大湊海軍カレーを閑静な北の防人大湊で ~水源池公園等の見所も
北の防人(さきもり)大湊。
海上自衛隊大湊地方隊のすぐ北西側に隣接した施設で、緑溢れる釜臥山(かまふせやま)中腹の公園内に、「案渡館(あんどかん)」「弐番館」「海望館」といった、明治~大正風の建物や、水源地公園の「旧大湊水源地水道施設」といった様々な施設が集まった場所です。
建物も閑静な公園内の木々にマッチした造りをしており、さらに「旧大湊水源地水道施設」の水のせせらぎが癒しのひと時を生みだす、自然と文化が混ざり合ったような独特の光景を成しています。
大湊地方隊の資料館でもある「北洋館」もこの北の防人の一つ。
特に「案渡館」のカフェテリアにて販売されいる「大湊海軍カレー」は、ここでしか味わう事のできない限定メニューの一つ。
そういった北の防人について、まとめていこうと思います。
(「北洋館」については、前回の記事にて簡単にですが、まとめています。是非こちらも合わせてご覧ください)
■『海上自衛隊・大湊地方隊 ~本州最北の街で迫力の艦艇見学~』
北の防人 安渡館
実在した海軍大湊要港部庁舎をイメージした、レトロな洋風の施設、「安渡館(あんどかん)」。
ここでは海上自衛隊グッズを始めとした売店や、観光情報を展示するラウンジ、多目的に使用可能な交流室、そして食事ができるカフェテリアがあり、中心的な存在ともいえる施設となっています。
なかでも「カフェテリア 憩-ikoi-」では、大湊海軍カレーや海軍コロッケ、海軍カレーパンなど、ここでしか味わう事のできないメニューもあり、海上自衛隊ファンであれば、一度は訪れておきたい場所でもあるでしょう。
海軍メニューの一つとして欠かせない海軍カレー。そのレシピが載っている「海軍割烹術参考書」を基に、現代風にアレンジされたのが、ここで1日20食限定で販売されている「大湊海軍カレー」。
海軍カレーらしく、サラダや牛乳がセットで付いてきますが、何よりも特筆すべきなのは、その盛り付け方。
下北半島をかたどったライスに、陸奥湾をイメージしたカレールー。さらに福神漬けをホタテの貝殻に添えて、ホタテフライとイカリ型のパイをトッピングしており、“海軍カレー”のイメージらしからぬお洒落さ溢れる盛り付け。
具もシーフードメインとなっており、横須賀や呉などで食べる事のできる海軍カレーの数々とは、一線を画しています。
今流行り(?)の“SNS映え”する一品とも言えるでしょうか。
ちなみに、つい最近の事ですが、護衛艦「せとぎり」の給養員より指導を受け、艦長の認定を得たという、本物の艦艇のカレー「大湊海自カレー」が数量限定で販売されるようになりました。
私が訪れた時(2017年5月19日)は、その情報はあったものの、まだ販売開始前だった為、こちらはまだ食べた事がありません。
海上自衛隊のカレーらしく、ステンレスプレートに盛り付けられた、本格的な海自カレーといったところ。
興味ある方はお試しあれ。
そして、一緒に注文しておきたいのが、海軍コロッケ。
「海軍割烹術参考書」にならって忠実に再現したと謳われており、なんでもこの海軍コロッケ、大湊の海軍部隊から生まれたのではないか、と言われているとも。
衣は平べったく、サクッというよりもカリッとした歯ざわり。
中身はジャガイモが潰されたというよりも、ペースト状になっているような感じであり、牛ひき肉が使用されているシンプルな味わい。
味付けもちゃんとされていますので、ソースは不要。
カレーとも合いそうです。
こちらも数量限定での発売のようですので、売り切れに注意。
海軍カレーのルーをそのまま具材に取り入れたカレーパンとなっており、このレストラン以外でも移動しながら気軽に食べる事ができるというのが嬉しいところ。
しかし、やかりご飯が欲しくなってくる……。
◆カフェテリア 憩-ikoi-◆
・開館時間:午前11時~午後8時 (ラストオーダー午後7時20分)
・定休日:12月31日、1月1日
・電話:0175-29-3103
北の防人 海望館
安渡館のすぐ隣に位置している海望館(かいぼうかん)。
その名の通り、地上15mの高さにある展望デッキから、芦崎湾や海上自衛隊の艦艇、そして大湊の町並みを見渡す事ができます。
建物の外観もまた、安渡館や周辺の景観と浮かないような洒落たデザインとなっています。
15mと聞いて大した事ないと思われる事でしょうが、この海望館が建てられている場所がすでに小高い丘の中腹となっている為、景色を見渡すには十分な高さとなっています。
エレベーターもしっかりありますので、展望デッキへの移動も楽です。
・開館時間:午前10時~午後8時
・休館日:12月31日、1月1日
・夜間ライトアップ:日没~午後9時30分
水源地公園
北の防人エリアに広がる公園、水源地公園。
中でも「旧大湊水源地水道施設」は国指定重要文化財でもあります。
簡単に言うと小規模なダムのような施設であり、海軍専用の水道施設として明治43年に竣工し、昭和20年まで使用されました。
その後、当時の大湊町に引き継がれ、昭和51年まで上水道として使用されていました。
平成21年には国の重要文化財に指定。
閑静な周辺の風景にも溶け込み、桜やツツジなどを鑑賞しつつ、陸奥湾の風景も楽しむことができる憩いの場として、現在も親しまれています。
周囲の景観の良さもあり、辺りを散策するだけでも十分に楽しめます。
ベンチに座っているだけでも癒されます。
北の防人 弐番館
文化や自然に親しむ学習活動と交流、ジオパーク活動の推進を図る施設、「北の防人 弐番館」。
この施設は、かつて旧むつ市文化財収蔵庫として長年使用されていた、むつ市有形文化財「旧大湊要港部乙第十号・十一号官舎(石造)」を改修したもの。
「北洋館」と似たような石造りが特徴的な建物で、交流スペースは常時開放されている為、休憩等の利用もできるようですが、正直、こちらの施設はどういった内容なのかあまり分からなかったので、軽く内部に入っただけで出てきてしまいました。
この弐番館のすぐ隣には、壱番館もあります。
こちらはかなりの年月に渡って使用されていないからか、ちょっとした廃墟のような佇まいとなっています。
入る事はできません。
これはこれで味があって良いのかもしれませんが。
・開館時間:午前10時~午後6時
・休館日:火曜日、12月29日~1月3日
みどりのさきもり館
安渡館のすぐ隣にある施設で、種まきや花苗の植え付け等の作業スペース、休憩や交流の場として自由に利用できる交流エリア等を設けています。
観光で訪れたなら、まずこちらは利用する事はないと思われますが、バスの時間まで時間が余っている場合など、休憩の為に交流エリアを利用する事はできます。
飲食も可能ですが、基本的にゴミは持ち帰る事となりますので、注意。
・開館時間:午前9時~午後5時
※12月28日~1月3日及びイベント等で施設を使用する場合を除く
ちなみに、この北の防人の4つの施設「北洋館」「案渡館」「みどりのさきもり館」「弐番館」のそれぞれに設置されているスタンプを集めると、オリジナル缶バッジが貰えるスタンプラリーが実施されています。
缶バッジは四季によって変化し、合計4種類集めると、さらにオリジナル景品も貰えるようです。
地元民やその近辺地域以外の方にはちょっと難易度が高そうですが、もし興味があれば挑戦してみるのもいいかもしれません。
スタンプ台紙と景品の交換場所は、「案渡館」内のカフェテリア「憩-ikoi-」入口の横にあるグッズ売場窓口にあります。
(写真のバッジは春バージョン)
自然に溶け込むようにして造られたこれらの施設。
単純に辺りを散策するだけでも、気分をリフレッシュさせる事ができるものと思われます。
迫力ある海上自衛隊の艦艇や歴史に触れた後に、或いは癒しのひと時の為に、この北の防人を訪れてみるのも良いでしょう。
リンク
■『北の防人大湊』
・「安渡館」
・「海望館」
・「弐番館」
・「みどりのさきもり館」
・「北洋館」
・「水源地公園」
■『北の防人大湊』 Facebook
■『北の防人大湊スタンプラリー』
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