま大人しく柳井港へと戻る事にします。

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三津浜港から再び2時間半もの瀬戸内海クルージングが始まります。

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この三津浜港周辺の海からの景観もまた悪くない。

建物と緑、海のバランスが良い。

そして船はどんどん松山市を離れ、瀬戸内海沖へと進めていきます。

 

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しかし、こうしてみると瀬戸内海、地図で見てる分には狭く感じますが、実際はかなり広いもんだな、としみじみ思う事となります。
地図で見て行った気になれないのは、こうしたイメージと実体験の大きな差が埋められない事を知ってしまったからなのかもしれない。

この目で見ない事には、分かったようにそれを語る事なかれ。
旅人はそれを身をもって実感する事を、嫌というほどに実感している。

…のだと思う。

 

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暫く進んでいくと、愛媛の海岸線が海の向こうへと伸びていくのが分かります。
このもっと先には、あの突き出すように伸びる佐田岬半島があるのか。

そして、写真だと少し見づらいですが、右側の水平線上に、小高い山があるのが分かると思います。
あれが「青島」なんだろうか。

猫島と言えば、宮城県の「田代島」と共に挙げられる有名な「青島」。
このブログでもまとめていますので、興味ある方は是非この青島についてもご覧になってみて下さい。

 

『愛猫家の聖地「猫島」 ~愛媛県青島~』

 

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こうしてみると、瀬戸内海の船旅って、本当に興味深いもので溢れています。
果てしない太平洋などの大海原を進んでいくのも良いですが、大小様々な緑に囲まれた瀬戸内海の船旅も非常に面白いものです。

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多くの島が点在しているからこそ、風景にメリハリがあって、最後まで飽きさせません。

星空輝く夜の航海も素晴らしいものがありましたが、やはり昼の壮麗な景色もまたあまりに素晴らしい。

 

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そして、いよいよ屋代島と本州を結ぶ大島大橋が見えてきました。
柳井港も近い。

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夜は不気味にも見えた緑の橋でしたが、昼に見ると島の緑の風景に混ざるかのような鉄橋で、思ったより良い橋だな、と思ったものでした。

 

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そして、船はついに柳井港へと入港していきます。

 

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長いようであっという間の2時間半の船旅。
そして、1泊2日の睦月島への船旅でした。

 

 

睦月島への船旅のまとめ

 

一つの島の猫を巡って、実に壮大な旅をこなしたものでしたが、普段、なかなか体験する事の出来ない旅を楽しむ事が出来たと思います。

車や電車で行く旅も面白いものですが、こうして船を駆使していく旅も、実に面白いもの。
面倒を超えた先に待つ達成感は、語りつくせないものがあります。

多彩な顔を見せる瀬戸内海の船旅は、好奇心をどこまでも駆り立てるものでしょう。

得られるものは、目的地の猫たちの姿だけではありません。
道中の旅路も、忘れられない光景の連続となる事でしょう。

瀬戸内海の船を駆使する旅、是非一度味わっていただきたいものです。

 


リンク

 

『防予フェリー』
『中島汽船』

『愛媛県庁/しまの魅力 睦月島 愛媛・中予の観光情報サイト「ちゅうよ観光ナビ」』

『HOTEL AZ』

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