蘇鉄山 ~大阪・堺市、一等三角点のある日本一低い山~
蘇鉄山(そてつやま)。
大阪府堺市の大浜公園内にある低い築山で、一等三角点のある山としては、日本で最も低い山として知られています。
その標高は、わずか6.97m。
同じ大阪府内の割と近い場所にある、天保山(4.53m)ほどのインパクトさはないものの、ちょっと階段を上っただけで頂上に辿り着ける山という驚きの低さとなっています。
■日本一低い山シリーズ■
・『大阪・天保山 ~国内の代表的な低山を上る~』
・『日和山 ~「日本一低い山」の称号を奪還した震災復興のシンボルとも言うべき仙台市の低山~』
・『弁天山 ~徳島の日本一低い自然の山を登頂する~』
・『東洋一の低さ!?山口県萩市の火山『笠山』 ~見た目に反する大自然の浪漫を楽しむ~』
・『ゼロの頂へ!標高0mの山、秋田県・大潟富士』
堺市の海に面した蘇鉄山は、幕末、黒船の来航に備えてお台場が築かれた場所であり、明治12年(1879年)に大浜公園として開放され、展望の良い築山として整備されました。
明治~昭和初期には関西有数の海浜リゾート地として、海水浴や潮湯、少女歌劇、水族館、そして料理館街などで賑わう場所となっていました。
その後、御蔭山が削られ、昭和14年(1939年)に現在の蘇鉄山頂上に移設され、平成12年(2000年)には、国土地理院発行の地図に正式な山として記載されたことから、“一等三角点のある日本一低い山”の称号を受け、現在に至ります。
(余談ですが、元々一等三角点のあった御蔭山は、同時期に造られた大阪市の天保山と兄弟関係にあたる山でした)
蘇鉄山のある大浜公園は、南海電鉄「堺駅」の西側へ、徒歩5分ほどの場所にあります。
そして、大浜公園のほぼ中央部にある大浜プールのすぐ南側に、蘇鉄山があります。
1分足らずで登頂出来てしまう、本当に低い山。
ただ、知らず知らずの内に登頂してしまう天保山に比べ、この蘇鉄山は山頂に向かって階段がしっかりと設置されているあたり、まだ“登った”という実感が湧く山ではあります。
建物の2階に上るような気分でしかありませんが。
入口に近い方が東側、そしてその反対の西側。
西側の方が若干登り難いです。若干ですが。
蘇鉄山という名前の通り、山頂部にはソテツ(蘇鉄)が育っています。
これが山名の由来なのか、或いは山名にちなんで植えられたのかはよく分かりませんが。
(情報を知っている方がいらっしゃいましたら、教えていただけますと嬉しいです)
さすがに山頂からの見晴らしが良いとは言い難い低山ではありますが、散歩ついでにこの日本一低い山を登頂してみるのもまた面白いかもしれません。
公園内には、ラジオ塔跡や旧堺灯台など、貴重な建造物もありますが、プールやテニスコート、体育館や野球場など、スポーツ施設が揃う運動公園としての面が強いものとなっています。 可愛らしい子ザルの姿もあり、なかなかほっこりしてきます。
冬のモミジバフウも面白い。
冬枯れの木に飾りつけをしたような感じです。
そして、天保山のように、この蘇鉄山でも「登山認定証」という、一種の証明書を貰うことが出来ます。
ですが、この証明書が発行されているのは、蘇鉄山のある大浜公園ではありません。
堺駅のすぐ東側にある「神明神社(しんめいじんじゃ)」という場所で発行されていますので、興味ある方は注意しましょう。
神明神社の社務所窓口の方に、登山認定証がありますので、ここで1枚入手します。
案内にもある通り、1枚50円以上宮司に納めるか、宮司不在の場合は賽銭箱に祈願がてら入れるようにしましょう。
ちなみにこの神明神社、御祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)、豊受大御神(とようけおおみかみ)をはじめ計16柱が合祀されている「堺のお伊勢さん」と呼ばれる神社となっています。
一等三角点のある日本一低い山・蘇鉄山へ登頂した後は、是非この神明神社へ参拝してみてはいかがでしょうか。
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