海上自衛隊・大湊地方隊 ~本州最北の街で迫力の艦艇見学~

海上自衛隊大湊(おおみなと)地方隊

青森県むつ市にある海上自衛隊の地方隊の一つであり、海上自衛隊五大基地(横須賀、呉、舞鶴、佐世保、大湊)の一つ。
宗谷海峡、津軽海峡といった重要な国際海峡を始めとした、日本北端部における防衛警備を担当しています。

横須賀や呉などの基地とは比較的規模は小さめであり、遊覧船などによる見学は行われていませんが(※イベント時除く)、週末や祝日になると、護衛艦に乗船しての見学が可能となります。

見学可能な艦艇は「ちよだ」「まきなみ」「すずなみ」「ゆうだち」「せとぎり」など。時には「YDT-02(水中処分母船)」なども。
ただし、実際に乗船できるのはこれらの内から1つのみとなっており、大体1ヶ月前ほどから決定されます。

 

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見学当日、集合場所は、大湊地方隊の北側に位置する「北洋館(ほくようかん)」。
13:00~13:30までに、入り口から入ってすぐの場所にある見学者名簿に名前を記入し、待機しておきます。

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ちなみにこの北洋館、大正5年(1916年)に海軍大湊要港部の水交支社(海軍士官の社交場)として建てられたもので、当時としては珍しい石造りの建物となっています。
内部は大湊地方隊の資料展示室となっており、明治35年の帝国海軍大湊水雷団開庁から現在(旧海軍~自衛隊)までの「北方の海上防衛」をテーマとした、貴重な資料を約1,000点が展示されています。

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規模の割には見応え抜群です。しかも入館無料
艦艇見学時間がくるまで、この膨大な資料を見学しておくのも良いでしょう。

 

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そして時間がくると、隊員の方々が、艦艇まで案内をしてくれます。

北方館の駐車場脇から、大湊地方隊敷地内を通り、艦艇のある桟橋まで約5分ほど徒歩で移動します。
ちょっとした坂道を歩いて行きますので、それなりに動きやすい格好をしておきましょう。

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しかし、こうやって歩いて行くだけでもワクワクしてきます。

 

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そして桟橋に到着。
桟橋には「おおなみ (DD-111)」と「まきなみ (DD-112)」という2つの護衛艦が停泊していました。

やはり近くで見ると迫力満点。

この日、見学可能だった艦艇は、「まきなみ」。

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護衛艦まきなみは、「むらさめ」型の改良型である「たかなみ」型の3番艦として、平成16年(2004年)3月に就役したヘリコプター搭載汎用護衛艦。
「まきなみ」という艦名は、「逆巻く波」を由来としており、国内の艦艇としては、旧海軍の夕雲型駆逐艦「巻波」、あやなみ型護衛艦「まきなみ」に続き3代目に当たります。

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ちなみに、この「まきなみ」は国産護衛艦の通算100隻目に当たる艦艇であり、金色に輝き、躍動感溢れるバショウカジキが同艦のエンブレムとなっています。

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いよいよ艦艇に乗り込みます。
船首の方にあるのは、54口径127mm単装速射砲。

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ちょっと遠くから見ると、まるでたこ焼きに刺さった爪楊枝のように見えなくもないですが、眼前となると、やはりでかい。

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艦艇の向く先の方には、恐山山地の最高峰「釜臥山(かまふせやま)」が。
しかし、意外と絵になる光景です。

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恐ろしいイメージのある兵器の数々も、いざ目の前にすると、別に恐怖心を覚えるような事はありません。
むしろシンプルで機能的な美しさすら感じさせます。

 

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船尾の方には、ヘリ甲板が。
ヘリ格納庫の内部も見る事ができます。

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この四角く平たい装置は、ベアトラップと呼ばれるヘリの着艦拘束装置。
その名の通り、ヘリの着艦を支援し、甲板から格納庫への移送を行うための装置です。

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ちなみに、着艦方法は3つあり、艦船の動揺が激しい時(悪天候時)に使用される「テザードランディング」、艦船の動揺が大きめの時に使用される「アンテザードランディン」、そして艦船の動揺が小さい時に使用される「フリーデッキランディング」があります。

テザードランディング」は、航空機下部に護衛艦からのリカバリーアシストケーブルを取り付けて、護衛艦側のウインチによって強制的に機体を引き降ろす事によって着艦させます。
アンテザードランディング」は、航空機下部の突起物(メインプローブ)を着艦装置で挟み込み、機体を固定する最も使用頻度の高い着艦方法。
フリーデッキランディング」は、着艦拘束装置を使用しない着艦方法で、甲板の誘導員の誘導により、航空機を着艦させます。

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格納庫内に、航空機着艦記録が。
やはり、「アンテザードランディング(U/L)」の回数が圧倒的に多いです。次いで多いのが「テザードランディング(T/L)」、最少は「フリーデッキランディング(F/L)」となっていました。

 

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このように、実に様々な能力と機能などを目の当たりにする事ができる、非常に有意義な艦艇見学を楽しむ事ができます。
周辺ののどかで美しい風景とも相まって、実に見逃せない光景がいくつもあり、終始飽きるような事はありません。
ミリタリーには特に興味がないという方でもあっという間の時間を過ごす事ができるのではないでしょうか。
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見学方法とアクセス

この艦艇見学についてですが、10名未満であれば、特に事前受付なしで、当日そのまま見学する事が可能
10名以上で見学したい場合は、見学希望の週の木曜日までに、大湊地方総監部総務課広報係までFAXかメールにて申し込み手続きが必要

見学当日の13:00~13:30までに北洋館に移動し、見学者名簿に名前を記入して待機しておきましょう。
もし、天候不良などで見学があるかどうか分からないような時は、当日の午前10時以降大湊地方総監部当直室(℡:0175-24-1111 内線2310)まで問い合わせましょう。

基本的には土、日、祝日が見学可能日となりますが、確実に見学できるとは限りませんので。注意が必要です。
シーズンによって見学ができない週があったり、訓練や天候次第で中止となったり、なかには平日も見学可能な日があったりと、まちまちです。
また、冬季は見学ができなくなりますので、訪れる時期にも十分注意しましょう。

詳細は海上自衛隊大湊地方隊のサイトを参照ください。

『海上自衛隊大湊地方隊/施設見学のご案内』

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また、北洋館まではJRバスで最寄りまで移動する事が可能です。
JR大湊駅より、川内、宇曽利川、脇ノ沢行きバスに乗車し、「海上自衛隊前」バス停で下車します。

大湊駅~海上自衛隊前まで約20分、運賃は片道¥240となっています。

『田名部-大湊駅、自衛隊前、脇野沢(下北線) /平日用 時刻表』
『田名部-大湊駅、自衛隊前、脇野沢(下北線) /土日祝日用 時刻表』

↑「海上自衛隊前」バス停から北洋館までのルート↑

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ちなみに、「海上自衛隊前」バス停から、南東の方に進んだ沿岸にある「多目的広場」にて、大湊地方隊の艦艇を見る事が可能です。
タイミングにもよりますが、思ったより近くに艦艇を見る事ができます。
これだけでも迫力満点。
見学可能日以外にしか来れなかった場合でも、ここから艦艇を見る事ができるかもしれません。
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  リンク

『海上自衛隊大湊地方隊』

『艦艇見学』
『北洋館』

『田名部-大湊駅、自衛隊前、脇野沢(下北線) /平日用 時刻表』
『田名部-大湊駅、自衛隊前、脇野沢(下北線) /土日祝日用 時刻表』

 

 

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