列車と路線バスで行く四国太平洋沿岸横断の旅 #3・2日目、足摺岬~四万十市、室戸岬への道中
“四国太平洋沿岸横断の旅”第3弾。
旅の道中2日目についてまとめたいと思います。
今回は、四国最南端の地、足摺岬(あしずりみさき)からちょっとした寄り道をしながら、四国南東の果て、室戸岬(むろとみさき)へ一気に駆け抜けます。
早朝の足摺岬近辺を満喫する
日の出の足摺岬
この日は足摺岬から一気に200km超もの距離を移動し、室戸岬へと向かう予定を組みましたが、少しずつ寄り道をしながら向かう事にします。
何よりも、せっかくの四国最南端の地である足摺岬を碌に満喫せずにさっさと移動するのも、勿体無いというもの。
という事で、09:45足摺岬発のバスで中村駅へと向かう事に。
ちなみにこの足摺岬、朝日が綺麗に見える事でも知られています。
せっかく近場のホテルに宿泊しているので、見に行く事に。
この日(3/23)の足摺岬近辺の日の出の時間は、06:09。
宿泊先である足摺国際ホテルから足摺岬の展望台までは、徒歩で15分掛かるかどうか、というところ。
何とか5時に起床し、5時半頃にはホテルを出発するよう準備します。
早朝の足摺岬への散策。
薄暗い林の道を事になりますので、足元には注意しましょう。
雲がなければもっと綺麗な真ん丸い陽を見る事が出来たでしょうが、これでも十分すぎる美しさ。
曇り空でなくて良かった。
白山洞門への寄り道
陽がある程度昇ったところで、一旦ホテルに戻る事に。
帰りは灯台の元に寄りつつ、この足摺岬周辺の見所の一つ、白山洞門に寄り道してみる事に。
白山洞門までの道のりは、案内板に従って進んでいけば、迷う事無く辿り着く事が出来ます。
意外と高低差のある林道を進んでいく事になります。
朝からちょっとした良い運動になるな。
道中、こんな看板が。
まさか、自殺スポット……なのか?この辺りは。
「白山神社」の鳥居が見えたら、さらに右側の階段を下っていけば、洞門の目の前に辿り着けます。
ちなみに、鳥居をくぐって洞門の上へと進むことは出来ない模様。
名前の通り、岸壁がトンネルのようにえぐられ、太平洋へと続く巨大な門のような佇まいとなっています。
ただ、この洞門をもっと綺麗に見ようと思うなら、このすぐ後ろの山腹にある『万次郎足湯』から眺めるのが最良。
打ち寄せる波音が響き渡るこの眼前の光景もまた良い感じですが。
そしてそのまま道を進み、階段を上って一旦ホテルへと戻ります。
朝の軽い(?)散策を終え、温泉につかってちょっと一休みした後、チェックアウトを済ませます。
その際、ふとフロントの方に「足摺岬の到達証明書って、ここでも貰えますか?」と聞いてみる。
すると、本当にあって少し驚きました。
足摺岬前の観光案内所で配布されているのは事前の調べで知っていましたが、この足摺国際ホテルでも配布されているなんて知らなかったですからね。
そして足摺岬バス停留所を目指すべく、再び足摺岬へ向けて歩き出します。
二度目の足摺岬とその道中
道中、『万次郎足湯』が営業時間となっていた為、ついでに立ち寄ってみる事に。
足湯の眼前には、白山洞門と太平洋の壮大なパノラマが広がります。
なかなか素晴らしい光景の中、リラックスする事が出来ます。
そして、本日二回目の足摺岬へ。
陽が高く上り、もうすっかり昼間のような明るさとなった足摺岬。
日の出の時とはまた違う顔をしているような気がするのも、面白い。
二回目の足摺岬を楽しんだ後、岬入口にある観光案内所にて、「足摺岬到達証明書」を貰う事に。
足摺国際ホテルとはまたデザインが違う到達証明書となっています。
デザイン違いが貰えるのもまた、証明書コレクターにとっては嬉しいもの。
09:45発のバスまでもう少しだけ時間があった為、足摺岬のすぐ前にある『金剛福寺』へと寄ってみる事に。
第38番礼所となっているこの金剛福寺。
思ったよりも広大で、豪快でありながら「わび・ざび」もしっかりと両立しているような、そんな不思議な感覚の場所です。
そしてバスの時間がやってきます。
ちょっとした名残を惜しみつつも、中村駅へと向けてバスに乗り込みます。
バスが出発してから約15分後、バスが一時停止したと思ったら、運転手さんが「ここ写真撮りましたか?」と私に聞いてきました。
停車した場所は、『松尾海岸』と呼ばれる場所(多分…)で、ここからの眺めもまた非常に素晴らしいところです。
遠慮なく撮らせていただきました。
急ぎめで風景を撮った後、運転手さんにお礼を言い、中村駅へと向けて運転を再開します。
四万十市内の軽いサイクリング ~佐田沈下橋へ~
佐田沈下橋へのサイクリング
足摺岬から約1時間45分。
四万十市の主要駅である中村駅に到着します。
到着時間は11:30頃、私が乗車しようとしている高知駅行き特急列車の発車時間は13:24。
1時間50分程度の待ち時間が発生。
もちろん、ずっと中村駅周辺でだらだら過ごすのも勿体ない為、何とかして四万十市内を満喫出来ないものかと考えた結果、レンタサイクルを利用する事に。
四万十と言えば、やっぱり四万十川に掛かる沈下橋。
駅から最も近い『佐田沈下橋』に何とか1時間半以内に往復出来ないものかと考える。
駅から南に徒歩5分ほどの位置にある「観光案内所」にて、レンタサイクルの手続きをしがてら、佐田沈下橋までの行き方を説明してもらう。
どうも自転車だと片道40分~50分ほどは掛かるとの事。
……微妙だ。間に合うか??
あまり時間がないので、ここは電動アシスト付きの自転車を借りる事に。(2,000円)
この時点で時間は11時50分を回ろうかとしていたので、大急ぎで佐田沈下橋へと移動します。
朱色が眩い四万十川橋を渡り、四万十川の西側の川岸に沿って、脇目も振らずに沈下橋へと自転車を進めます。
…って、考えてみれば川が進行方向逆側に向かって流れていくのだから、それも当然か。
ですので、見た目に反して思ったよりも体力を使います。
電動アシスト付きでなければ、自分の体力に合ったペースで進んでいくようにしましょう。
という事は、帰りは結構楽な道とも言えます。
進行方向左手側にある「四万十川桜づつみ公園」を超え、さらに進んでいくと、急に曲がりくねった細い林道へと差し掛かります。
車もこの道を通り、アップダウンも結構ありますので、事故とケガに注意しながら進めていきましょう。
坂道を下り続けると、分岐路に差し掛かります。
自動販売機のすぐ右側は、もう佐田沈下橋です。
佐田沈下橋を楽しむ
そして12時20分を回ろうかという頃、ついに佐田沈下橋に到着します。
電動アシスト機能を駆使し、何とか30分ほどで辿り着く事に成功しました。
しかし、なかなかハードだった。
この沈下橋がここまで人々を魅了するのは、ひとえにこのシンプルさに尽きるのかもしれません。
山々を縫って流れる四万十川の雄大さ。
そこに掛かるガードレールすらない、必要最小限の造りとも言える沈下橋。
川の増水時には、水面下に沈んでしまう為、橋が流されないようにする為にこのような造りとなっているのです。
だから“沈下”橋という名称。
まだ架橋技術が発達していない時代に、激流で破壊されないように、敢えて水面下に沈ませるようにした、当時の工夫が今もなお活きているのです。
大自然との調和。
だからこそ惹かれるものがある、のだろうか?
沈下橋をしばらく堪能した後。すぐに自転車でここまで来た道を引き返します。
帰りの寄り道 ~桜と菜の花~
やや時間が余ったので、「四万十川桜づつみ公園」の桜と、「菜の花の森」にて菜の花を僅かな時間楽しむ事に。
どちらも見頃にはまだ早かったですが、それでもなかなかのものでした。軽い花見がてら小休止をこなし、そしてまた急ぎ目に観光案内所に戻って、自転車を返却します。
戻ってきた時間は、13:10を過ぎた頃。
だいぶ飛ばしたな。
2日目の最終目的地、室戸岬へ
中村駅から一気に奈半利駅へ
レンタサイクルを返却し、中村駅にてとっきゅうあしずり高知駅行きへと乗り込みます。
ひとまず高知駅まで向かい、そこで奈半利駅行きの列車に乗り換え、一気に四国東南の室戸半島へ向かいます。
中村駅も奈半利駅も、第三セクターである「土佐くろしお鉄道」の駅となっていますが、中村駅にて奈半利駅までの乗車券を、JR区間の特急券込みで通しで購入する事が可能。
13:24、高知駅へ向けて、特急列車は走り出します。
15:04、高知駅に到着。
ここで奈半利駅行きの快速列車に乗り換えますが、出発時間は15:19。
若干の時間があった為、高知駅にて途中下車し、初日で撮れなかった高知駅前の三志士(武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎)の銅像をカメラに収めつつ、コンビニで軽食を購入する事に。
急ぎ目に銅像を撮影し、買い物をすませ、すぐに奈半利駅行き列車に乗り込みます。
室戸半島西側の終着駅、奈半利駅からバスで室戸岬へ
16:35、ついに終着駅である奈半利駅に到着します。 かねてより気になっていた駅の一つ、奈半利駅。
室戸半島の西側の終着駅に降り立ちます。 宿毛(すくも)駅もそうでしたが、周辺の町の規模の割には高架橋まで引かれ、随分と立派な駅舎をしています。
この列車でこの駅に降りたのは、私を含めてたったの3人。
これから先持ちこたえられるのだろうか?などと若干心配になってきたりします。
ここで16:52発の室戸世界ジオパークセンター行きのバスに乗り込みます。
バスの本数は意外とある模様。
そんなに時間を持て余す事はありません。
室戸岬にて日の入りを見る
そして17:51、この日の最後の目的地『室戸岬』に到着します。
ついに来た。この旅のきっかけのもう一つの場所。
もう陽が暮れかかった18時前。
幸い雲も少なく、絶好の落日がこの岬から見る事が出来そうです。
ただ、この室戸岬、周辺はかなり大規模な岩礁が広がっており、なかなか綺麗に夕日を見られる場所が見当たりません。
かと言って、灯台はかなり小高い山の上の方にあり、今から登るには時間が足りない。
やはり岩礁の合間を伝って、綺麗に陽が見える場所を探すしかないか。
若干危険ですが、岩礁を渡り歩き、何とか夕日が見える場所を探します。
そしておよそ10分後、ようやく岩が邪魔にならないポイントを探し出す事に成功。
ここで日の入りをじっくりと見る事にします。
思えばこの日は、足摺岬にて日の出を迎え、この室戸岬で日の入りを見送るという、同日の内に一日の始まりと終わりをこの目で見るという、なかなか無い機会に巡り合う事となりました。
素晴らしい一日となりました。
2日目の宿泊先、ホテル明星(あけのほし)へ
陽が完全に沈み、完全に暗くなる前に、この日の宿泊先である、ホテル明星(あけのほし)へと移動します。
室戸岬から徒歩で15~16分程度の道のり。
北東へとひたすら歩いて行きます。
完全な一本道である為、まず迷う事はありません。
だんだん暗くなっていき、すぐ左側は山なので、若干の心細さを感じずにはいられませんが。
18:40頃、ようやくホテルに到着します。
結構年季の入ったホテルだ。
チェックインを済まし、ひとまず部屋へ向かい、荷物を降ろします。
しかし、古さを隠し切れない和室だ。
だが、これはこれで味があって良い……のか?
そして夕食をとる為に、1階レストランへと向かいます。
この日も素泊まりではありましたが、レストランで食事を注文する事は可能です。
天丼を注文しましたが……、そういえば、何か久々にまともな飯を食ったような気がする…。
(昨晩は素泊まりだったので軽食(お菓子…しか売ってなかった)で済ませた)
こうして、2日目の旅路も順調にこなす事が出来ました。
あまり時間がなかったので四万十市から一気に室戸岬へと向かった為、その間の観光地等には寄り道できなかったのが、若干の心残りではあります。
しかし、高知県はまた必ず再来するぞ、と心に決め、それらは次の楽しみに取っておく事とします。
そして3日目へと続きます。
リンク
■『四国最南端足摺岬』
■『一般社団法人 四万十市観光協会』
■『室戸岬/高知県の観光情報サイト よさこいネット』
この記事へのコメントはありません。