幸福への出発駅 帯広市「幸福駅」
幸福駅。
北海道帯広市幸福町にある旧国鉄・広尾線沿線内の駅です。
広尾線は廃線となって久しいですが、駅名の縁起の良さから廃駅を免れ、人々に幸福をもたらす観光スポットとして、現在も親しまれています。
ちなみに、この幸福町の北側には愛国町があり、そこに位置する「愛国駅」と併せて取り上げられる事が多いです。
(今回は時間の都合上、幸福駅にしか立ち寄っていませんが、機会があれば是非「愛国駅」にも行ってみたいものです)
この幸福駅のある地域は、元々「幸震(こうしん/サツナイ)」と呼ばれていましたが、福井県からの移住者が多かった為、「幸震」と「福井」の頭文字をとって「幸福」と呼ばれるようになりました。
「幸福」という言葉の縁起の良さもあり、そのまま駅名に採用されました。
1973年(昭和48年)3月にこの駅がNHKのテレビ番組「新日本紀行」で「幸福への旅~帯広~」として全国に紹介され、“愛の国から幸福へ”というキャッチフレーズとともに、愛国駅から幸福駅行きの切符が人気となりました。同切符は、4年間で1,000万枚も販売され、また、このふたつの駅をテーマにした曲もヒットするなど、大流行にもなっています。
1987年(昭和62年)、広尾線は廃止となりましたが、駅舎周辺を整備し、観光スポットとして再スタートし、2013年(平成25年)には駅舎の修復も行われています。
「愛国駅」と「幸福駅」というネーミングからか、2008年(平成20年)、このふたつの駅は「恋人の聖地」に選定されています。独り身の私には痛い場所でもあるな。
駅舎は老朽化の為に一度解体されていますが、旧駅舎外壁の半分を新駅舎に使用するなど、昔の面影を残すように建て替えられています。
旧駅舎にも所狭しと名刺や写真がビッシリ貼られていたようですが、現在の新駅舎においても、貼り付けが可能となっています。
売店で購入可能な大型の記念切符が、駅舎を埋め尽くさんばかりに貼りつけられています。
もはや、元の壁がどんな形状をしているのか、さっぱり分からないレベルです。
駅舎を抜けると、かつて使用されていた列車(キハ22形気動車)2両が保存されており、その内の1両は内部も見学する事が可能。
今にも動き出してしまいそうな……。
駅舎のすぐ隣には、お土産品を多数揃える売店もあり、そこで記念切符も購入する事ができます。
昔懐かしの厚紙の切符や、縦10cm、横23cmもの大型の切符も販売されています。この大型切符はポストカード仕様にもなっていますので、絵葉書として利用する事も可能。 駅舎に貼りつけるも良し、そのままお土産に持ち帰るも良し、或いは誰かに宛てて送るのも良いかもしれない。
鉄道が廃線となるのは、特に思い入れや親しみがなかったとしても、なぜか無性に寂しくなってしまうもの。
しかし、こうして保存、観光スポット化してくれるのは、非常にありがたいものです。
どんな駅にも通用する事ではないでしょうが、かつて存在していた事を知らしめてくれる活動は、どんどん支持していきたいものです。
この幸福駅は廃線である為に、当然ながら列車での移動は不可能です。
しかし、バスを利用して訪れる事も可能。
この幸福駅の近くには「とかち帯広空港」があり、そこから帯広市内行きのバスに乗って移動する事も可能。
空港から一つ目の停留所が「幸福駅」となっています。
運賃は片道¥400。
ただし、この空港連絡バスの場合、帯広市内行きだと降車専用の停留所となっている為、一度ここで下車すると、この停留所から帯広市内へは行くことができません。
(※空港方面だと、乗車専用となっている為、幸福駅からの乗車は可能ですが、下車する事ができません)
◆こちらも参照ください◆ ※PDFファイル
帯広市内行きのバスに乗る為には、ここから300mほど西側を走る国道236号線(広尾国道)にある「幸福」停留所まで移動し、ここで帯広駅行きのバスに乗ります。
空港から幸福駅経由で帯広市内に行く場合は、この停留所の変化に十分注意しましょう。
↑幸福駅から帯広駅行きバス停留所までのルート↑
帯広駅からアクセスする場合、駅前の帯広バスターミナルの11番乗り場から発車する「60:広尾」行きのバスに乗車します。
バスターミナルから「幸福」まで、51分。運賃は片道¥610となっています。
リンク
■『幸福駅・愛国駅|愛の国から幸福へ/帯広市』
■『幸福駅発』
■『十勝バス』
■『十勝バス/とかち帯広空港へのアクセス (時刻表等)』
■『広尾線バス時刻表 (帯広バスターミナル⇔幸福駅)』 ※PDFファイル
←クリックしていただけると大きな励みになります
この記事へのコメントはありません。