旭川・神居古潭(かむいこたん) ~神と文化、鉄道を伝承する穴場的名所

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旭川市の景勝地、神居古潭(かむいこたん)
石狩川の急流と、山々の中にそびえる神居岩の岩肌が織りなす稀有なその景観から、旭川八景の一つに選定されている場所です。

神居古潭という地名は、アイヌ語の「カムイコタンの音意訳であり、古くよりアイヌの人々の聖地とされてきた場所でもあります。

カムイコタン : カムイ = 神、コタン = 集落。 即ち「神の住む場所」の意。

 

神々の伝承の地、神居古潭

 

 

地図上でも確認出来ますが、この神居古潭周辺は川幅が急に狭くなっており、流れが激しく、そして水深も深くなっている為、水上交通に頼っていたアイヌの人々にとっては、水難事故が多発する最大の難所となっていました。
(水深は最大で70mにも達するという)
その為、アイヌの人々は峡谷に住むニッネカムイ (悪神・魔神の意) の仕業と恐れるようになります。
この魔神は、様々な災いをもたらして人々を苦しめていた為、山の神ヌプリカムイと英雄神サマイクルによって倒された、という伝承もあります。

無事な通過を神に祈る、という意味もあって「カムイコタン」と名付けられたという言い伝えもあり、まさにこの神居古潭は、善悪様々な神の集う、神聖な場所であるわけです。

 

 

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現在は橋(神居大橋)が架けられていますので、難なく対岸へと渡る事が可能ですが、昔は神に祈りを捧げながら渡らねばならない難所であったという事を考えると、文明の進歩というのは如何にありがたい事か、という事をしみじみと感じる事が出来るかもしれません。

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ただこの橋、そこまで頑丈ではないようで、「一度に100人以上渡れない」という注意書きがされています。
自転車の走行も禁止されています。

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橋の上を歩くと、吊り橋でもないのにちょっとした揺れや、ギシギシと軋む音が聞こえてきますので、スリルを感じる事かもしれません。
崩落する危険はないとは思いますが。

私はむしろ、途中で羆に遭遇したりしないだろうな?などという事でビクビクしていましたが。

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しかし、この橋の雰囲気も然るものながら、橋の上から見渡す峡谷の景色もまた素晴らしいものです。

 

 

近代文化の発展を遺す場所

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橋の向こう側には、旧神居古潭駅舎もあります。

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かつて函館本線がここを通っていましたが、その函館本線の前身である上川線(かわかみせん・北海道官設鉄道)が開通したのは、明治31年(1988年)7月16日。
北海道内陸開発の拠点として設置された、当時の旭川村から空知太(そらちぶと・現在の滝川)までを結びました。

そして、明治34年(1901年)12月3日、この地にて神居古潭簡易停車場として開業され、明治36年(1903年)5月15日に神居古潭駅となりました。

この駅舎が建設されたのは、明治43年(1910年)になってからの事。

函館本線の電化・複線化、及び納内(おさむない)駅~伊納(いのう)駅間のトンネル化により、昭和44年(1969年)9月30日に廃駅となりましたが、明治期の数少ない駅舎建築物の特徴を残し、貴重である事から、平成元年(1989年)に復元されました。
また、平成3年(1991年)には旭川市の指定文化財にも指定されています。

 

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駅舎は手入れが行き届いており、非常に綺麗な状態を保っています。

情緒あふれる佇まい。
周囲の自然の景観にも溶け込んでおり、非常に味があります。
復元、保存してくれていて、本当に良かったと思えるでしょう。

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駅舎の後ろ側には、かつて使用されていたであろう、ホームの遺構もあり、かつての名残を感じる事が出来ます。

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駅舎内には、第60回こたんまつりの特別ポスターが、無料で配布されていました。
私も記念に1つ持ち帰りましたが……さすがに帰った頃には結構グシャグシャになってしまいました。
これを持って飛行機に乗って名古屋まで、というのは、さすがに無謀だったか……残念。

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現在、線路跡はサイクリングロードとして使用されており、この旧神居古潭駅舎もサイクリングロードの休憩所としての場所にもなっています。

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鉄道好きにも打ってつけの地

 

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さらに、この駅舎の西側の方には、SLが3台展示されています。

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キュウロク」という愛称で親しまれ、四国を除く全国で広く活躍していた「29638蒸気機関車」、主に急行旅客列車として活躍し、スマートな形態で人気を呼んだという「C57 201蒸気機関車」、「デコイチ」の愛称で親しまれ、1936年から1945年にかけて1115輌と国内最多の生産がされた「D51 6蒸気機関車」、この3台の蒸気機関車が並ぶという、圧巻の展示となっています。

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残念ながら機関車内に乗り込む事は出来ませんが、鉄道ファンにはたまらないのではないでしょうか。

 

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そして、この機関車のさらに奥の方には、かつて函館本線として使用されていたトンネルがそのまま残されています。

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現在はサイクリングロードとして使用されているこのトンネル。
ただ、この道をたまに車も走りますので、通行する際には十分に注意しましょう。
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このように、神々の伝承、近代文化の発展、大自然の優美、鉄道と、あらゆる面で楽しませてくれる神居古潭。
旭川市の中心街から車で約30分ほどの距離という、そう遠くない位置にあるにも関わらず、観光客もほとんど見かけない為、非常に落ち着いた環境の中、のんびりと楽しむ事が出来る、穴場的な景勝地です。
ここを散策するだけでも、非常に心が満たされるような神秘的な気分に浸る事が出来る、不思議な場所です。

 

 

バスでのアクセス

 

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この神居古潭へは、バスでの移動も可能です。
バスでの移動方法は、主に2通り。

一つは、旭川ターミナルより、北海道中央バスの芦旭線「芦別」行き、または深旭線「深川市立病院前」行きバスに乗車し、「神居古潭」停留所にて下車します。

『北海道中央バス株式会社/芦別路線 時刻表』
『北海道中央バス株式会社/芦別路線 時刻表』 PDFファイル

もう一つは、旭川駅前(22・23のりば)より発車する、沿岸バス・留萌旭川線「留萌十字街」行きバスでも可能です。こちらも「神居古潭」停留所にて下車します。

『沿岸バス株式会社/留萌旭川線 時刻表』

移動時間は、何れも25分程度です。

ただし、運賃は旭川ターミナル発のバスだと片道¥640、旭川駅前発のバスだと片道¥510と、旭川駅前からの方が安い設定となっています。
時間と都合に合わせて、どちらを取るか選択しましょう。

 

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ちなみに、今回、私の場合は旭川ターミナルより「深川市立病院前」行きのバスにて移動しました。

 


↑「神居古潭」停留所から神居古潭までのルート

 

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約25分後、「神居古潭」停留所に到着。
幹線道路の途中の半端な場所で降ろされた感が満載ですが、神居古潭へは、旭川方面へ少し戻った場所にあります。

機会を見て道路の反対側に渡っておきましょう。
神居古潭は、石狩川沿いにあります。
交通量が多く、道幅も広めですので、十分に注意しましょう。ちなみに、歩道橋はおろか、横断歩道らしきものすら見当たりません。

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ちなみに、帰り(旭川方面)行きのバス停留所は、少し旭川方面に離れた場所にありますので、注意。

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高架橋からは神居古潭の神居岩と周囲の山々、石狩川の風景が一望できます。

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なかなか良い景色です。

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トンネルの前まで戻ってきたら、左側の道に入っていきます。

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後は坂道を下っていき、公衆トイレを過ぎた後に、神居古潭の入り口が見えてきます。

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あまり迷うことなく辿り着けると思いますが、バス停に降りてから最初の幹線道路を渡るのが唯一の難所か。

 

 


  リンク

『一般財団法人 旭川観光コンベンション協会/神居古潭(かむいこたん)』

『北海道中央バス株式会社/芦別路線 時刻表』
『北海道中央バス株式会社/芦別路線 時刻表』 PDFファイル
『北海道中央バス』

『沿岸バス株式会社/留萌旭川線 時刻表』
『沿岸バス株式会社』

 

 

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